アンドレッティのF1参戦計画が白紙に。アルファロメオチーム買収交渉が決裂
2021年10月28日
マイケル・アンドレッティはアルファロメオF1チームの買収のためオーナーと交渉を行ってきたが、両者の話し合いが決裂したようだ。
インディカーやフォーミュラEなどに参戦するアンドレッティ・オートスポートのオーナー、マイケル・アンドレッティは、F1参戦に関心を持ち、アルファロメオF1チームを運営するザウバー・モータースポーツの支配会社、イスレロ・インベストメンツの株式80パーセントを取得することを考えていたといわれ、交渉は順調に進んでいるとみられた。
しかしイスレロ・インベストメンツの株式を所有するスウェーデンの富豪フィン・ラウジングが最終的に要求した金額は、アンドレッティ側にとっては到底受け入れることができないものであったため、買収を断念せざるを得なくなった。
F1第17戦アメリカGPが行われる機会に、両者がオースティンで話し合いの場を持ち、そこで交渉が契約に向けて大きく前進する見通しだった。条件は、アンドレッティがイスレロ・インベストメンツの株式80パーセントを取得し、ラウジングが20パーセントを維持し、取締役にとどまるというものだった。しかし、オースティンでの会合を前に、交渉が行き詰まりを見せた。
ラウジングは自身が所有するテトララバル・グループの節税対策の一貫としてアルファロメオ/ザウバーF1チームを利用していると考えられている。アンドレッティに近い関係者たちによると、ラウジングは、その合法的なシステムを今後も利用するため、自身がチームに投資を行うことを希望すると同時に、アンドレッティにもそれを要求したという。
アンドレッティ自身はオースティンに行かなかったが、彼のパートナーとラウジング側がオースティンで話し合いを行った。ラウジング側は新たな要求として、追加でアンドレッティに5年間にわたり年間5000万ドル(約57億円)の支払いを求めたという。これはアルファロメオあるいは他の大規模スポンサーが離脱してもチームの参戦継続を可能にするためのものだ。しかしアンドレッティ側はこの要求には応じられないと考え、交渉を打ち切った。
チームにはアルファロメオとのスポンサーシップ契約があり、テトララバル・グループからの投資もあるため、現状のままでもF1で長期的に活動することができる。ただ、F1上層部は、アンドレッティの名前がF1に戻る機会が遠ざかったことに失望していることだろう。アンドレッティが参戦すれば、アメリカにおけるF1への関心がより一層高まることになる。
F1のCEOであるステファノ・ドメニカリは、マイケル・アンドレッティが他の方法でF1に参入することが可能になるよう、力を貸すことも考えるかもしれない。
(Grandprix.com)
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