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最終周、まさに奇跡の決着。レッドブル・ホンダのフェルスタッペンが逆転で初の王者に。角田は自己最高4位【決勝レポート/F1第22戦】

2021年12月13日

 12月12日現地時間17時、2021年の最終戦アブダビGPの決勝が行われた。太陽が西に傾き、気温は24度、路面温度は28度という予選とほぼ同じコンディション。


 ニキータ・マゼピン(ハース)は新型コロナウイルスの検査で陽性となり、症状はないものの決勝には出場できなくなり19台のマシンで争われることとなった。


 上位ではメルセデスAMG勢と角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)だけがミディアムタイヤでそれ以外の7台はQ2で使用したソフトタイヤでのスタート。11番グリッド以下では11番手フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)と12番手ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)がリバースストラテジー狙いのハード、最後尾のミック・シューマッハー(ハース)がソフト、それ以外の6台が定石のミディアムタイヤを履いてスタートに臨んだ。


 スタートでポールポジションのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は動き出しと加速が鈍く、2番グリッドのルイス・ハミルトン(メルセデス)はミディアムタイヤにもかかわらずターン1までにインから前に立った。3番グリッドのランド・ノリス(マクラーレン)はターン1でワイドになり、インに入ったセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)が3番手に上がる。

2021年F1第22戦アブダビGP スタートシーン
2021年F1第22戦アブダビGP スタートシーン

2021年F1第22戦アブダビGP スタートシーン
2021年F1第22戦アブダビGP スタートシーン


 フェルスタッペンはバックストレートエンドのターン6でインに飛び込むが1台分のスペースを残せずハミルトンを押し出すかたちとなり、接触しかけてランオフエリアに逃げたハミルトンはターン7をカットするかたちでフェルスタッペンとのギャップをコントロールしながら首位のまま戻り、押し出されたハミルトンはここで得たアドバンテージを戻したためスチュワードは審議の必要なしと判断した。


 これで順位は首位ハミルトン、2番手フェルスタッペン、3番手ペレス、4番手にカルロス・サインツ(フェラーリ)が上がり、ノリスは5番手、6番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)、角田は7番手に浮上、8番手バルテリ・ボッタス(メルセデス)、9番手エステバン・オコン(アルピーヌ)、10位ダニエル・リカルド(マクラーレン)となった。


 ハミルトンはファステストラップを記録しながら徐々にフェルスタッペンを引き離し、2秒弱のギャップをコントロールする。これでソフトタイヤのフェルスタッペンはかなり劣勢に立たされることとなった。

ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2021年F1第22戦アブダビGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)


 ここからは各車がタイヤをいたわりながら淡々とした走行を続ける。10周目には3番手ペレスまではそれぞれ3秒前後の間隔となり、4番手サインツは18秒後方と大きく離れた。8周目あたりからリヤタイヤに苦しみ始めたフェルスタッペンはハミルトンに着いていけず、ギャップはどんどん広がっていく。しかし後方との間にはまだピットストップに必要な23秒のギャップがなくピットインできない。


 フェルスタッペンは13周目にピットインしてハードタイヤに交換。ノリスの直後に戻り、バックストレートでノリスを抜く。フェルスタッペンの乱流を浴びたルクレールはターン3でリヤが流れて飛び出してしまい、角田がこれをかわして6番手に上がるがルクレールも再び抜き返す。しかしルクレールは15周目にピットインを余儀なくされる。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第22戦アブダビGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)


 これに対してハミルトンは翌14周目にピットインしてフェルスタッペンの前を抑えて5秒のギャップをキープする。一方フェルスタッペンはサインツに抑え込まれ、ターン15でコースオフするなどタイムロスを強いられる。この間にもハミルトンはファステストを連発してフェルスタッペンとのギャップを7.5秒まで広げた。


 ノリスは17周目、サインツが19周目にピットインし、ミディアムのままステイアウトした角田が4番手へ浮上する。


 20周目にハミルトンはステイアウトするペレスの背後に追い着くが、1本目のバックストレートで抜いたもののペレスがターン6でインに飛び込んで再逆転、ハミルトンはストレート立ち上がりで抜くがペレスはターン9で再びインに飛び込んで前に出る。ハミルトンは21周目のバックストレート1本目でようやくペレスを抜くが、このバトルの間にハミルトンとフェルスタッペンのギャップは1.7秒にまで縮まった。ペレスはこの周にピットインしてハードに履き替える。

セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)&ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2021年F1第22戦アブダビGP セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)&ルイス・ハミルトン(メルセデス)


