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「戦略の自由さにつながるような貢献をしてくれた」角田の成長が見えたメキシコGP/ホンダ本橋CEインタビュー

2021年11月9日

 2021年F1第18戦メキシコGPのアルファタウリ・ホンダは、初日からレッドブル・ホンダ、メルセデスの2強に次ぐ速さを発揮。ピエール・ガスリー、角田裕毅が揃ってQ3に進出した。残念ながらレースではスタート直後の多重事故で角田は0周リタイアとなったものの、ガスリーは4位入賞。コンストラクターズ選手権で5位のアルピーヌに、ついに同ポイントに並んだ。


 今回の健闘の要因をホンダの本橋正充チーフエンジニアは、「(コンディション変化に)チーム側がしっかり対応できた」と、分析。角田についても、「自分の速さを出しつつ、チームワークもこなしていた。そこはまた一歩成長した点です」と、高く評価していた。


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──同じように2年ぶりの開催だった前戦アメリカGPでは、マシンセッティングに非常に苦労していた。それが今回は、初日から安定した速さを発揮していました。


本橋正充チーフエンジニア(以下、本橋CE):前回は、路面のバンプがいっそうひどくなっていたことが大きかったですね。メキシコも最初は埃だらけでしたけど、そこは予想して臨んでいました。アメリカでは気温も例年よりかなり高かったのが、メキシコは穏やかな気象条件でした。風もそう強くないし、順調に準備できたことがよかったのかなと思います。


──決勝日が3日間で一番路面温度が高かったですが、そこにも対応できましたか?


本橋CE:はい。最近は路面温度が高くなったりしても、タイヤの温度や圧力のノウハウが蓄積できて、うまくやれている。そこは今回も同じでした。メキシコは車体側のブレーキや空力、エンジンの冷却も厳しいのですが、問題にはなりませんでした。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第18戦メキシコGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)


──ピエール・ガスリーは予選でメルセデス、レッドブルに次ぐ速さを見せ、レースでもフェラーリを引き離して4位に入りました。フェラーリ、マクラーレンをしのぐ速さを見せられた要因は、何だったんでしょう?


本橋CE:なんでしょうね。ひとつ言えるのは、空気が薄い、路面温度が高いという状況に、チーム側はしっかり対応してきていましたね。セッションごとのセットアップ調整にも、迷いがなかったです。いじった方向に、クルマがしっかり動いていた。現場のフィードバックなどがうまく機能したのだと思います。


──角田裕毅選手も予選までは非常に好調だっただけに、レースは残念でした。


本橋CE:本当に。グリッド降格となったとはいえ、タイム的には十分Q3まで進める速さがあった。初日のロングランでもペースがあった。後方スタートでも、ポイントを狙える位置には来れたんじゃないかと思っていました。そこは本当に残念です。

2021年F1第18戦メキシコGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)がアクシデントでリタイア
2021年F1第18戦メキシコGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)がアクシデントでリタイア


──初日から集中的にソフトタイヤでのロングランをやっていましたが、すでにあの時点で決勝レースはソフトスタートになる可能性を考慮に入れていたのですか?


本橋CE:いや、それはないですね。パワーユニット(PU)交換で後方スタートは決まっていましたから、いろんなタイヤの確認をしようということで、ああなったのだと思います。ソフトは厳しいだろうという見通しでしたし、そのデータ採りをやってもらいました。その結果、実際にはソフトがロングランで意外に保つこともわかった。戦略の自由さにつながるような貢献をしてくれましたね。


──予選までの角田選手は、ほぼ満点の出来でしたか。


本橋CE:そうですね。タイム的にもそうだし、ガスリーにトウを提供したり、チームへの貢献という点でもしっかり仕事をしてくれた。自分の速さを出しつつ、チームワークもこなしていた。そこはまた一歩成長した点ですね。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第18戦メキシコGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)


──それだけにレースは最後まで走らせたかったですね。


本橋CE:まったくです。けっこう期待していたんですけどね。


──入賞していた可能性は十分ありましたか?


本橋CE:レースは何が起きるかわかりませんが、いい方に考えればポイント圏内に行けたんじゃないでしょうか。


──リタイア直後の角田選手の様子はいかがでしたか?


本橋CE:週末の好調さは自分でも分かっていましたし、それだけにああいうもらい事故というか、まあレースなので仕方ない部分ではあるのですが、さすがにがっかりしていた感じでした。あの1、2コーナーは超高速からのハードブレーキングで一気に20台がなだれ込むので、何が起きるかわからない。そこでバルテリ・ボッタス(メルセデス)が追突されてしまいましたね。


──予選Q3のセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)との絡みについては?


本橋CE:特に何が悪いというのは、ないと思います。コースをちゃんと空けようとしていたし、しっかり譲っていたわけですから。きちんとドライバーの役割を果たしていたと思います。


──今回のパワーユニット交換ですが、田辺豊治テクニカルディレクターは4基目投入について「後ろ髪を引かれる(決断)」という表現をしていました。3基のままでいくという選択肢の間で、若干の迷いがあったのですか?


本橋CE:ありましたね。3基でもいけるんじゃないかという思いはありつつ、レースでは何が起きるかわからない。あとは戦略の自由さも広がる。ギリギリまで悩みました。


──最終的に決断したのは、残り5戦をより自由に戦いたいからだと。


本橋CE:はい。


──次戦ブラジルではなく今回交換することにした理由は?


本橋CE:4基使うことを決めた限りは、あまり遅く入れてもうま味がない。残りのレース数を考えて、早い方がいいということでした。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第18戦メキシコGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第18戦メキシコGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)



(取材・まとめ 柴田久仁夫)




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