今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。今季最終戦となったアブダビGPの週末を通して、22人ドライバーのなかから「ベスト・イレブン」を選出。レース結果だけにとらわれず、3日間コース上のプレーを重視してチェック。
(最高点は☆☆☆☆☆5つ)
☆
セルジオ・ペレス
今年表彰台に上がった数少ないメルセデス勢以外のひとり。お忘れかもしれないが第3戦バーレーンGP3位がある。「メキシカン・エース」として15年契約が土曜に発表された最終戦、14+27+14周スティントでつなぎ7位。直近ライバルのマグヌッセンとライコネンを抜き“ランク・トップ10"入りを果たす。
☆☆
セバスチャン・ベッテル
ニューウェイさんがつきっきり、フリー走行3セッションともリカルドに先行は久しぶり……が、113戦目「レッドブル・ラストラン」はピットスタート、有終の美を飾れずに終わる。この1年、最後まで別人ベッテルを見た……。
ニコ・ヒュルケンベルグ
やっぱり仕掛けてきたフォース・インディア。決め打ちのSスタート&SSラストスパート作戦。37周目から最長18周をカバーして6位、タイムペナルティ5秒もなんのそのバトンに迫った。19戦15入賞を評価する。
フェリペ・マッサ
終盤になると順位を上げてくるのが彼の“F1処世術"。今年もラスト3戦を4→3→2位。43周目に勝負のSS装着も10周で使いきり、ハミルトンを追いきれず。それでも「終わりよければマッサよし」。
☆☆☆
フェルナンド・アロンソ
金曜CS中継で申し上げたフェラーリ5年間総括、PPはたったの4回なのだ――。跳ねない馬に鞭を打ち11勝、タイトル戦線までもっていった「アロンソ力」がここに表れる。全力疾走ラストランも9位、徒手空拳で挑む真の男気レースを見ていて思わず涙しそうになった(スイマセン)。
バルテリ・ボッタス
おそらくクラッチの温度管理によるスリップ率の問題だったのだろう。今年最悪のあのスタートがなくノーマルダッシュが切れていれば、38戦目初優勝は濃厚であった。悔しさで顔を真っ赤にした彼。ウイリアムズ・チーム05年モナコGP以来の“2−3"。スタッフはもう有頂天気分に。
ニコ・ロズベルグ
SSタイヤのタイムアタックに強く、今年その6GPで5度もハミルトンに優った。最多11回PPを決めるも、結局PPウインは3つ。ここに敗れた現実が潜む。1周を完成させる能力は秀逸、トラブル危機管理能力も抜群、周回遅れ14位に敗退した挑戦者にエールを贈ろう。