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【F1ベルギーGP予選の要点】「もっと早くソフトに替えていたらQ3に行けた」悔しさを滲ませるも、納得の表情を見せた角田
2023年7月29日
雨予報が外れ、強い日差しが射し始めたスパ・フランコルシャン。コース上はまだびしょ濡れ状態だったが、走行ラインはみるみる乾いていく。路面グリップは場所によって、そして周回ごとに目まぐるしく変化する。そんな難しいコンディションのベルギーGP予選で、角田裕毅(アルファタウリ)が完璧な走りを見せた。
まずはQ1。インターミディエイトタイヤの1セット目のアタックで、総合7番手のタイムを叩き出した。後続ドライバーたちのタイム更新で16番手まで順位を下げたが、2セット目に履き替えると1分59秒044のタイムで4番手につけた。
最終的には9番手に落ち着いたが、セクター3での最速区間タイムは最後まで破られなかった。ここは8速全開の超高速ブランシモンから2速フルブレーキングのバスストップシケインへと続くセクションで、1セット目のアタックでも区間ベストを叩き出している。角田のブレーキングの巧さが際立った形だ。
一方チームメイトのダニエル・リカルドは、オールージュからの上りターン4でわずかにはみ出し、1分59秒483のタイムが抹消されQ1落ちを喫した。15番手でQ2に進んだケビン・マグヌッセン(ハース)が2分00秒020だっただけに、惜しまれるミスだった。
とはいえ角田にはコンマ4秒差をつけられ、3つのセクターすべてでコンマ1〜2秒遅かった。「AT04の挙動には、すぐに慣れた。運転しやすい」と、ハンガリーで語っていたリカルドだが、ダウンフォースを削り気味のスパに合わせたセッティングで、しかも路面グリップが非常に低い今回のコンディションでは、リヤの不安定な挙動に手こずったのかもしれない。
Q2になると、路面は本格的に乾いていった。まずインターで出ていった角田は、総合7番手タイムをマーク。セッション残り6分40秒でピットに向かい、ソフトに交換。しかしコースインしたのは残り5分のタイミングで、アタックは実質1回のチャンスしかなかった。
それでも角田はノーミスで1分53秒148を叩き出し、タイミングモニターのトップに躍り出た。セクター3は、またも全体ベストだった。しかし角田の後にアタックを開始したドライバーたちが次々に自己ベストを更新し、順位を下げていった角田は11番手に終わった。
予選直後のインタビューでは、「もっと早くソフトに替えていたら、Q3に行けていた」と悔しさを滲ませていたが、同時に「ペースはよかった。もし決勝レースがドライになったら、いい戦いができそう」と、語っていた。
前戦ハンガリーGPでの角田は予選Q1落ちを喫し、決勝レースでも新チームメイトのリカルドの後塵を拝した。しかし「一番悔しかったのは、週末を通じてベストの走りができなかったこと」だった。1週間前とは対照的な今回の晴れ晴れとした表情は、やるべきことをやり遂げたことへの満足感だったのだろう。
(取材・文 柴田久仁夫)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 237 |
2位 | ランド・ノリス | 156 |
3位 | シャルル・ルクレール | 150 |
4位 | カルロス・サインツ | 135 |
5位 | セルジオ・ペレス | 118 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 112 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 85 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 355 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 291 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 268 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 196 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 30 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 19 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 9 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |