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【F1の表層を剥ぐ】フォーミュラEの可能性

2014年7月13日

LAT

 今年の9月から始まるフォーミュラE。このシリーズはやや唐突に始まったように思えるが、実は時間をかけて練られたプロジェクトだ。スペインの元政治家でモータースポーツ好きなアレハンドロ・アガグがプロジェクトの創始者。彼はフォーミュラEホールディングス(FEH)を起ち上げ、FIA、ルノー、ダラーラ(シャシー)、ウイリアムズ(バッテリー)、マクラーレン(モーター)、ミシュラン(タイヤ)等の協力を取り付けて新シリーズをキックオフさせた。ジャン・トッドFIA会長の強力な支援を得ている点も強味だ。

 電気自動車(EV)によるレースはこれまでにもあちこちの国・地域で行われたが、それらはアマチュアの域を出ず、ビジネスとしては成立しなかった。それをアガグが世界規模のシリーズに纏め上げた。世の中の流れを上手く読み込めた点が、新シリーズの起ち上げを後押ししたと言えるだろう。F1ではKERSやERSといったエネルギー回生システムを採用し、WEC(LMP1)では更に一歩進んだハイブリッドシステムの搭載を義務付けた。そうしたレース界全体を覆う環境保全、あるいはサステナビリティ(持続可能性)といった流れがフォーミュラE起ち上げにプラスになったことは言うまでもない。

 ただ、当初は懐疑的な見方もあった。本当にフォーミュラEは形になるのか? アガグはこの質問に、「わからない。しかし、そのつもりでやっている」と答えている。自信あっての答えに思えた。


 フォーミュラEに対する懐疑的な意見は技術的な側面から多く出た。その中心がバッテリーであったことは予想通りだ。市販EVにおいてもバッテリーの寿命(=走行距離)が問題視されている。出力の高いレース用になると、現時点のバッテリーで十分な距離を走ることが出来るのか、という疑問だ。FEHもそのことは念頭にあり、解決策として1人のドライバーに2台のクルマを用意し、レースの途中で乗り換えるアイデアを出した。奇抜なアイデアだが、途中でクルマが止まってしまうよりいいだろう。

 問題のバッテリーはウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング(WAE)が開発した。7月3日にドニントンで行われた初めての公式テストには、シリーズに参戦する全10チームが参加したが、1日目はバッテリーの温度上昇に悩まされたチームもあった。バッテリーの温度が上がれば出力は低下し、寿命は縮む。ドライアイスで冷却したチームもあったという。WAEの責任者ダグラス・キャンプリングは、「まずダラーラのシャシーに搭載出来るサイズを決め、FIAが定めた重量200Kg制限を満たした。開発の中心は、そのサイズで十分な出力が出せることと冷却に問題がないこと。しかし、冷却にはまだ改良の余地はある」と正直に白状する。冷却は空冷も考えられたが、効率などを考慮して水冷にした。

 テストに参加したトゥルーリGPのヤルノ・トゥルーリは、「バッテリーが熱を持つ前はとても良い感じで走ることが出来た」と、語る。「レースでは途中でクルマを乗り換えることになるが、ゆくゆくは寿命の長いバッテリーが開発されるはずだ」。




レース

7/5(金) フリー走行1回目 20:30〜21:30
フリー走行2回目 24:00〜25:00
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予選 23:00〜
7/7(日) 決勝 23:00〜


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4位カルロス・サインツ135
5位セルジオ・ペレス118
6位オスカー・ピアストリ112
7位ジョージ・ラッセル111
8位ルイス・ハミルトン85
9位フェルナンド・アロンソ41
10位角田裕毅19

チームランキング

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1位オラクル・レッドブル・レーシング355
2位スクーデリア・フェラーリ291
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム268
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム196
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム58
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム30
7位マネーグラム・ハースF1チーム19
8位BWTアルピーヌF1チーム9
9位ウイリアムズ・レーシング2
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

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