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ピットレーンでのスピンへの驚きの厳罰は、全F1ドライバーへの戒め。FIAが危険なドライビングへの取り締まりを強化
2021年7月1日
F1第8戦シュタイアーマルクGPで、メルセデスのバルテリ・ボッタスがピットレーンでスピンを喫したことに対してペナルティが出たことに、驚いた関係者は少なくなかった。ボッタスは、規則を守ってクリーンなドライビングをするという点において非の打ちどころのないドライバーであり、今回の彼へのペナルティは厳しすぎると感じられたからだ。
FP2終了後にスチュワードに呼び出された時点で、ボッタスはさほど心配していなかった。ペナルティを受けると思うかと聞かれたボッタスは、「スチュワードは何が起こったのかを理解したいだけだと思う」と答えていた。「ペナルティがあったら驚きだね。あれはただのミスだから」
ボッタスは、スピンをした理由として、ピットボックスからの発進を改善する試みとして、セカンドギヤを使い、過度のホイールスピンを起こし、マシンのコントロールができなかったと説明している。
マクラーレンのチームマネージャーであるポール・ジェームズが、ボッタスのスピンは危険だったとレースディレクターのマイケル・マシに無線で訴えた後、審議が行われることが発表された。多くの人々は戒告にとどまると予想していたため、3グリッド降格のペナルティが発表された時、厳しすぎるという意見が多く見られた。
メルセデスのチーム代表トト・ウォルフは、こうコメントしている。
「バルテリは間違ったことを決してしないドライバーだ。その彼に対する対処としては厳しいと思う。彼は非常に正直で率直な説明をした。たとえば他のドライバーであれば、『何が起こったのか分からない。フロアのスポンサーバナーが滑りやすかったので、ペイントする場所を変えなければならない。何が起きたのかさっぱり分からないからね』などと言っただろう」
スチュワードがボッタスの優勝の可能性に決定的な影響を与える厳しいいペナルティを科した理由としては、他ドライバーに対する戒めの目的が大きかったのではないかと思われる。
安全なドライビングのための現ガイドラインが定められて以来、ドライバーがピットレーンでスピンをしたケースは初めてであり、関連付けることのできる前例がなかった。スチュワードは協議の結果、ピットレーンでこのようなミスを犯すと厳しく対処されるということを、すべてのドライバーに理解させるために、ボッタスに厳罰を科すことを決めた。今回の件は、今後同様のインシデントがあった際には前例として扱われるだろう。
スチュワードたちがボッタスとスポーティングディレクターのロン・メドウズから話を聞いてから、裁定を出すまでに約2時間かかっており、彼らのなかで長い協議が行われていたことが分かる。ちなみに、予選で角田裕毅がボッタスの進路を妨害した件については、角田がスチュワードと面談してからわずか27分後にペナルティが下されている。かかった時間を比較すると、ボッタスの件では非常に激しい議論が行われていたことが分かる。
いずれにしても、ボッタスの件により、今後、ドライバーがピットレーンでドライビングミスをした場合の前例ができたことになる。FIAは、危険とみなされるドライビングに対しては、これまで以上に厳しく取り締まる方針を固めている。
(Grandprix.com)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 131 |
2位 | ランド・ノリス | 115 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 99 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 93 |
5位 | シャルル・ルクレール | 53 |
6位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 48 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 41 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 30 |
9位 | エステバン・オコン | 14 |
10位 | ランス・ストロール | 14 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 246 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 141 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 105 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 94 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 37 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 14 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 8 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 7 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |

