F1開幕戦オーストラリアGPの予選でトップ10入りを果たしたドライバーたちが、予選の戦いを語った。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 予選=1位
チームに敬意を表したい。彼らは3年連続で再びレベルを引き上げた。僕にとって刺激になるしモチベーションがさらに高まる。
今日の予選はすごく楽しんで走れた。セットアップがうまく決まったんだ。おかげでセクシーなラップを走れたよ! 何のミスもなく、流れるようにスムーズに走った。すごくいい気分で走れたんだ。常に上を目指していて、これ以上望めないぐらいのことを成し遂げたから満足だ。
それでも今夜、そして明日にやるべき仕事はたくさん残っている。無線規則が変更されたのでドライバーとしてはいろいろと学ばなければならない。決勝中に戦略が変化しても教えてもらえない。つまり予想していたのと違う状況になった場合、何が起きているのか推測できるようでなければならないんだ。わくわくするよ。新しい要素だし、それがレースを盛り上げることに役立つといいよね。僕自身はかなり疑問に思ってはいるけれど……でも見てみようじゃないか。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ロズベルグ 予選=2位
まだシーズンが始まったばかりだから慎重になる必要がある。でも僕らのチームは3年連続で他に大差をつけて最速だった。感動的というほかない。優位に立っているときには現状に甘んじるようになってくる危険があるだけに素晴らしいことだよ。
もちろん今日2位に終わったことには満足していない。Q3最後のラップはうまくいったけれど、ルイス(・ハミルトン)の方がいい仕事をした。それでこういう結果になった。それでも2番グリッドからならチャンスはたくさんある。決勝が楽しみだ。
(連続ポールポジションが6戦で途切れたことについて聞かれ)そんなことは考えてなかった。確かに残念だけど、開幕戦の予選を戦う時にそんなことは考えないよ。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 予選=3位
メルセデスのドライバーたちと比較すると、予想していたよりも僕らは離されていた。それでも3位と4位を獲得できて喜んでいる。僕は予選でリズムを見つけるのに苦しんでいたからなおさらだ。FP3ではマシンにとてもいい感触を持っていたけれど、それが戻って来るのに少し時間がかかった。Q3でやっといい感じになってきたんだ。
すごくいいラップを走ったので、最初のラップで十分だと思った。最終的に(メルセデスとの)ギャップは大きすぎた。あとコンマ5秒縮める余地はなかったので、走るのをやめて、タイヤ1セットをセーブした。もちろんもっと接近したいという気持ちは強かったけれど。
予選フォーマットについて言うと、なぜ皆こんなに驚いているのか理解できない。こうなることは最初から明らかだった。大勢のエンジニアやブレーンが何が起こるかを予想していたからね。
序盤はクレージーだった。すべてのマシンがピットレーン出口に並んで、全員がノックアウトされないようになんとかラップタイムを記録しようと躍起になっていた。ところがQ2とQ3ではとたんに静かになった。
もっとエキサイティングな展開になるなんて思わない。進むべき方向が明らかに間違っている。数週間前に僕らが言っていたことと何も変わっていない。でもどうやらこのシステムを気に入っている人がいるらしい。そうじゃなきゃ採用しないはずだからね……。
グランドスタンドで見ているファンのことを考えると正しいシステムだとは思わない。マシンが全く走らない時間があるからだ。
ファンはルイス(・ハミルトン)、ニコ(・ロズベルグ)、キミ(・ライコネン)といったドライバーたちが、セッション終盤の路面が一番いい状態の時に限界までプッシュするところが見たいんだ。
今こういう批判をする必要はない。すでに批判はしてきた。でもこれは絶対に間違った対処だ。僕らはそう言ってきた。
彼らには責任がある。僕らの大半が批判しているようなものを試すことはできない。方向転換して「間違っていた」と言って済ませることはできない。常識的に考え、正しい変更をしなければならないんだ。
■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 予選=4位
理想的な予選ではなかったけれど、それほど悪くもなかったよ。マシンの感触はとてもよかった。メルセデスが僕らより速いとしても、それほど心配する必要はないと思っている。
最初の3つのコーナーではフロントタイヤをうまく機能させるのが難しかったが、それを除けばとても優れたパッケージだと思うし、どんどんよくなっている。僕らにとってはもう少し気温が高い状態の方がうまくいったのかもしれない。
新しい予選フォーマットは大きな変化だったね。ドライバーの視点では前とは少しだけ違うぐらいの感覚だったけれど、テレビで見ている人にとってはかなり大きな変化だったと思う。
僕らチームは今年最初の予選でいい仕事をしたと思う。Q3ではタイヤはあと1セット残っていたけれど、もう一度走っても大きな違いはないと思い、それは決勝用に取っておくことにした。
ここまでは順調だ。いつだってもっとよくなる可能性はあるから、明日何ができるかを見てみるよ。
(メルセデスとの間に)明らかに差があったね。でもまだ判断するのは早すぎる。今後、通常のサーキットに行って初めて実態が明らかになるだろう。彼らがまだとても速いというのは事実だ。でもそれほど心配する必要はない。
■スクーデリア・トロロッソ
マックス・フェルスタッペン 予選=5位
いい予選だった。FP3ではマシンに苦労していたからなおさらだ。状況を改善することができ、5番手を獲得した。僕にとってキャリア最高位だ。チームの全員が頑張ってくれたおかげだ。
正直言って、この結果には少し驚いている。Q3進出は可能かもしれないと思っていたが、5位とは予想を超える結果だ。
予選の新しいシステムはかなり厄介だ。1周で力を発揮しなければならないからね。でも僕はいいと思ったよ。
冬の間、チームは素晴らしい仕事をしてくれた。今はこの瞬間を楽しみ、明日のレースに備えたい。レースが楽しみで仕方ないよ!
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
フェリペ・マッサ 予選=6位
予選はうまくいったね。最大限の結果を出した。僅差で5位を逃したのは残念だったけれど、ネガティブな点はそれだけだ。いいラップを走れたし、マシンの動きもよかったからハッピーだ。
分刻みでカウントダウンされていくのを意識しつつセッションを戦うというのは難しい。幸い僕は走行中に何の問題にも遭遇しなかったけれど。
(予選の新システムについて)今後彼ら(FIAなどF1上層部)は僕らの意見をもう少し聞いてくれるようになるかもしれないね。今は全く聞いてくれないか、ほとんど聞いてくれないけど。僕はF1の経験が長いというのに。ドライバーの意見をもう少ししっかり聞くべきだ。変更をするときにはもう少し話し合う姿勢を見せる必要がある。新しい予選システムで状況が何か変わるのか、僕らは確信を持てずにいた。でも彼らはドライバーのことなんて気にかけていない。
ファンはトラフィックが好きで、マシン同士が接近して走っていたり、皆が時間に追われていたりするのが好きだから(新しいシステムの)Q1とQ2は彼らにとって魅力的だというならそれでいい。でもQ3は悲惨だった。コース上にマシンが全く走っていないんだ。僕は賛成できない。
去年のシステムは優れていた。去年のシステムに大きな不満を口にしているような人に会ったことがない。じっくり話し合ってもっといいフォーマットについて考える必要があるだろう。