アロンソのレース後ペナルティをめぐる混乱を受けてFIAが声明を発表。ルール明確化のため議論を実施へ/F1第2戦
2023年3月21日
FIAは、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がF1第2戦サウジアラビアGPのレース後にペナルティを受けた件に関連して、状況を精査し来週の第3戦オーストラリアGPまでにルールの明確化を実施、内容を各チームに伝達することを確認した。
3月19日のサウジアラビアGPで、アロンソは自身のキャリア100回目となる表彰台に立った。節目となる偉業だったが、実のところ、結果が確定するまでに3度の紆余曲折があった。アロンソに当初のペナルティが科されたあと、アストンマーティンが出した再審請求が認められ、スチュワードは決定を撤回。アロンソが表彰台に返り咲いた。
アロンソのレースは、軽度のルール違反で始まった。2番グリッドに並んだ際、マシンの左前輪が枠からはみ出していたのだ。開幕戦バーレーンGPでのエステバン・オコン(アルピーヌ)と似たような状況だった。そしてオコンと同様、アロンソもスチュワードからスターティングポジションの不正をとがめられ5秒のペナルティを受けた。
アロンソはそのペナルティの消化を、セーフティカーが導入された18周目のピットストップ時に行うことにした。ピットクルーは辛抱強く5秒が経過するのを待ってから、飛びつくように作業にかかりアロンソ車のタイヤをミディアムからハードに交換した。アロンソはそのままレースを続行して3位でフィニッシュし、順位にふさわしい祝福を受けた。しかし表彰台セレモニーの終了後ほどなくして、スチュワードがアロンソに10秒ペナルティを科す裁定を下し、アロンソは4位へと後退することになった。
スチュワード側の見解では、ペナルティに基づくアロンソの5秒間の停止中に、リヤジャッキ担当のメカニックがジャッキを定位置に差し入れ、マシンに触れたという。つまりアロンソのペナルティは正常に消化されていないことになり、そのことに対するペナルティとして10秒が加算された。
しかしアストンマーティンに認められているレース後の再審請求で、チームは過去の複数事例の証拠映像を出してきた。ドライバーがペナルティを消化している間、ジャッキがマシンに触れていたにもかかわらず、スチュワードからとがめられていない事例があったのだ。スチュワードはアストンマーティンに対して反論し、スポーツ諮問委員会(SAC)の会合で、「ペナルティ消化中、マシンに触れることは『作業』の構成要素を満たすことになるので、マシンのいかなる部分にも触れてはならない」との合意が成立済みだと主張した。
だがチームが確認したところ、当該のSACミーティングの議事録にそうした合意に関する記述は見出せなかった。この事実により、スチュワードは自らの裁定を撤回し、確定順位としてアロンソを3位に戻すことを余儀なくされた。
この事態にFIAは公式声明を出し、3月23日(木)に行われる次回のSACミーティングで問題に関するルールの明確化が論議されると述べた。FIAの声明は以下の通りだ。
「スチュワードの当初の裁定に対する見直しの請求はレースの最終周に行われた。スチュワードがその要請を受け入れ、競技者による再審請求に応じたのは、『マシンに対する作業』の定義に関連してそうするべき新たな根拠が見つかったからだ。相反する先例が存在しており、今回の事例によりその事実が浮き彫りとなった」
「したがってこの問題は、3月23日(木)に開かれる次回のSACにて論議がなされ、ルールの明確化が2023年FIA F1オーストラリアGPに先立って行われる。再審請求に対する今回のようなオープンな対応と審議過程の改善は、FIAが現在取り組んでいるF1における公正かつ透明な統制を反映したものである」
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(autosport web)
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