レッドブルは、2025年型マシン『RB21』に関する多くの疑問が未解決のまま、バーレーンでのプレシーズンテストを終えた。信頼性の問題が発生、3日間のテストの途中で到着した新しいパーツの検証に時間を要し、マシンの適切なセットアップを見つけるのに苦労したことで、走行距離においては、レッドブルは10チームの中で最下位だった。さらにレッドブルは、他のライバルチームとは異なり、バーレーンでレースシミュレーションを完了することができなかった。
2日目にリアム・ローソンがシミュレーションを行う予定だったが、エンジンに水圧低下が検出されたことにより、中断せざるを得なかった。マックス・フェルスタッペンは、新しいフロアと改良版ノーズコーンがRB21に装着された後、マシンバランスの面で非常に苦しみ、マシンの適切な基本セットアップを見つけることに集中しなければならなかった。そのため、フェルスタッペンはグランプリ・シミュレーションを試みることすらなく、彼の最長の連続走行は10周以内にとどまった。
3日間でRB21が走行した周回はわずか304周(1645.248km)にとどまった。一方、周回数トップのメルセデスは458周(2478.696km)を走破した。周回数で6位のフェラーリは382周、7位のマクラーレンは381周で、いずれもレッドブルよりははるかに距離を稼いだ。
テスト中、周回数が不足し、レースシミュレーションを実施しておらず、RB21の適切な基本セットアップを見つけることに苦労したことを考えると、レッドブルがオーストラリアでの開幕戦FP1がスタートするまでの間に多くの作業をこなさなければならないことは明らかだ。
テクニカルディレクターのピエール・ワシェは、テスト終了後、次のようにコメントした。
「予想していたほどスムーズなテストではなかったが、ここで問題を見つける方が後で見つけるよりはましだ。それこそがテストの目的であり、我々はマシンを理解するためにここにいる」
「天候は味方してくれず、このコースでは珍しいコンディションだった。そのなかで、マシンの潜在能力を探り、異なるセットアップにマシンがどのように反応するかを理解しようとした。ほぼそれを達成できたと思う」
「今の時点で、メルボルンのグリッド全体の序列を予想するのは非常に難しい。我々を含め、4つのチームがかなり速いように見える。ただ、我々は他のチームのことはあまり見ずに、自分たちのプログラムに集中しようとしていた」
「マシンが時々我々の期待どおりに反応しない時があったため、私としては完全に満足しているとはいえないが、正しい方向には進んでいる。ただ、その方向性への変化の大きさが、予想ほど大きくなかったかもしれない。それに関しては、開幕戦とそれ以降に向けた開発において取り組む必要がある」
(GrandPrix.com)