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F1 Topic:紆余曲折の末に発給された山本尚貴のスーパーライセンス。足りないポイントを補ったFIAの措置
2019年10月24日
2019年のF1第17戦日本GPでは、山本尚貴がトロロッソ・ホンダのマシンに乗って、金曜日のフリー走行1回目を走った。日本GPで日本人ドライバーが鈴鹿でF1マシンを走らせたのは、2014年の小林可夢偉(ケータハム)以来、5年ぶりのことだった。
しかし、山本尚貴の日本GP出走は、直前まで不透明なままだった。理由は、複雑なスーパーライセンス(SL)制度にある。
F1をグランプリ期間中に運転するにはSLが必要となるが、現役のF1ドライバーまたは過去3年間F1に参戦したことがあるドライバー以外の者が、グランプリ期間中にF1マシンを運転するには、定められた規定以上のSLポイントを獲得しなければ、SLは発給されない。
SLポイントはFIAが定めたF1以外のさまざまなカテゴリーを対象に設けられており、SLを取得するには過去3年間で40点以上獲得する必要がある。18年にスーパーフォーミュラ(1位/20点)、スーパーGT(1位/15点)、17年スーパーフォーミュラ(9位/1点)、スーパーGT(7位/2点)、16年スーパーフォーミュラ(7位/3点)の合計41点を獲得した山本はその権利を有しているはずだった。
ところが、スーパーGTがSLポイントの対象となったのは18年からだったため、山本の17年の2点は有効ではなく、実際には39点しかないことが判明した。FIAはポイントの詳細は明らかにしなかったが、「山本尚貴の過去3年間のSLポイントではSLを発給するに十分ではなかった」(マイケル・マシ/F1レースディレクター)ことを認めている。
■フリー走行限定のスーパーライセンス取得にも大きな壁
![2019年F1第17戦日本GPのフリー走行1回目に出走した山本尚貴(トロロッソ・ホンダ)](https://cdn-image.as-web.jp/2019/10/23203819/XPB_1014184_1200px1-660x439.jpg)
ただし、山本尚貴の場合、F1マシンを走らせるのは日本GPの金曜日だけなので、完全なSLは必要ではなく、フリー走行を参加するためだけなら、SLポイントは25ポイント以上あれば良い。ところが、その場合、グランプリ週末以外に現行のF1マシンで300km以上の走行経験が義務付けられている。
ところが、ここで問題となったのが、『現行のF1マシン』という条件だった。これはパワーユニット(PU/エンジン)を搭載した14年以降のマシンを意味するのだが、山本尚貴サイドがこれまで取得していたSLポイントが十分ではないと認識したとき、今年のインシーズンテストが終了していた。
そのため山本尚貴が現行のF1マシンを走らせるにはプライベートテストしかない。だが、その場合は2年落ち(17年)以前のマシンしか許可されていないのだが、2年より前にホンダがパートナーを組んでいたのはマクラーレンで、レッドブルとトロロッソもホンダ以外のPUを搭載していたため、事実上実現不可能な状態だった。
そこで山本尚貴サイドは、当初ペナルティポイントを科されずシーズンを終えた場合に付与される『ボーナスポイント』を合算して41点にしようとした。ところが、山本尚貴が参戦していたスーパーフォーミュラとスーパーGTは、FIAが直轄するカテゴリーではなく、ボーナスポイントの対象外シリーズだったため、ボーナスポイントの2点を得ることができなかった。
そのような状況で、動いたのがFIAだった。FIAが目をつけたのが山本尚貴の今年の成績だった。それは、山本尚貴が今年のスーパーフォーミュラで最終戦を前にしてランキングトップにいたからだ。もし山本尚貴が日本GP終了後の10月27日に開催されるスーパーフォーミュラ最終戦に参戦しなくとも、2019年のスーパーフォーミュラでシリーズ5位以上は確定しているため、過去3年間(39点)ではなく、今年を含めた3年間の成績でSLポイントを計算しようという措置だった。
これによって、山本尚貴のSLポイントは、18年のスーパーフォーミュラ1位の20点に、18年のスーパーGT1位の15点、17年スーパーフォーミュラ9位の1点に加え、19年に獲得するスーパーフォーミュラ5位以上の7点+αとなり、合計43点+αとなった。
マシによれば、「この件に関しては、10月4日にドイツ・ケルンで開催された世界モータースポーツ評議会(WMSC)において討議が行われ、WMSCは山本尚貴に対してSLを発給するという最終決断を下した」という。そして、「これは、フリー走行限定ライセンスではなく、正式なSLである」ことも付け加えた。
今後の山本尚貴のF1活動は未定だが、正式なスーパーライセンスを取得したことで、山本尚貴は今後3年間、正ドライバー、サードドライバー、金曜日ドライバー、テストドライバーなど、さまざまなチャンスが広がったことだけは確かだ。
(Masahiro Owari)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 194 |
2位 | シャルル・ルクレール | 138 |
3位 | ランド・ノリス | 131 |
4位 | カルロス・サインツ | 108 |
5位 | セルジオ・ペレス | 107 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 81 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 69 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 55 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
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1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 301 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 252 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 212 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 124 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 28 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 7 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 5 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
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