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【津川哲夫の私的F1メカ】新規定でさらに複雑に。独自路線突き進むモンキーシート

2017年5月9日

 F1パーツにはいろいとろ面白い名前がついている。バージボード、チキンウイング、チムニーダクト、コートハンガー(Tウイング)、Sダクト、シャークフィン……。


 その多くは、もともとはチームのデザイナーやメカニックが見た目重視でネーミングしている愛称がほとんど。そのため、同じパーツでもチームよって名称が違ったりするからややこしい。


 そのなかでも近年トレンドになっている、言い得て妙なパーツがある。場所はエキゾーストテールパイプの後方、バンパーの上にこじんまりと搭載されているミニウイングで、呼び名はモンキーシート(猿の腰掛)。樹の幹に寄生して水平に傘を伸ばすキノコのことだ。


 その形状を見ると納得。まさに猿の腰掛けその物にみえるからおもしろい。


 しかし、この小さなウイングには現在のF1マシンのエアロダイナミクスを支える重要な役割があるのだから侮ってはいけない。パワーユニットの排気タービンから後方へ排出される排気ガスは、排気エネルギーをタービンの回転に使うことになり、通常のNAエンジンよりエネルギー量は小さいが、それでもかなりのエネルギーをテールパイプからブローしている。


 テールパイプから排出された瞬間から排気ガスは高温なため上方へ向かおうとする。もちろん、そのままでも上手い具合にリヤウイングのエアロ効率を上げそうなのだが、現実にはスロットル操作によってエネルギー量が変わってしまう。


 さらには前方から車体形状に沿って流れてくる空気流がウイング下に入り込むため、排気エネルギーは干渉してしまうことになる。特に今シーズンはリヤウイングの高さが低くなって空間が縮小しているので、このエリアの空力管理が難しくなっている。


 そこで登場するのがお猿さん……ではなくてモンキーシート。テールパイプ出口を覆うように取り付けられたモンキーシートは排気ブローを上方ではなく、後方に引っ張る方へ働く。こうすることで高速・高エナジーの排気ガスはボディワーク沿いの空気流を引き込む形でウイング下面に導くわけだ。


 このモンキーシート、多くのチームがオーソドックスなウイング型を採用しているが、今年のトロロッソSTR12は珍しい処理を施している。もはやウイング形状ではなく、半ベンチュリー管の機能を備えているのだ。この形状による後方への渦流の状況がどうなっているのかは、まだまだ読み切れないが、最近のトロロッソの空力的挑戦は実におもしろい。



(Tetsuo Tsugawa)




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