【F1オランダGP予選の要点】アルボンが4番グリッド獲得。垣間見えたウイリアムズ復活の予兆と信頼関係
2023年8月27日
路面が徐々に乾いていく難しいコンディションだった2023年F1第14戦オランダGPの予選で、ウイリアムズの2台が驚きの速さを見せた。まずQ1では、アレクサンダー・アルボンがマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を0.026秒抑えて堂々のトップタイム。続くQ2でも3番手タイムをマークし、今季5回目のQ3進出を果たした。
一方、チームメイトのローガン・サージェントは、Q1は15番手、Q2も10番手と、いずれもギリギリの成績ながら何とかノックアウトを回避。今季全戦出場しているドライバーのなかで唯一Q3に進めていなかったが、デビュー13戦目にしてついに不名誉な記録との訣別に成功した。
しかし初めて臨んだQ3では、アルボンに次ぐ暫定2番手タイムを出した直後に、タイヤバリアにクラッシュ。ソフトタイヤでのアタックだったが、わずかに残ったウエットパッチに乗って挙動を乱してしまった。
対照的にアルボンは、Q3も上位勢と遜色のない速さを披露し続けた。最後のアタックではフェルスタッペン、ランド・ノリス(マクラーレン)に次ぐ3番手タイムを叩き出す。最終的にジョージ・ラッセル(メルセデス)にその座を奪われたが、4番グリッドはレッドブル在籍時以来となる自己ベストタイ。ウイリアムズでは最高位グリッドだ。そしてチームにとっても2列目グリッド獲得は、2021年9月のロシアGPでのラッセルによる3番手以来となる。
この週末のアルボンはFP1で5番手、FP2は3番手と、ドライ路面での初日フリー走行から群を抜く速さを見せていた。その勢いは翌日のウエット路面でのFP3でも衰えず、フェラーリ、マクラーレン勢を抑えて6番手と、その速さは路面コンディションの違いにも左右されなかった。
アルボン本人の卓越したマシンコントロール能力が、ザントフォールトのようなミスを起こしやすいサーキットでいっそうの強みを発揮したことは確かだ。一方でウイリアムズの的確なサポートも無視できない。
土曜日がウエットになることはウイリアムズもライバルチーム同様に予想し、前夜に対策を施していた。しかし実際にFP3を走ってみると、マシンバランスの問題が判明。そこから細かくセッティングを見直したとのことだ。
予選ではQ1から的確なタイミングで、2セット目のインターミディエイト(浅溝タイヤ)を投入。これがトップタイム達成に繋がった。さらにQ3では、路面がほぼ乾いていたとはいえ、まだあちこちに水溜りもあるコンディションながら、アルボンを信じて真っ先にソフトを履かせて送り出した。
この辺りの両者の信頼関係と連携の良さが、今季最高位グリッド獲得に繋がったと言えるだろう。ウイリアムズの復活はまだ道半ばだが、メルセデスの戦略責任者からチーム代表に転身したジェームズ・ボウルズの指揮の下、着実に成果を上げているように見える。
(取材・文 柴田久仁夫)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 393 |
2位 | ランド・ノリス | 331 |
3位 | シャルル・ルクレール | 307 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 262 |
5位 | カルロス・サインツ | 244 |
6位 | ジョージ・ラッセル | 192 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 190 |
8位 | セルジオ・ペレス | 151 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 31 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 593 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 557 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 544 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 382 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | BWTアルピーヌF1チーム | 49 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 46 |
8位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 44 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 17 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |
第23戦 | カタールGP | 12/1 |