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【決勝無線】トップを走るハミルトンの叫び

2014年5月19日



2014年スペインGP無線レポート

『ノーモア・フィードバック、プリーズ!(もう話しかけないでくれ!)』

 65周目、ルイス・ハミルトンは無線で叫んだ。
 レースは残り2周。背後にはニコ・ロズベルグが迫り、1周前からDRSが使える1秒以内に入ってきている。

『僕のラップタイムはどう? ニコとのタイム差を教えてくれ』

『さっきのラップでニコに対して失っているのはターン3だけだ。ニコはスローイン・ファストアウトにしている。ラップタイムはほぼ同じ。ギャップは3.7秒』

 ハミルトンは1周ごとにロズベルグとのタイム比較を無線で報告するようチームに依頼し、担当レースエンジニアのピーター・ボニントンとの間ではレース序盤からずっと忙しい無線のやりとりを続けていた。

『オーバーステアが酷いんだ、助けてくれ』

『ターン4〜5でコーナー出口のデフを小さくしてみてくれ』


 レース中盤になると、2人のやりとりはさらに激しいものになってきた。
 周回遅れを処理する間、ハミルトンの集中を乱さないよう配慮して無線交信を控えていたボニントンに対して、ハミルトンが『この数周どこに行ってたんだよ?』と不快感をあらわにする場面すらあったほどだ。

 そんなハミルトンが自ら『もう話しかけないでくれ!』と叫んだあの無線からは、レース最終盤のロズベルグとのバトルがいかに緊迫していたかが伝わってきた。

 ハミルトンは土曜日からリヤの不安定さに苦しんでおり、予選のポールポジション逆転劇も決勝の首位走行も、コーナーごとのデフマップ切り替えやパワーユニット設定切り替えなどステアリング上のボタンを駆使した末に、騙し騙しどうにか維持し続けてきたものだった。

「僕はマシンバランスにすごく苦しんで、タイムを見つけギャップを築くために、今まで以上にエンジニアに頼らなければならなかった。少しでも速く走るために、かなりセッティングも上げたり下げたり頻繁に変更しながら走っていたんだ。今週はニコの方が全体的に常に速かったと思う。彼を抑え切れたのはラッキーだったよ」

 0.6秒差でロズベルグを抑え切ったハミルトンは、レース後にそう語った。自分よりも後ろにいる、自分よりも速い存在。ハミルトンはロズベルグだけを見てレースをし、ロズベルグの走りを見て自らの走りを是正し続けた。そうすることでタイヤを守り、首位を守り切った。

「ニコとはものすごく接戦だったし、4連勝できるなんて想像もしていなかった」

 それが1時間40分のレースの間ずっと後ろだけを見て走ってきたハミルトンの偽らざる心境だったに違いない。


(Mineoki Yoneya)




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