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2位入賞でダメージは最小限に「4基目のPUを投入できたので優位だと考えている」/ホンダ山本MDインタビュー

2021年9月30日

 レッドブルは、2021年F1第15戦ロシアGPでマックス・フェルスタッペンに新しいパワーユニット(PU)を投入した。最後尾からのスタートとなったフェルスタッペンだったが、終盤の雨のなかでタイヤ交換のタイミングを見極め、最終的に2位に入賞。ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターは、グリッド降格ペナルティのダメージを最小限に抑えることができたと考えており、4基目のPUを投入することは難しい判断だったものの、フェルスタッペンにとって最高の終わり方でグランプリを終えたと語った。


 またロシアではFIA-F3が最終戦を迎え、フル参戦を終えた岩佐歩夢(ハイテックGP)について山本MDは「1年間よく頑張った」と評価。岩佐の2022年シーズンの去就はまだ決まっていないが、「何が足りなかったのか、年末に向けて反省し、来年に向けての準備もしてほしい」と述べた。


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──今回のレースは本当に何が起こるかわからない、やっている側は大変なレースだったと思いますが、ファンにとってはおもしろいレースでした。


山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):最後尾スタートの覚悟で、ロシアGPのFP1の後にマックス(・フェルスタッペン)に4基目を投入しましたが、レースでは途中厳しい状況になったものの、雨にも助けられ、終わってみれば2位。クリスチャン(・ホーナー/レッドブルのチーム代表)も言っていたように、本来5位前後だと思っていたところ、最終的にルイス(・ハミルトン/メルセデス)が優勝したもののマックスが2位というのは、レッドブル・ホンダにとって非常にいい終わり方をしたと思います。


 ペレスは1回目のピットストップで時間がかかり、その後も実力で3番手に戻るなどいいレースをしていたものの、運がなかったです。タイヤをインターミディエイトに変えるタイミングが味方しなかった。コンストラクターズポイントを取り損ねた感はありますが、ドライバーズチャンピオンシップで言えば、マックスにとっては最高の結果だったと思います。

ホンダ山本MDインタビュー(1)
レース後、握手を交わすフェルスタッペンと山本MD


──グリッドペナルティによるダメージを最小限にとどめることができましたね。


山本MD:理想的です。ここでは元々メルセデスが速いことはわかっていたし、クルマのセットアップも全然違うので、メルセデスが1-2フィニッシュしても仕方がないかなと思っていました。マックスの2位は、ダメージを最小限に抑えたと言っていいでしょう。さらに我々は4基目を投入できたので、その分、優位かなと思っています。


──つまり、ペナルティがなくても3位しか狙えないのであれば、4基目を投入して5位でもよかったのですか?


山本MD:どこかで4基目を投入しなければならない。結果的にここでPUを投入した判断はよかったわけです。


──4基目を投入するという判断は、難しかったですか?


山本MD:難しい判断でした。いくつかのオプションを持っていて、FP1の状況をみながらどういうふうに持っていくか。非常に難しかったと思うし、レッドブルも最後まで考えていたというのは聞いています。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第15戦ロシアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)


──山本さんはシーズン開幕前に、タイトルを獲るには負けないための戦略ではなく勝つ戦略が重要だと強調していたと思いますが、今週末の決定は積極的な作戦だと思っていいですか。


山本MD:(ヘルムート・)マルコ(モータースポーツアドバイザー)と話をしていて、個人的には4基目(を投入するタイミング)はロシアがいいなと思っていたので、戦略的には満足しています。

ホンダ山本MDインタビュー(1)
ヘルムート・マルコ(レッドブル モータースポーツアドバイザー)


──その理由は?


