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「ホンダ勢が糸で繋がっているようなレースを見せてくれた」4名の好走が光ったトルコGP/ホンダ山本MDインタビュー

2021年10月12日

 2021年F1第16戦トルコGPにおいて、レッドブル・ホンダは、日本GPに向けて用意していた『RA272』をモチーフにしたスペシャルカラーのマシンでグランプリを戦った。リヤウイングには日本語で『ありがとう』の文字が入っており、ドライバーのレーシングスーツもマシンに合わせてホワイトとなった。


 レースではマックス・フェルスタッペンが2位、セルジオ・ペレスが3位と、レッドブルは今季2度目のダブル表彰台を達成。アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーと角田裕毅も光る走りを見せ、ホンダF1の山本雅史マネージングディレクターは「ホンダ勢3人がチーム・ホンダのようになって、マックスの2位をサポートしたようなレースだった」と振り返った。


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──10月10日、本当であれば、鈴鹿でホンダF1として最後の日本GPを戦っていたはずでした。しかし、同じ日にイスタンブールで行われたレースでは、ホンダのパワーユニットを搭載する4人のドライバーが素晴らしい走りを見せてくれたと思います。率直に今日の4人のレースについて感想をお願いします。


山本雅史マネージングディレクター(以下、山本MD):本当にホンダ勢4人が素晴らしい走りをしてくれました。まず序盤は角田(裕毅)が、そして中盤に(セルジオ・)ペレスが、さらに終盤(ピエール・)ガスリーが追い込んで来て、ルイス(・ハミルトン/メルセデス)に対していいプレッシャーをかけてくれました。本当にいいレースをしてくれたと思います。このトルコGPは総じていえば、金曜からメルセデスに対して総合的に速さが足りていなかった。そのなかで2位と3位に入って、ふたりそろってポディウムに上がれたことは、結果で言えばよかったと思います。本来であれば、日本GPが行われるはずだったこの日に、ホワイトカラーでしっかりと結果を残すことができたと思っています。

ホンダ山本MDインタビュー
2021年F1第16戦トルコGP ホンダF1 山本雅史マネージングディレクター


──他のドライバーはみんな1周で抜かれていくなか、角田選手の8周に渡るハミルトンとの攻防は見応えがありました。


山本MD:あれはいい仕事でした。角田を褒めてあげたい。変なブロックもしていないし、フェアに速さでルイスを抑えていたのはよく頑張ったと思うし、ホンダ勢が結果的に糸で繋がっているようなレースを見せてくれた。角田は中盤22周目にスピンを喫しコースアウトして順位を落としたのは残念ですけど、今回トルコは金曜から速さを取り戻してきていたので次戦アメリカ以降が楽しみです。


──モノコック変更とチームから発表がありましたが、あれが功を奏しているのでしょうね。


山本MD:本人も土曜日に話したら「フィーリングがよくなっている」と言っていました。そういう意味では、フランツ(・トスト代表)が「ユウキのマシンをしっかりファクトリーでチェックしろ」と言ったのが今回のトルコでのいい結果、方向を見出したんだと思います。これからの終盤戦で角田がシーズン序盤戦のような戦いを見せてくれるんじゃないかなと楽しみにしています。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)&ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2021年F1第16戦トルコGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)&ルイス・ハミルトン(メルセデス)


──ペレスの走りも光りました。コース上で一瞬抜かれたのに、1コーナーでまた抜き返すというのはしびれました。


山本MD:しびれましたね。最終コーナーで走行ラインをクロス気味にとるあたりは見事だし、ペレスのうまさが光ったレースでした。何より終盤ルクレールも抜いて3位表彰台を獲得したペレスにもおめでとうと言いたいし、結果的にいいレースをしたと思います。


──日の丸を思わせる白いレーシングスーツを着たドライバーがひとりだけではなく、ふたりで表彰台に立ったということが日本のファンにとってはうれしかったと思います。
山本MD:ポディウムの頂点に立てなかった悔しさは若干ありますが、その両サイドに立った白いレーシングスーツを着たふたりが誇らしげに見えたし、よかったなと思います。


──ガスリーも今年一番の走りでした。


山本MD:そうですよ。終盤のガスリーの追い上げがあったから、メルセデスはルイスをピットに入れる決断を下したわけだし、そう言った意味でホンダ勢3人が、チーム・ホンダみたいになって、マックスの2位をサポートしたようなレースでした。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第16戦トルコGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)


