第3戦バーレーンGPは、初日からコース上で多くのトラブルが発生した。メルセデスAMGはバルテリ・ボッタスのTウイングが脱落。そのパーツを拾ったマックス・フェルスタッペンはフロアにダメージを負った。
フェラーリはフリー走行1回目にキミ・ライコネンが、フリー走行2回目はセバスチャン・ベッテルがコース脇でストップ。ライコネンはターボトラブルで、ベッテルは走行中に電気系がシャットダウンするというトラブルだった。
またトロロッソはカルロス・サインツJr.がフリー走行2回目にエキゾーストに問題を抱え、わずか5周しか走行できなかった。
そんな中、マクラーレン・ホンダもこの日は、ストフェル・バンドーンのパワーユニットにトラブルが相次いだ。午後2時にスタートしたフリー走行1回目。9周目に自己ベストを更新して10周目に突入していたバンドーンのテレメトリーに変化が生じたのである。
「MGU-Hの冷却水の水圧が落ちたので、クルマを止めさせて終了しました」と中村聡ホンダF1チーフエンジニアは語った。
フリー走行2回目までのインターバルは2時間半。「フリー走行2回目は予選とレースのスタート時刻と同じなので、すごく重要なセッション。とにかく少しでも多く走らせることを優先した」というホンダは、パワーユニットを交換する決断をする。
「具体的にはES(エナジーストア)とCE(コントロールエレクトロニクス)以外のすべてをスペアにしました。このスペアはICEとMGU-Kが新しい2基目で、それにメルボルンで使用したターボとMGU-Hを組み合わせたパッケージです」と中村聡チーフエンジニア。
ところが、そのスペアのパッケージで走り始めたフリー走行2回目でも、バンドーンは8周目あたりで冷却水の水圧が落ちるというアクシデントに見舞われる。
「フリー走行1回目ほど急激な落ち方ではなかったため、スロー走行でピットまで帰ってきてもらいました」というバンドーンのPUは、再びMGU-Hの冷却水が水漏れを起こしていた。
「水が外に漏れてしまったので、もうダメです。交換しないといけません」