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トロロッソ・ホンダF1密着:4日間で最多の324周を達成。田辺氏、ドライバーのポテンシャルにも太鼓判

2018年3月2日

 ウィンターテスト第1週の最終日。朝のうちはまだ鉛色の雲が垂れ込め、路面は完全にウエットだった。それでもセッションが始まってからは徐々に乾き始め、昼過ぎにはほぼ全車がスリックタイヤを装着した。  


 トロロッソ・ホンダでこの日ステアリングを握ったピエール・ガスリーも、ドライコンディションが待ちきれなかったとばかりに飛び出していき、集中的に周回を重ねた。


 午後6時のセッション終了間際まで走り続けたガスリーの、この日の周回数は147周。スペインGPの2レース分以上の距離を、1日で走ったことになる。チームメイトのブレンドン・ハートレーも3日目こそ雪のために2周に留まったが、初日は93周。


 ふたりが4日間に走った総周回数は324周に達した。鉄壁の信頼性を誇るメルセデスの306周を抜いて、チーム別で最多周回を走ったのはトロロッソ・ホンダだったのである。


「テストではまずは何よりもデータ収集ですから、とにかく距離を稼ぐことを最優先課題にしてました。その意味では、悪天候にもかかわらずここまで走れたテスト1には、十分に満足してます」と、田辺豊治ホンダF1テクニカル・ディレクターは顔をほころばせた。


「何より若いドライバーふたりが、ミスなく真面目に頑張ってくれました」

ガレージで作業するトロロッソのメカニックたち

 ふたりのドライバーがともにF1フル参戦経験のないチームは、トロロッソ・ホンダだけだ。普通に考えれば、その経験不足は大きなハンデキャップになり得る。


 しかし田辺テクニカルディレクターは、「彼らは本当に仕事熱心で、技術フィードバックも的確です。万事に大ざっぱというか大らかなインディドライバーに比べれば、10倍はしっかりしてる(田辺ディレクターは現職に就く前、インディカーに携わっていた)」と手放しで評価する。


「たとえばセッティングを変えた時の各コーナーの挙動変化とか、実に細かく話してくれますしね。トロロッソ・ホンダもパートナーシップが始まったばかりの若いチームだし、いっしょに成長していけばいい。それができるだけの力量を、このふたりは持ってますよ」


 次回の第2回バルセロナテストは3/6(火)から4日間の日程で開催される。



(Kunio Shibata)


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