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【F1チーム代表の現場事情:アストンマーティン】オーナーとアロンソの高い要求に応え、表彰台を実現させたクラック
2023年3月12日
大きな責任を担うF1チーム首脳陣は、さまざまな問題に対処しながら毎レースウイークエンドを過ごしている。チームボスひとりひとりのコメントや行動から、直面している問題や彼のキャラクターを知ることができる。今回は、アストンマーティンのチーム代表マイク・クラックに注目した。
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開幕戦を前にしたとき、すべてのF1チーム代表が、興奮し、ナーバスになる。その年のマシンがどういうパフォーマンスを見せるかを確認し、シーズンが良いものになるのか、そうでないのか、最初の手がかりをつかむ瞬間が近づいているからだ。
2023年に向けて、いくつものチームが代表を変更し、昨年と同じ人物がトップに立っているのは6チームだけだ。そのうちのひとつがアストンマーティンとマイク・クラックである。新任者でないにもかかわらず、クラックは開幕戦では誰よりも緊張していたのではないだろうか。チームオーナーのローレンス・ストロールは、極めて要求の高い人物であり、そこに大スターであるフェルナンド・アロンソが加わり、クラックはそのふたりを何としても満足させなければならない使命を負っていたからだ。
だがクラックは、大きなプレッシャーを背負い、緊張が高まっているだろう様子をほとんど見せなかった。メディアと会話しているなかで、普段より多少落ち着かない雰囲気はあったが、概ね平常を装っていた。
ルクセンブルグ出身で元々はドイツ語で話すクラックは、英語で会話する際には、自分の発言によって誤解が生じ、後にトラブルに巻き込まれることがないよう、発する言葉ひとつひとつに非常に気をつかう。そして、必要な場合には、そういったスタイルを利用してメディアに対して防御的になることもあるのだ。ランス・ストロールが、プレシーズンテストのスタートが迫る2月18日、トレーニング中の自転車事故で、両手首と右足の親指を骨折した。そういった状況は、後に明らかにされたものの、開幕戦前の段階では詳細は公表されなかった。ストロールが開幕戦に出場できるのかどうか、状況を探ろうとするメディアに対し、クラックは慎重に対応し、これはストロールの健康プライバシーに関わる問題だとして詳細を語ることを避けた。
一方で、プレシーズンテストでのニューマシンのパフォーマンスは満足いくものだった。マシンは非常に速く、アロンソは開幕戦で上位勢にチャレンジすることができそうに見えた。そうなると、セカンドシートに誰が座るのかに、より大きな関心が寄せられるようになった。
ストロールが怪我の治療を受けているなかで、アストンマーティンがなかなかプランを示さなかったことで、昨年のレースドライバー、セバスチャン・ベッテルが呼び戻されるのではないかという推測が持ち上がった。
ベッテルに走りたいという気持ちはあるのか、という問いを投げかけられたクラックは、「それについてお話しするつもりはない」と答えた後、「セバスチャンとは何度か電話で話をしている。だか去年も電話で話をしていたし、これからもそうするだろう」と述べた。
「ひとつ、忘れてはならないことがある。彼は引退に向けて非常に綿密な計画を立てていたということだ。それを尊重しなければならない。これから何が起こるのか、見てみよう」
クラックはこのように、ベッテルを走らせるという選択肢を完全には否定はしなかった。そのため、アロンソとベッテルが組むかもしれないという期待と興奮がファンの間で高まった。もしそれが実現したら、夢のラインアップになっただろうが、チームはほどなく、代役が必要な場合はリザーブドライバーのフェリペ・ドルゴヴィッチを起用すると発表。そして最終的には、ストロールが幸い出場可能になったというニュースがもたらされた。
大怪我をしたにもかかわらず、ストロールは素晴らしい仕事をし、6位でフィニッシュしてみせた。そしてチームメイトのアロンソは、レッドブル2台に続く3位表彰台を獲得、チームは喜びの渦に巻き込まれた。
「私がチームを誇りに思うというより、チームメンバー全員が自分自身を誇りに思うべきだ」とクラックはレース後に語った。
「予選でミスを一切しないことが重要だった。今日の決勝でもそうだ。実行すべきプランがあった。他のマシン(メルセデス)が早い段階でピットストップをした時、何とか冷静さを保とうとした。早く入った方はタイヤアドバンテージを失う。我々は、ピットで順位を入れ替えるのではなく、コース上でオーバーテイクをしてショーを盛り上げようとしたのだ。いや、それは冗談だが、正直言って、我々は最終的にプランをしっかり実行したと思う」
開幕戦でチームが最高の結果を出したことで、クラックの緊張は和らいでいたに違いない。だが、最終的な目標を達成するまで、まだ長い道のりがあることを、彼は承知している。
「ローレンスは常にもっと上をと要求する人物なのだが、この結果はとても良かった。目標は変わらない。我々は以前いた場所より大きく前に踏み出すことを目指していた。さらに次の一歩を踏み出すつもりだ」
レースドライバーのひとりが出場できるかどうか不確かな状況にあり、大きなプレッシャーを背負っていたクラックだが、素晴らしい結果を得て、バーレーンを後にすることができた。アストンマーティンは今年、何度もこういう週末を過ごすことになりそうだ。
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9/20(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
9/21(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
9/22(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 331 |
2位 | ランド・ノリス | 279 |
3位 | シャルル・ルクレール | 245 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 237 |
5位 | カルロス・サインツ | 190 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 174 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 155 |
8位 | セルジオ・ペレス | 144 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 24 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 516 |
2位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 475 |
3位 | スクーデリア・フェラーリ | 441 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 329 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 34 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 31 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 16 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 13 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第18戦 | シンガポールGP | 9/22 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |