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【レースの焦点】高速バトルで必要な“心のグリップ”

2014年9月9日

 歩いてピットに戻ってきたフェルナンド・アロンソは、ガレージに入るまえにピットウォールに立ち寄って手を振り、ティフォシに拍手を送った。一瞬レースを忘れたように、スタンドではチアホンが鳴りドライバーを讃える歓声と拍手が沸き起こる――アロンソのイタリアGPは、こんな切ない形で幕を閉じた。コース上ではダニエル・リカルドのレッドブルがもう1台のフェラーリ、キミ・ライコネンのマシンに迫っていた。

“ここから先のサーキットは、自分たちのマシン特性にもっと適しているはず"――レース後には、メルセデス・パワーユニット勢以外のほとんど全チームがリリースの最後にこう添えた。それくらいモンツァはパワーとスピードの勝負で、フェラーリは誰よりも痛切にそれを実感することになった。マシンのバランスを得られても、単純にスピードが足りない。低ダウンフォース仕様では、前のマシンに近づくと極端にグリップが失われた。

ベルギーGPの覇者リカルドも、楽観してはいなかった。

「スパではダウンフォースをつけるチームとつけないチームに分かれた。僕らの競争力はダウンフォースを削って得たストレート速度によるものだったと思う。でも、ここモンツァでは全員が迷うことなく低ダウンフォースに向かうから、トップスピードに差が出てくるはずだよ」

 そんなモンツァだったけれど……ストレートエンドで最高速を記録したのは実はリカルド。362.1km/hは、予選中に記録した345.3km/hより16.8km/hも速い。これはおそらく40周目、ジェンソン・バトンをオーバーテイクする直前に記録したスピードで、リカルドはバトンの後もセルジオ・ペレス、ケビン・マグヌッセンと、メルセデス勢のスリップストリームを活かして終盤のペースを築いていったのだ。それを可能にしたのは、パラボリカで乱気流を受けても前のマシンについていくグリップ力――第1スティントを長めにとった後、ハードを履いた第2スティントは終盤のこの勝負のためにタイヤの力を温存していた。さらに、オーバーテイクのポイントを第1シケインのブレーキングに限定せず、レッドブルが得意なクルヴァグランデで並走し、第2シケインのロッジアでも相手の動きを見て自在にラインを選択し、前に出た。最後の相手、チームメイトのセバスチャン・ベッテルをかわしたのもクルヴァグランデ〜ロッジア。

 9位スタートから1周目には12位までポジションを落としたリカルドが第1スティントを長くステイアウトすることによって後半の勝負を目指したのに対して、8位スタートから5位にジャンプしたベッテルの作戦は逆。マグヌッセンの前に出るため、18周目という早いタイヤ交換に踏み切った。結果、マクラーレンをアンダーカットすることには成功したものの、ハードで35周という第2スティントはタイヤに酷で、期待どおりのペースを維持することができなかった。

 それでも、高速のモンツァで5-6位は、レッドブルにとって“ダメージを最小限に抑えた"結果。「メルセデスはすべてのサーキットで最強だと思うけど、僕らにとってはシンガポールと鈴鹿が“ベストショット"になる」とリカルド――マシンの性能を活かす基本はしっかり押さえながら、発想が自由。正確なドライビングに基づいて、オーバーテイクの技やレースの創造性は、毎回みんなを驚かせるほど進化を遂げていく……よく見てみると、去年の9連勝でベッテルが築いた豊富な作戦データをリカルドは見事に活かしている。





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