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F1への情熱が戻ってきたと実感したリカルド。マルコからの復帰オファーには「あまり悩む必要も感じなかった」

2023年7月19日

 ダニエル・リカルドは、アルファタウリに加わるようレッドブルから要請があったが、自分が「間違いなく」イエスと答えることがわかっていたので、悩まなかったと述べた。


 リカルドは、アルファタウリでニック・デ・フリースの後任としてシートに座り、次戦の第12戦ハンガリーGPからF1に復帰することになる。


 2年間在籍したマクラーレンで結果が出なかったリカルドは、昨年チームとドライバー双方の合意の上で契約を早期解除しており、F1への情熱が薄れたと認める発言もしていた。


 34歳でオーストラリア出身のリカルドは、レッドブル・レーシングのリザーブドライバーではあるにせよ、1年間最前線から離れて過ごせば、待望のリセットができると同時に、グランプリドライバーとしての自身の願望あるいはその欠如に向き合えるだろうと考えていた。しかしレッドブルに同行してわずか数回のレース週末を過ごしただけで、リカルドには自分が身を置きたい場所が見えてきた。すなわち、グリッドの上だ。


 今週前半、リカルドはレッドブルに指名され、シルバーストンでピレリのタイヤテストに参加したが、それが移籍への最後の一押しとなった。


「この期間は充実していた……6カ月間のオフとでも呼ぶか、自分にとって非常によい効果があった」とリカルドは『Formula 1』のローレンス・バレットに語った。


「だが、レースの現場に同行すればするほど、シミュレーターで走れば走るほど、自分に情熱が戻ってくるのをはっきりと感じた」


「そこで数日前にマシンに乗ったところ、『これだ!』という感じ、すごく身体に馴染む感じがした。最初の1周は『なんて速いマシンだ』と思うが、数周のうちに『よし、もう少し速く走ってみよう』と考え始める、あの感じだ。非常に楽しめた」

ピレリF1タイヤテスト(シルバーストン) ダニエル・リカルド(レッドブル)
ピレリF1タイヤテスト(シルバーストン) ダニエル・リカルド(レッドブル)


 リカルドのテスト走行の結果はレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表からモータースポーツコンサルタントのヘルムート・マルコに伝わり、マルコはすぐに行動を起こした。15分のうちに、マルコはデ・フリースを解雇しリカルドにオファーを出していた。


 携帯電話の画面にマルコの名前が浮かび上がった時の反応を思い出して、「『なんだろう、とりあえず話を聞いてみよう』という考えだった」とリカルドは述べた。


「それが一番よい対応の仕方だったと思う。つまり、『彼がこれを求めてきたらどうしよう』など、事前に準備をしようとすることもある。だが今回は、『彼の話を最後まで聞き、何が起きるか見てみよう』という気持ちだった」


「あまり悩む必要も感じなかった。なんというか、あるべき場所に戻ったような……たとえるならば、昔なじみの感覚があり、アットホームで、かつての体験をもう一度繰り返しているような感じだった」


「こうした電話をかつては何度も受けたものだし、こうした話を何度も突きつけられ、そのたびに決断を迫られたものだ。自分が間違いなくイエスというのは分かっていた。『もうすぐにそれが始まるんだ』という現実に戸惑っていたというのはあるかもしれない」

ピレリF1タイヤテスト(シルバーストン) ダニエル・リカルド(レッドブル)
ピレリF1タイヤテスト(シルバーストン) ダニエル・リカルド(レッドブル)


 来週のハンガロリンクにおけるリカルドの初仕事は、アルファタウリの2023年型マシン『AT04』の性能がどれだけ悪いか評価することだろう。現在のところ、アルファタウリはコンストラクターズ選手権で最下位に沈んでいる。ポイントは角田裕毅が獲得した2点のみだ。


 だが8度のグランプリ優勝経験を持つリカルドは、新たな仕事には先入観なしに臨むと述べた。


「マシンの掛け値なしの実力を見たい。まずはマシンをドライブしてみて、そこから考えたい。あまり先入観にはとらわれたくないと思っている」


「マシンの性能にどこか限界が見つかるだろうが、それはそれでよい。全体的にダウンフォースが不足しているとか、そうした単純なことが原因に違いない」


「だが、バランスが取れているように感じるマシンだったとしても、数日前にドライブしたレッドブルほどのグリップはないかもしれない。そうしたことには対処できると考えている」


「マシンの開発を進め、そこに自分の経験を活かすといったこともやってみたい。だがブダペストに関して言えば、まずはレースに出て楽しむことを目指したい。左足よりも右足を多く使って、最高の時を過ごしたいね!」


 リカルドにとって、ファエンツァは2012年から始まるF1での躍進の出発点となった場所だが、そこへ戻ることはある意味で帰郷とも呼べる。しかし同時に、レッドブル・レーシングとの未来に向けて、バック・トゥ・ザ・フューチャーめいた意味も持っている。


「レッドブルファミリーのなかで上を目指して頑張っていた当時を思い出すのは、そうした理由もあるかもしれない」


「そういうことだろう。『結果を出せば、上に行かせてやる。上に行かせてやる』と言われ続けた。そうした考えに馴染んでいる」


「僕はこのチームを知っている……今年はポイント獲得、つまりレースで10位以内に入るのは苦労するだろう。だからこのマシンの性能を引き出して10位以内に入ろうとするのは、みんなにとって充実した目標となるだろうし、刺激的な挑戦となるに違いない」

ダニエル・リカルドがアルファタウリでシート合わせ
ダニエル・リカルドがアルファタウリでシート合わせ



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(autosport web)


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