F1速報

  • 会員登録
  • ログイン

【F1チームを支える人々(2)マット・ハーマン/アルピーヌ】メルセデス最強時代に貢献。PUとシャシーの統合に長けたTD

2023年5月25日

 F1チームには多数の人々が関わり、さまざまな職種が存在する。この連載では、普段は注目を浴びる機会が少ないチームメンバーに焦点を当て、その人物の果たす役割と人となりを紹介していく。今回取り上げるのは、約1年前にアルピーヌのテクニカルディレクターに就任したマット・ハーマンだ。


────────────────────────────────────


 テクニカルディレクターといえば、チームの技術部門のなかでは最も目立つ存在で、頻繁にニュースのネタにもなる。たとえば、マクラーレンからジェームズ・キーが離脱したこと、メルセデスのマイク・エリオットに代わってジェームズ・アリソンが現場に復帰したことなどが、大きく取り上げられた。また、アストンマーティンの大躍進を支えているダン・ファローズにも大きな注目が集まっている。


 だが、彼らほど存在感を示していなくても、有能なテクニカルディレクターは何人もいる。たとえば、今回フォーカスする、アルピーヌのマット・ハーマンだ。


 エンストンのファクトリーで技術部門の指揮をとるハーマンは、英国のエンジニアリングコンサルタント会社であるリカルドでプロのキャリアをスタートした。ハーマンは、複雑なグローバルな課題に対するソリューションを提供するリカルドから、その後、イルモア・エンジニアリングに移り、エンジニアリングチームリーダーに就任。


 2000年にハーマンが加入したイルモアのF1部門は、その後、メルセデスの一部となり、メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレインズに変貌した。HPPおよびメルセデスF1チームでハーマンは経験を積み、優れた実績を上げて、パワートレインの統合とトランスミッションの設計の責任者に昇進。その役割を約7年間務めた。この間、メルセデスは圧倒的な強さを見せてタイトルを連覇した。

メルセデスAMG・ハイパフォーマンス・パワートレインズのファクトリー
メルセデスAMG・ハイパフォーマンス・パワートレインズのファクトリー


 その後、ハーマンは新たな挑戦へと向かう。チャンピオンチームでキャリアを重ねたこともあり、複数のチームがハーマンに注目するなかで、ルノーが彼を獲得。2018年9月に彼をチーフデザイナーとして雇い入れ、その後、わずか1年未満でエンジニアリングディレクターに昇進させた。そして昨年2月、ルノーの後身アルピーヌが技術部門の組織変更を行うなかで、パット・フライがチーフテクニカルオフィサーのポジションに就き、ハーマンはテクニカルディレクターに就任した。

パット・フライ(当時のルノーF1テクニカルディレクター)とマット・ハーマン(当時のルノーF1エンジニアリングディレクター)
パット・フライ(当時のルノーF1テクニカルディレクター)とマット・ハーマン(当時のルノーF1エンジニアリングディレクター)


 昨年のアルピーヌは着実に進歩していたものの、パフォーマンスよりもドライバーの契約問題等で話題に上ることが多く、ハーマンがスポットライトを浴びることはなかった。しかし、2022年のアルピーヌは、信頼性が課題ではあったが、速さは十分あり、実際に、ビッグ3チームに続くコンストラクターズ選手権4位を獲得した。


 エンジニアリング面の知識が豊富で、自信に満ち溢れたタイプのハーマンだが、難解な技術的な話を、専門外の人たちに分かりやすく話す能力を持っている。それはこの連載の前回で取り上げたトム・マッカローと似た特徴だ。そしてその特徴こそが、ハーマンをテクニカルディレクターのポジションまで押し上げたといえるだろう。


 ハーマンは、パワーユニットとシャシーを効果的に連携させるという面で特に優れた能力を持っていることで知られる。それを実現するためには、複数の部門間でコミュニケーションをうまく取りながら、大きな問題を発生させることなく、最善の妥協点を探る必要がある。ハーマンはその仕事を、メルセデスでも、ルノー/アルピーヌでもやり遂げてきた。

2023年F1第5戦マイアミGP エステバン・オコン(アルピーヌ)


 そうした力を高く評価されて、現在、ハーマンは、パット・フライの下でアルピーヌのテクニカルチーム全体を指揮する立場に立つに至った。ライバルのアストンマーティンに比べると、今年のアルピーヌのパフォーマンスは物足りないものの、何度か輝く瞬間があり、ハーマンが加入してわずか1年と少しの間に成し遂げてきた仕事自体は悪くはない。ハーマンは今後、同僚のテクニカルディレクターたちからも、さらに注目される存在になると思われる人物だ。



(Chris Medland)




レース

6/21(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
6/22(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
6/23(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※スペインGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン219
2位ランド・ノリス150
3位シャルル・ルクレール148
4位カルロス・サインツ116
5位セルジオ・ペレス111
6位オスカー・ピアストリ87
7位ジョージ・ラッセル81
8位ルイス・ハミルトン70
9位フェルナンド・アロンソ41
10位角田裕毅19

チームランキング

※スペインGP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング330
2位スクーデリア・フェラーリ270
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム237
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム151
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム58
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム28
7位BWTアルピーヌF1チーム8
8位マネーグラム・ハースF1チーム7
9位ウイリアムズ・レーシング2
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第10戦スペインGP 6/23
第11戦オーストリアGP 6/30
第12戦イギリスGP 7/7
第13戦ハンガリーGP 7/21
第14戦ベルギーGP 7/28
  • 最新刊
  • F1速報

    Vol.6 第7戦エミリア・ロマーニャGP & 第8戦モナコGP & 第9戦カナダGP号