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【角田裕毅F1第8戦密着】“新しいアプローチ”で臨んだ予選は自己ベストタイの8番手「正しい方向に進んでいる」

2021年6月27日

 F1第8戦シュタイアーマルクGP金曜日の夜、アルファタウリのガレージはいつもより慌ただしかった。ピエール・ガスリーのパワーユニットに通常とは異なるデータが発見されたため、MGU-Kを交換しなければならなかったからだ。ガスリー側のガレージには6人以上のスタッフが入れ替わり立ち替わり足を踏み込み、所狭しと作業にあたっていた。

【角田裕毅F1第8戦密着】
2021年F1第8戦シュタイアーマルクGP 予選後のアルファタウリ・ホンダのガレージ

【角田裕毅F1第8戦密着】
2021年F1第8戦シュタイアーマルクGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)のガレージでは作業が行われていた


 そんななか、隣の角田裕毅側のガレージは4人以下のスタッフがほとんど動かず、整然と仕事をしていた。もし、金曜日に角田がマシンにダメージを与えるような走りをしていたら、チームはてんやわんやとなっていただろう。チームとしてはガスリーにトラブルが起き、出端をくじかれた形でグランプリをスタートしていたものの、角田としては土曜日に向けてはいい流れに乗って初日を終えることができていた。


 そのいい流れを角田は土曜日も維持した。予選前、最後のフリー走行3回目。角田は5番手につけた。4番手以上はレッドブル・ホンダとメルセデスだけだった。

【角田裕毅F1第8戦密着】
2021年F1第8戦シュタイアーマルクGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)


 前戦までの角田なら、ここで自分にプレッシャーをかけ、予選本番でミスを犯すことが何度かあった。しかし、この日は違った。「二度と同じようなミスを繰り返さない」と誓ったシュタイアーマルクGP。「予選では、最初からあまりプッシュしない形で入り、セッションを経るごとに徐々にハードにアタックしていきました」という角田は、自分で自分の手綱を握るかのように、最初からムチを入れず、マシンと会話しながら、少しずつ限界を探っていった。


 Q1の1セット目のタイヤでの1回目のアタックで、まず1分05秒136をマークしてトップ10内につける。しかし、これはまだ全力ではない。角田は2周のクールダウンラップを入れて、同じタイヤでもう一度アタックし、1分05秒054と自己ベストをコンマ1秒更新して、ピットインした。


 この時点で7番手だったが、シュタイアーマルクGPが行われているレッドブルリンクは予選でのトラックエボリューション(路面の改善しろ)が大きいサーキットで有名で、2回目のアタックでタイムが大きく更新される。タイヤを変えて、再びタイムアタックに出た角田は、今度は1回だけのアタックを行い、また少し自己ベストを更新する1分04秒608をマークして、4番手でQ1を突破した。


 Q2の1セット目のタイヤでは1分04秒631と自己ベストを上回ることができなかったが、Q1同様、Q2も2回目のアタックが重要なので、Q1からQ2にかけての路面変化を確認したのだろう。2セット目のタイヤではセクター2まで自己ベストを更新する走りを見せていたが、セクター3でトラックリミット違反を犯してタイムを抹消されてしまった。それでも、1回目のアタックでトップ10内に入り、アゼルバイジャンGP以来2戦ぶり2回目のQ3進出を決めた。


 Q3の1回目はユーズドのソフトのため、再び路面コンディションを探った。新品のソフトに履き替えて臨んだ最後のアタック。セクター1で100分の5秒遅れたものの、セクター2とセクター3で自己ベストを更新。もちろん、ラップタイムも1分04秒514と、この日の自己ベストだった。


「最後のアタックは完ぺきではなかったのですが、 Q3に進出できたことはうれしかったです」と語る角田は、いままでF1のミックスゾーンで見てきたなかで、最も穏やかな表情をしていた。それは、この週末に掲げた目標である「新しいアプローチ」をやりきった満足感だったのではないだろうか。


「正しい方向に進んでいると思います」


 バルテリ・ボッタス(メルセデス)のアタックを妨害したとして、予選後に3グリッド降格の処分を受け、日曜日のレースは11番手からスタートすることになったが、それ以上に得たものが大きかったシュタイアーマルクGPの土曜日だった。

【角田裕毅F1第8戦密着】
2021年F1第8戦シュタイアーマルクGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第8戦シュタイアーマルクGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)



(Masahiro Owari)




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