ジャガーとトヨタを上回るコンストラクターズ選手権6位の成績を収めたザウバー・ペトロナスのボス、ペーター・ザウバーが、今シーズンのことや来シーズンのプランについて語ってくれた。
Q:ペーター(ザウバー)、今年はいささか浮き沈みの激しいシーズンでしたが、終わってみた今の感想はどうですか?
ペーター・ザウバー(以下PS):本当にほっとしている。アメリカGPの前までは、こんなに苦しんだシーズンはなかった。みんなかなりのプレッシャーを感じていた。でも、今は本当にリラックスしている。チームもスポンサーも、とても熱心にサポートしてくれ、本当に幸せに感じている。
Q:2カ月前、コンストラクターズ選手権の6位になれると思っていましたか?
PS:正直言って、全く思っていなかったよ! C22の空力に苦慮していたからね。問題を分析して把握するために、いささか時間がかかった。結局、問題を見つけ出し、夏の間にかなりの改良を加えることができた。成果はハンガリーGPとイタリアGPでの好パフォーマンスに現れた。もっとも、この2つのイベントでは、色々な理由が重なってポイントが獲れなかったけれど、次のインディではハインツ−ハラルド(フレンツェン)が表彰台、ニック(ハイドフェルド)が5位を獲得し、チーム史上最高の結果を収めることができた。これでシーズン全体が救われたよ。ところで、ザウバーのマシンがGPでトップを走ったのもこれが初めてのことだったんだ。
Q:それはとても運が良かったですね!
PS:これを単に運が良かったためというのは正しくないだろう。運というのはゲームの中で生まれていくものだ。従って、運の良さは、決勝まであきらめずに作業に徹し、マシンを向上させ続けたチームの人々が手にするものさ。アメリカではハインツ−ハラルドもニックも素晴らしい仕事をしてくれた。チームのみならず、難しいシーズンを送ってきた後に素晴らしい結果を出してくれた2人のドライバーに感謝したい。また、彼らが今年の難しいコンディションの中で、プロ精神に徹した態度で仕事に臨んでくれたことに対しても、この場を借りてお礼を述べたい。2人の益々の活躍を祈っている。
Q:2つの巨大自動車メーカーを上回る成績を残せたことについて、どのような意味があると感じておられますか?
PS:私にとってはずいぶん大きな意味があると思ってるよ! 今年の6位は、2年前の4位に匹敵する価値がある。2001年は、トヨタがまだいなかったし、その意味では選りすぐりのワークスチームがすべて集まっているというわけではなかった。しかし、あれから事態はまったく変わった。7つの自動車メーカーがF1に真剣に取り組んでおり、競争は信じられないようなレベルにまで上がっている。しかも、彼らは年間で500億ドルから1500億ドルの売上を生み出す国際企業なんだよ。独立系チームのザウバー・ペトロナスが、そのような巨大自動車メーカーの2つに勝つことができ、大変満足している。