──優勝は逃しましたが、チャンピオンシップで逆転してトップに立ちました。


山本MD:日本のみなさんの強い応援が届いたのか、チャンピオンシップのトップに返り咲いたし、次のアメリカでもその座を維持しながらブラジル、メキシコへとつながれば、チャンピオンシップはさらにおもしろくなるなと思っています。

■「ファンのみなさんの情熱が僕らのエネルギー、力になっていると肌で感じた」

──残り6戦になりました。


山本MD:あと6戦、まずは次のアメリカをしっかりいい形で終えること。マックスにしてみればトップを維持したままメキシコ、ブラジルに行きたいでしょう。そうしたら、残りはカタール、サウジアラビア、アブダビの3戦。アブダビでは僕ら方にアドバンテージがあるような展開に持っていければと思います。


──残り6戦、あと何勝できますか。


山本MD:3勝くらいできそうかなと思っています。


──そのうちの2勝はメキシコとブラジルだと思うのですが、もうひとつは?


山本MD:昨年ポール・トゥ・ウインしたアブダビだと思います。あとわからないのはカタールとサウジアラビア。メキシコ、ブラジル、アブダビはいいレースができそうだなと。だからいい結果につながるんじゃないかなと、期待もこめて。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第16戦トルコGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)


──今日はレース前に田辺(豊治/ホンダF1テクニカルディレクター)さんとファンとの公開オンラインライブセッションに参加していましたね。いかがでしたか。


山本MD:非常に盛り上がったし、木曜日に行われたドライバー4人のセッションにも負けないくらいの数のファンが見に来てくれたと聞き、正直驚いています。


──今週末この白いマシンをはじめ、さまざまな特別企画やイベントが行われ、ホンダのホームページへのアクセスが非常に多かったと聞いていますが、実際日本の反響はどうだったのですか?


山本MD:通常の4倍くらいだったと聞いています。いろんなイベントに入ってくれたのもあるし、今回本来は日本GPだったということで今週の木曜日と金曜日くらいから青山の本社にF1の歴代のチャンピオンマシンを飾ってあったんです。真ん中にレッドブルが置いてあって。金曜日から整理券を配るくらいのお客さんが詰めかけてくれました。そういったファンのみなさんの情熱が僕らのエネルギーになっているし、力になっているということはトルコGPで肌で感じました。アメリカGP以降も引き続きみなさんに応援していただいて、しっかりその期待に応えたいと思います。


──日本GPがなくなったことは残念ですが、それによってみんなの気持ちがひとつになったという意味では、今回のイベントは本当にやってよかったですね。


山本MD:みなさん喜んでくれたと思っています。またこの企画やイベントを成功させるために尽力していただいたクリスチャン(・ホーナー代表)やレッドブルのファクトリーのみなさんに本当に感謝しておます。レッドブル・ホンダとしてやってよかった。表彰台の下でクリスチャンも「やってよかったね、白いレーシングスーツのふたりがポディウムに上がるのを見るのは最高だ』と言っていましたよ。

ホンダF1 田辺豊治テクニカルディレクター&山本雅史マネージングディレクター
2021年F1第16戦トルコGP ホンダF1 田辺豊治テクニカルディレクター&山本雅史マネージングディレクター

2021年F1第16戦トルコGP 2位獲得のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とチームが記念撮影

ホンダF1 山本雅史マネージングディレクター&ジェンソン・バトン



(Masahiro Owari)


レース

12/6(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
12/7(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
12/8(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※アブダビGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン437
2位ランド・ノリス374
3位シャルル・ルクレール356
4位オスカー・ピアストリ292
5位カルロス・サインツ290
6位ジョージ・ラッセル245
7位ルイス・ハミルトン223
8位セルジオ・ペレス152
9位フェルナンド・アロンソ70
10位ピエール・ガスリー42

チームランキング

※アブダビGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム666
2位スクーデリア・フェラーリ652
3位オラクル・レッドブル・レーシング589
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム468
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム94
6位BWTアルピーヌF1チーム65
7位マネーグラム・ハースF1チーム58
8位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム46
9位ウイリアムズ・レーシング17
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー4

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