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今宮純によるイタリアGPドライバー採点&短評“F1らしい”オーバーテイク

2016年9月8日

 F1ジャーナリストの今宮純氏が独自の視点でドライバーを採点。週末を通して、22人のドライバーから「ベスト・イレブン」を選出。予選やレースの結果だけにとらわれず、3日間コース上のプレイを重視して評価する。超高速サーキットのモンツァで五つ星を獲得したドライバーは?


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☆ フェリペ・マッサ
 10年ひと昔前、90勝目をここで挙げたシューマッハが会見で引退表明。マッサは残留となり、既に決まっていたライコネンとの新コンビにフェラーリは変わった。『自分が身を引き機会を若手に移譲する』、シューマッハの行動にならい木曜に引退発表したとするなら、来季ウイリアムズ候補は?。カナダ資産家の息子ランス・ストロール(17歳)か、14年リザーブだった同郷の後輩か。決断後に臨んだ彼のラスト・モンツァ、フォース・インディア相手に9位堅持、再びランク4位奪還。


☆ キミ・ライコネン
 遠慮ではなくチームメイトに配慮したドライビングのようにも映った。スパの件もあり、スタートから常にある一定の間隔をとってポジションをキープ。現状チーム力では“3-4”がターゲット、忠実に職務を遂行。


☆ マックス・フェルスタッペン
 敵が多くなればなるほど強くなるフェルスタッペン。コース外でこれだけ騒がれ、注目される新鋭は07年のハミルトンかそれ以上。スパの後ここモンツァではちょっとおとなしく(?)、スタートでアンチストールが作動、11番手からの7位で終わった。これを踏まえ今後、レッドブルはどう伸ばしていくのか。ベッテルともリカルドとも違う若い個性に対応するのは彼らも初めて。コーチング指導育成に変化がありそう。


☆☆ ルイス・ハミルトン
 コーナー数が少ないだけにすべて完璧なコーナリングが求められるのがモンツァ。81秒135の集中タイム、ファンジオとセナに並ぶ5回PPは芸術的な「スーパーラップ・オブ・ザ・イヤー」。3連勝が期待されたがレースは魔物というほかない。今年オーストラリア、バーレーン、スペイン、カナダでスタートを決められず、またここでも。通算50勝はアジア・ラウンドに持ち越し。


☆☆ ニコ・ロズベルグ
 予選0.478秒差を考えたら深刻になってしまう。引きずらずに気持ちを切り替えた24時間後、クリーン・スタートを切り、仕掛けるベッテルをソフト・タイヤで突き放し独走。空中表彰台で大観衆にネイティブなイタリア語でサービス、歌まで披露(ハミルトンに見せつけるかのように)。


☆☆☆ セバスチャン・ベッテル
 3戦ぶりライコネンに先行、予選3位は今季5度目ベスト・グリッドでも、ベッテルのフラストレーションは溜まっている。この伝統チームの内情をうかがうにはコメントより首脳陣の顔色や、メカニックたちの表情を注視すると分かりやすい。一言でいうなら<覇気>がもう一つ。それはドライバーにも波及する。懸命な走りで表彰台3位、『沈まぬフェラーリ』をティフォシにアピール……。


☆☆☆ セルジオ・ペレス
 フェルスタッペンをカバーするために15周目ソフトへ、次も早めに28周目ソフトに交換。タイヤ劣化が進むのをのりきり、追ってくるマッサを0.663秒差で抑える8位。ロングスティント「しのぐレース」をやらせたら五本の指に入る。


☆☆☆ ジェンソン・バトン
 バトン対アロンソ、何年も見ていなかった2人のバトル。1周目に最後尾22番手ダウン、そこから競りあがってくる走りに若かりし頃の彼がだぶった。17年以降の新契約が早くまとまり、ここから「ラスト・ラン」に打ち込む。


☆☆☆☆ バルテリ・ボッタス
 序盤に見せたハミルトンとの攻防、巧みなラインと加減速コントロールを10周続けた。終盤はリカルドが相手、履歴が違うソフトで37周目にスーパーソフトで武装したレッドブルを封じるのは厳しかった。6戦ぶり6位=8点に価値あり、ウイリアムズ対フォースインディアから目が離せない。


☆☆☆☆ フェルナンド・アロンソ
 やってみようと決断、49周目にスーパーソフトヘ。50周目アウトラップ1分48秒735、51周目1分25秒340、52周目1分26秒683。このチーム体制になって初めて最速ラップ樹立、次周も26秒台の自己セカンドベスト・タイム。この“PU持続力”は貴重なデータになるだろう。本人は22回目、ホンダとしては24年ぶり、92年ポルトガルGPのセナ19回目記録以来(一瞬思い出せなかったが)。14位レースに甘んじることなくチャレンジする彼に、『ホンダ・スピリット』を感じた。


☆☆☆☆☆ ダニエル・リカルド
 いつ、どこで狙ってくるのか。アンダーカットうんぬんではなく、コース上でやり切る予感が伝わっていた。47周目、パラボリカを最高加速態勢で抜けると、DRS(ローダウンフォース設定)を駆使して迫り、1コーナーでとても奥深いブレーキング。ボッタスはフェア・プレイヤー、その動きをミラーで視認していた。抜くほうも抜かれるほうもF1らしいオーバーテイク・シーンを、若いチームメイトに見せつけるかのようにやってみせたリカルド。5位でも☆五つ!



(Text : Jun Imamiya)




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