レッドブルのふたり、ダニエル・リカルドとダニール・クビアトは、FP2でソフトタイヤを履いてロングランを開始しました。その際、リカルドは1分28秒台前半で走り始めると同等のタイムを4周にわたって並べ、クビアトは1分28秒台後半で走り始めると、徐々にペースを上げて4周目には1分28秒台前半に入れ、それを2周続けています。このFP2、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンもニコ・ロズベルグも、ロングランで1分28秒5を切ったのは、それぞれ1度ずつ。レッドブルのペースが優れていたのは、間違いないところです。リカルドも「燃料が軽い状態でも多い状態でも好調だ」と語り、自信を見せます。
ただ、彼らには大きな不安要素があります。リカルドは前述のとおり1分28秒台前半という素晴らしいラップを4周にわたって記録した後、派手にエンジンをブローアップ。エンジン交換は必須でしょう。「古いエンジンを使っていたから、ペナルティの心配はない」とリカルドは語っていますが、トラブルが出たのは事実。信頼性の問題は、レッドブルにとっての脅威と言わざるを得ません。これはクビアトにも言えることで、せっかく見えた光明も、潰えてしまうかも。まぁ、こればかりはレースが終わってみないと分からないことですが……。
ところで、メルセデスAMGのロズベルグは、セッション終盤にミディアムタイヤを履いて6周の連続走行を行っています。このミディアムでのペースは、ソフトタイヤでのロングランとほぼ同等でした。しかし、ハンガリーGPに持ち込まれたソフトタイヤとミディアムタイヤのペース差は、本来ならば1周あたり1〜2秒程度と非常に大きいはず。つまり、メルセデスAMGがソフトタイヤでロングランを行った際には、多くの燃料を搭載していたことが想像できます。これは、レッドブル陣営も警戒するところ。実際には、さらに良いペースを隠し持っているのは、おそらく間違いないでしょう。
いずれにしても、FP2の結果を見る限り、メルセデスAMGにレッドブルが急接近しているのは事実。今季ここまで苦労してきたレッドブルが、最強のメルセデスAMGをどこまで苦しめることができるのか? そこが、ハンガリーGPの最大の注目ポイントになりそうです。