山本MD:理由は、このソチ・オートドロームは抜けないサーキットではないからです。マックスだったら、最後尾からでもある程度オーバーテイクして上がってこれる。5番手以内には上がってくるだろうと思っていました。マックス本人は金曜の段階では「抜くのは大変だよ」と言っていたけど、終わってみれば2位だったし、ここで4基目を入れてよかったと思います。


──このロシアGPでは2022年に投入する予定だったES(エナジーストア)を後半戦から投入していたことを発表しました。


山本MD:それに関しては研究所のメンバーに感謝してます。本当にありがとうと言いたい。前倒ししてくれたのは、ホンダの全員が最終年にチャンピオンシップを賭けて最後まで戦っていくぞという証だと思っています。アドバンテージがあるのなら、可能な限り投入していくのはレースでは必要なことだと思っているので、研究所のみなさんに感謝しかありません。


──マクラーレンはこのロシアGPでも前戦イタリアGPに続いて、レースを引っ張っていました。これからチャンピオンシップは終盤戦に入っていきますが、タイトル争いの鍵はマクラーレンが握っているのかもしれませんね。


山本MD:確かに今日もルイスはなかなか(ダニエル・)リカルドを抜けなかったし、本当におもしろい位置にいますね。


──それにしても、ランド・ノリス(マクラーレン)にとっては厳しい結末となりました。


山本MD:初優勝を目指してトップを走っていて、あの状況で真っ先に(ピットに)入るというのは難しい。ゆくゆく勝っていくドライバーなのでいい経験だと思いますよ。そちらのほうはともかく、ガスリーがいい流れだったのに、結果的にチグハグな感じになってもったいなかったかなと思います。

ホンダ山本MDインタビュー(1)
2021年F1第15戦ロシアGP ランド・ノリス(マクラーレン)


──アルファタウリが今週末、あんなにミスをするとは思わなかったですね。


山本MD:(ミスが)多すぎたし、流れも悪かったです。


──角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)選手についてはいかがですか?


山本MD:チームにも本人にも聞かないといけないですが、直近の2戦ともに、金曜日の時点でガスリーとあそこまでの差が出るのは、何かおかしい。何か問題が必ずあると思うし、それをしっかりと見つけ出さないといけない。そこはチームと確認するべきでしょう。


──今までは金曜日がよくても、土日でミスをしていましたが、いまは逆になっていますか?


山本MD:コメントを聞いていても、想像していたのとクルマが違うようです。そこは本人に直接、聞いてください。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第15戦ロシアGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)


──ロシアでFIA-F3はシーズンが閉幕しました。岩佐歩夢選手についての評価をお願いします。


山本MD:序盤・中盤・終盤と大きく3つに分けると、まず序盤は初めてのF3ということで、チームとのコミュニケーションも含めてクルマの方向性に苦しんでいたようでした。マルコや私がチームとも話をして、中盤あたりから金曜日のイニシャルのセッティングも決まりだし、岩佐の走らせ方も改善していって、ハンガリーでは本人も積極的なレースをして、最終的に勝つことができた。あの辺りからチームのセットアップの方向も変わって、チーム全体が底上げされてレースをしていたのが終盤です。だから、ロシアのレース2で3番手からどのような走りをするのか見たかったのですが、雨のためにできなくて残念でした。総じて言えば、1年間よく頑張ったなと思います。

ホンダ山本MDインタビュー(1)
岩佐歩夢(ハイテックGP)


──レース1とレース3でのオーバーテイクを見ると、3番手からスタートしていれば、表彰台獲得はありえたでしょうか?


山本MD:3番手からスタートしていれば、いまの岩佐だったらクルマさえトラブルがなければ表彰台にいけたと思います。彼はスタートもいいし、1コーナーもうまく抜けていけるので、そういった意味でレース2は表彰台に登るチャンスでした。フリー走行でいい状況を作ったのに、予選の最後でミスをしたのが痛かった。あのミスでトップ5に入れたはずが、18番手まで落ちた。何が足りなかったのか、年末に向けて反省してもらいたいし、来年に向けての準備もしてほしいです。


──岩佐選手の来年は?


山本MD:最終決定はなされていなくて、もちろんホンダのモータースポーツ部と調整しないといけないし、レッドブルとも話し合っていかなければならないでしょう。



(Masahiro Owari)




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