今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。ブラジルGPの週末を通して22人ドライバーのなかから「ベスト・イレブン」を選出。レース結果だけにとらわれず、3日間コース上のプレーを重視してチェック。
(最高点は☆☆☆☆☆5つ)
☆
ジュール・ビアンキ
日本GPからひと月、金曜にマルシア・チームが破産状況におちいり、「マノーF1」名称で15年エントリー手続きはしたものの先行き不透明に。まだ三重県四日市で闘病の日々を過ごす彼、もちろん現状を知ることはない。今パドック内では小チーム生き残りに向けさまざまな動きが続いている。ビアンキに奇跡を――この9位チームには残るだけの資格がある(出場していませんが今回特別に)。
パストール・マルドナルド
どこに飛んでいくか恐ろしい走りをするロータス、フリー走行すべて同僚グロージャンを抑え込んだ(ロズベルグみたいに)。皆が新舗装にてこずるFP1での7位は“ブラボー"。入賞まであとふたつの12位。
セバスチャン・ベッテル
彼にもトラウマがあるのか。2年前のオープニングラップ4コーナーの悪夢を想い出さずにいられなかった(スピンして逆向きに)。今年もそこでオーバーラン後退、なんとか早めのタイヤ交換によって挽回……。
☆☆
ダニール・クビアト
7年ぶりの全面再舗装によってインテルラゴスは新サーキットみたいに変貌。スムーズに見えても落とし穴的なバンプが潜み、コーナーごとにグリップが激変、特にFP1では6〜7コーナーが難所に。ダイナミック・ダウンフォースたっぷりのメルセデス勢に次ぐ3位へ、初コース「ソチ・ショック」の再現だった。
フェルナンド・アロンソ
“2014F1好プレー"に推す。FP2終了間際にPUから出火、コーナーポストがないバックストレートの間の消火器設置地点に停止。すぐさま必要なところに必要なだけ消火器を。沈着冷静、フェルナンドは昔オビエトで“消防団"に所属していた(と勝手に解釈?)。
☆☆☆
フェリペ・マッサ
残るPUのなかで一番マイレッジが少ないモノ、ローテーションをここに合わせていたのだろう。分かるその気持ち。地元2勝、3連続PPの彼はここのシークレットポイントを知っている。度重なるピットでのミス、88.8km/h速度違反とマクラーレンへの“進入"を帳消しにする3位。終わりよければマッサよし。
ニコ・ヒュルケンベルグ
ミディアム〜ミディアム〜ミディアム〜ソフト。最終スティントになれば車重は軽く、路面はラバーインされ、ソフトが活かせると読んだチーム。70周目に自己ベスト(3位相当タイム)で3戦ぶり8位入賞、マクラーレンと34点差でも最終戦でペレスとともに5+6位なら“36点"。ビンゴチャンスをつないだ。
ルイス・ハミルトン
1周が短いコースの場合、ピット側の判断や指示もそれだけ短時間に下されなければならない。28周目のスピン、もう1周早くピットインしていれば……。だがあのスピンでもクラッシュせず続行、もしやっちゃっていたら1点差2位陥落の危機だった。