F1第22戦水曜会見:未知な要素の多い初開催ラスベガス。王者のパフォーマンスに関わらず「とにかく勝ちたい」とノリス
2023年11月17日
1980年代以来の開催となるF1ラスベガスGP。とはいえ今回は市中心部を縦横に走るコースレイアウト、しかも夜10時からのナイトレースであり、完全に未知のグランプリと言っていい。ではそれが今季これまでの力関係に、どれほどの変化を及ぼすのだろう。
前戦サンパウロGPを制したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とともに表彰台に上がったランド・ノリス(マクラーレン)とフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)へのそんな質問に対し、ノリスは「とにかく勝ちたい」と切り出した。
Q:今週末のレースの未知数な部分は、王者フェルスタッペンを弱くする可能性があると思いますか? ランドは初優勝、フェルナンドは久しぶりの優勝を狙えるチャンスはありそうですか?
ノリス:とにかく勝ちたい。勝てるなら、どこでもいいんだ。なのでラスベガスだからといって、勝つために特別なことはしない。F1を始めてから、僕はずっとベストを尽くしてきたしね。で、質問は、何だっけ? ああ、マックスね。うん、そうかもしれない。ただ(似たレイアウトの)モンツァを振り返ってみると、彼は誰よりもはるかに速かった。一方で、(不振に沈んだ)シンガポールのようなことも起きるかもしれない。まあたくさんの推測があるだけで、それ自体に意味はない。僕たちドライバーにいろいろ言わせたいのは、わかるけどね
アロンソ:初開催のコースで勝てたら最高だ。特にラスベガスのような特別な場所ではね。でもその可能性は、低いと思う。このコースは僕らのパッケージがあまり得意とは言えない。難しいだろうね
Q:マックスがここで苦戦するとは?
アロンソ:いや、そうは思わない
ではもうひとりの世界チャンピオン、ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、ここでどれほどのパフォーマンスを発揮できると考えているのだろう。惨敗を喫した前戦サンパウロでの苦境を、どこまで跳ね返せるのか。
Q:トト・ウォルフ代表は、サンパウロはこの13年間で最悪の週末だったと言っています。同意しますか?
ハミルトン:まあ、最悪に近かったね。要はあの週末、間違った方向に行ってしまったということだ。クルマ自体には、明らかにポテンシャルがある。その前の2戦は、本当に素晴らしいレースだったしね。でも僕たちはあの失敗から多くを学んだし、ああいう経験は失うこと以上に学ぶことが多いものだ。誰にとっても辛いことだけど、みんな立ち直った。今シーズンを力強く締めくくろうと、いつも以上に高いモチベーションを持っている
Q:では今週末の自信は?
ハミルトン:間違いなく、サンパウロよりあるよ。ただ簡単じゃないのは確かだし、特にタイヤをうまく使いこなすのは難しい。それとストレートでは必ずしも速くないことが多いから、コーナーでライバルたちについていけるかどうかが課題になるだろう。まあ、コースの難易度自体は決して高くないから、そこは楽観視しているけどね
今季は全22戦。そしてシーズン終盤になって、南北アメリカの3連戦。続いてラスベガスでのナイトレース。そこから地球を半周移動して最終戦アブダビと、過酷な日程が最後まで続く。
Q:長いシーズンのこの段階で、疲労はどの程度パフォーマンスに影響しそうですか。スケジュールや睡眠不足などを考えると、本当にベストの状態でレースに臨めるのでしょうか?
セルジオ・ペレス:みんな、ベストを尽くそうとしているよ。過酷なのはドライバーだけでなく、エンジニア、メカニックにとっても同様だ。1年で一番忙しい時期なのは、確かだね
ハミルトン:個人的には問題ない。以前、他のドライバーたちが時差ぼけについてグチってたけど、僕は大丈夫なんだ。一方でメカニックや他のスタッフたちは、あちこち移動して、家族と長い間離れている。彼らからすればそれが一番大変なことだよ。もちろんこの仕事が大好きなのは確かだけどね
スタッフたちの大変さに、想いをはせるペレスとハミルトン。カルロス・サインツ(フェラーリ)はさらに踏み込んで、年間開催数を増やし続けることに警鐘を鳴らしていた。
サインツ:ドライバーはこの世界で、特権階級だと思う。ファーストクラスでもプライベートジェットでも移動できるわけだし、泊まるのも最高級ホテルだ。サーキットに着くのも火曜日や水曜日でいい。フェラーリでレースに参加する100人のなかで、僕たちドライバーは間違いなく特権的な立場だよ。だから文句を言うのは好きじゃない。そしてメカニックやエンジニアたちが2交代制のローテーションでレースに来ていることを思えば、年間24戦が限界だよ
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 131 |
2位 | ランド・ノリス | 115 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 99 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 93 |
5位 | シャルル・ルクレール | 53 |
6位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 48 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 41 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 30 |
9位 | エステバン・オコン | 14 |
10位 | ランス・ストロール | 14 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 246 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 141 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 105 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 94 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 37 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 14 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 8 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 7 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |

