レッドブルリンクの名で復活してから、3年目を迎えたF1オーストリアGP。路面が再舗装されてスピードが上がった影響なのか、初日からアクシデントが続き、決勝も波乱の展開となった。71周のドラマを、ドライバーとチームの無線交信から振り返ってみよう。
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<LAP11>
ダニエル・リカルド←(チームからドライバーへ)「ダニエル、もうすぐピットインをすることになる。いまプッシュしろ!」
<LAP13>
パスカル・ウェーレイン→(ドライバーからチームへ)「少し雨が降ってきているよ!」
<LAP16>
パスカル・ウェーレイン→「ターン2で雨が降っている」
<LAP19>
ジェンソン・バトン←「ジェンソン、いい仕事だ。ここでナッセを、やっつけろ!」
<LAP22>
パスカル・ウェーレイン→「彼(マグヌッセン)は5回もラインを変えたよ!」
←「ああ、チャーリー(ホワイティング)に伝えているよ」
<LAP27>
セバスチャン・ベッテル→「見たと思うけど、右リヤタイヤが爆発したよ。どうすることもできなかった。エンジンをオフにするよ」
ニコ・ロズベルグ→「(ベッテルがバーストして)デブリの上を走ったんだ。内圧をチェックしてくれ」
<LAP38>
ジェンソン・バトン←「ここでレースを前に進めよう。(ナッセに対して)マキシマム・アタックをしろ!」
<LAP40>
ダニエル・リカルド←「ターン2で軽い雨が降っているかもしれない」
<LAP44>
ルイス・ハミルトン←「サスペンションへの負荷がターン9で限界ギリギリだ。気をつけてくれ」
<LAP49>
ニコ・ヒュルケンベルグ→「すごくバイブレーションが出ているよ。リタイアしたほうが良いかもしれない」
<LAP54>
ルイス・ハミルトン←「OK、ルイス。できるだけギャップを縮めろ。ハンマータイムだ!」
<LAP55>
ルイス・ハミルトン←「前のロズベルグはスーパーソフトタイヤだ。残り16周、コース上で抜かなければならない」
→「なんで僕はソフトタイヤなんだ?」
←「最後まで走ることを考えれば、これが正しいタイヤだ」
<LAP61>
キミ・ライコネン→「カモン! ブルーフラッグを出してくれ!」
←「了解、了解。もうすぐ出るよ」
→「全然出ないじゃないか!」
<チェッカー>
ルイス・ハミルトン←「ルイス、よくやった。望んだレース展開ではなかったけど、素晴らしい結果だ」
→「僕はアウト側にいたんだ、クラッシュしたのは僕じゃないよ」
(米家峰起/Text:Mineoki Yoneya)