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GP topic:トップグループと戦ったバトンが、あらためて口にした「ありがとう」
2016年7月6日
F1オーストリアGPで今シーズン自己ベストの6位でフィニッシュしたジェンソン・バトン。レース後にエンジニアとのブリーフィングを終えると「ちょっと、ひとこと、みんなに言いたいことがある」と、あらたまったという。
「この週末を通して、クルマのセッティングもパワーユニットも、とても良かった。あらためて、スタッフのみんなに感謝したい。本当にありがとう」
それを聞いていた長谷川祐介ホンダF1総責任者は、次のように語る。
「もちろん私は第3期もジェンソンと仕事をしていたので、彼から感謝の言葉を聞くのは初めてではありません。でも今年、私がF1に復帰してから、彼からそのような言葉を聞いたのは初めてでした」
それほどオーストリアGPでのレース内容に、バトンは満足していたのだろう。
バトンは昨年9月にF1を引退するかどうか悩むほど、マクラーレン・ホンダの惨状を嘆いていた。
「勝利を争っていないレースを楽しめるドライバーなんて、いないと思うよ。僕は14位でフィニッシュしたくはないし、10位だって不満だ。達成感が得られなければ、ここにいる意味はない」と当時のバトンは発言した。
すでにチャンピオンを手にしているバトンにとって、F1は、ただ運転するだけでは満足できない世界となっている。結果だけが欲しいのではない。たとえ下位でフィニッシュしても、可能性が感じられたり、喜びを取り戻せる何かを見出すことができればモチベーションを保つことはできる。しかし昨年のマクラーレン・ホンダには、それがなかった。
「自分で決めるしかない」
バトンが下した決断は、マクラーレン・ホンダでの現役続行である。バトンはチームを、ホンダを信じて、もう一年、茨の道になるかもしれない道を選んだのである。そのような思いをして、たどりついた予選5位。セバスチャン・ベッテルとニコ・ロズベルグの5番手降格ペナルティによって3番手に繰り上がったグリッドでスタートの瞬間を待つバトンの心に、特別な思いがこみあげていたとしても不思議ではない。
オーストリアGPのバトンが、いつもと違ったのはレース序盤の走りにも現れていた。予選後、長谷川総責任者は、メルセデス、フェラーリ、レッドブルというトップ3チームとの直接対決については現実的なコメントを発していた。
「レースでは早々に前へ行かれてしまうと思います。あまり頑張りすぎて、5周でタイヤが終わってしまわないように注意したい。そして、本来のライバルであるフォース・インディアやトロロッソとの戦いに備えたい」
しかし、バトンはスタートでフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグをかわして2番手に浮上すると、7周目に逆転を許すまでフェラーリのキミ・ライコネンを抑えたのである。この粘りによって、4番手に下がったヒュルケンベルグはアンダーカットを狙うため、8周目にピットインすることとなった。バトンの序盤の走りが、フォース・インディアだけでなく、ウイリアムズやトロロッソを上回るレースができた最大の要因だった。
さらに終盤、レッドブルのダニエル・リカルドとの5位争いにも、バトンのモチベーションの高さを感じた。そもそもバトンがリカルドの前を走行していたのは、ライコネンにオーバーテイクされたリカルドのタイヤを交換するため、レッドブルが安全策を採って60周目にピットインさせたからである。ウルトラソフトの新品タイヤに履き替えたリカルドと、26周目に交換したソフトタイヤでチェッカーを目指すバトン。残り11周で両者の差が2秒しかないことを考えれば、バトンがリカルドに逆転されるのは時間の問題だった。
しかし、バトンはリカルドに背後に迫られても、ポジションを簡単には明け渡さなかった。それは昨年9月に語っていたように、リカルドとのバトルに可能性を感じ、喜びを取り戻す何かを見出していたからではないだろうか。
リカルドとのバトルは、チームから「もう、無理するな」という無線が入るまで続いた。それほどまでにバトンはトップグループでのバトルに飢え、久しぶりに思いっきり楽しんだ。
もちろん、そのことをチームメイトのフェルナンド・アロンソが感じていないはずがない。戦いの手ごたえを思い出したマクラーレン・ホンダのイギリスGPが楽しみだ。
(Text : Masahiro Owari)
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5/17(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
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5/19(日) | 決勝 | 22:00〜 |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 136 |
2位 | セルジオ・ペレス | 103 |
3位 | シャルル・ルクレール | 98 |
4位 | ランド・ノリス | 83 |
5位 | カルロス・サインツ | 83 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 41 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 37 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 33 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 27 |
10位 | 角田裕毅 | 14 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 239 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 187 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 124 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 64 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 42 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 19 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 1 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |
第8戦 | モナコGP | 5/26 |
第9戦 | カナダGP | 6/9 |
第10戦 | スペインGP | 6/23 |
第11戦 | オーストリアGP | 6/30 |