 ハミルトンは再びここからじわじわとギャップを広げていき、フェルスタッペンも必死に食らいついていく。


 角田は23周目にピットインしてルクレールの後方10番手でコースに復帰。


 26周目に引退レースのキミ・ライコネン(アルファロメオ)がターン6のブレーキングで挙動を乱しバリアにヒット。ブレーキが壊れたと訴えたライコネンはスロー走行でピットに戻るが、これでリタイアとなった。ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)も駆動系を壊してリタイアとなる。

キミ・ライコネン(アルファロメオ)
2021年F1第22戦アブダビGP キミ・ライコネン(アルファロメオ)


 30周目にボッタスがピットインしてハードに交換し、角田の前9番手でコースに戻って前のルクレールを追いかけていく。


 首位ハミルトンと2番手フェルスタッペンのギャップは5秒に広がり、ボッタスは34周目のターン6でようやくルクレールのインに飛び込んでパスして8番手に上がった。


 35周目にアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)がハイドロ系トラブルでターン9出口にストップしVSC。これで首位ハミルトンはステイアウトし、2番手フェルスタッペンと3番手ペレスがピットインして新品ハードタイヤに交換し、2ストップ作戦でここから追い上げていく戦略に切り替える。後方ではアロンソとガスリーもここでピットインを済ませて8番手・9番手でコースに戻る。アロンソはターン12で角田のインを突くが止まりきれずコースオフし、角田は次のターン9で抜き返し7番手に戻る。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第22戦アブダビGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)


 37周目のセクター3でVSCが解除され、17秒後方に下がったフェルスタッペンはファステスト連発でギャップを縮めていく。ハミルトンは1周0.7秒差のタイムで走るが、このペースでは最後まで走れないと訴える。しかし両者ともにベストセクターを刻みながら息詰まるタイムバトルを演じ、ギャップはごく僅かずつしか縮まっていかない。44周目あたりからハミルトンはアロンソを先頭とする9番手争いの4台の集団に追い着きタイムロスを喫するが、フェルスタッペンのタイムも低下してギャップは13秒台から大きくは縮まらない。


 ガスリーは42周目のターン6でアロンソのインに飛び込んで8番手へ浮上。ノリスは49周目に左フロントのスローパンクチャーでピットインを強いられ9番手に後退。これで角田は6番手に浮上した。


 残り10周を迎える頃になるとフェルスタッペンのペースはハミルトンと同等になり、打つ手がなくなりハミルトンもペースをコントロールし始める。残り8周でフェルスタッペンは9番手争いの集団に引っかかる。


 しかし53周目のターン14でニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)がクラッシュしてコース上に留まり、セーフティカー導入となる。ここで首位ハミルトンはピットインできないが、レッドブル勢はピットに飛び込んでソフトタイヤに履き替える。角田、ガスリーもここでピットインしてポジションをキープしたまま6番手角田、7番手ガスリーでソフトを履く。

2021年F1第22戦アブダビGP
2021年F1第22戦アブダビGP 53周目にセーフティカー導入


 セーフティカー先導中の55周目、ペレスはピットに戻る指示を受けリタイアすることとなる。これで角田は5番手に上がる。58周目、周回遅れのマシンを整理せずに残り1周でリスタートすることとなった。


 57周目に周回遅れのノリス、アロンソ、オコン、ルクレール、ベッテルを整理して、残り1周でレースは再開。


 フェルスタッペンはターン5でインを突いて前に出る。1本目のバックストレートで大きくウィービングを繰り返しながらハミルトンをトウから外し、2本目のバックストレートでもターン9でアウト側に並びかけるハミルトンを抑えきって首位のままチェッカードフラッグ。これでマックス・フェルスタッペンが2021年のドライバーズチャンピオンとなった。


 ハミルトンは2位でフィニッシュし「操作されたレースだ」と不満を訴える。後方でも1周切りの激しいバトルが繰り広げられ、3位にサインツ、4位に角田、5位ガスリー、6位ボッタス、7位ノリス、8位アロンソ、9位オコン、10位ルクレールという結果になった。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第22戦アブダビGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2021年F1第22戦アブダビGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)

カルロス・サインツJr.(フェラーリ)
2021年F1第22戦アブダビGP カルロス・サインツJr.(フェラーリ)



(Mineoki Yoneya)




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ドライバーズランキング

※中国GP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン110
2位セルジオ・ペレス85
3位シャルル・ルクレール76
4位カルロス・サインツ69
5位ランド・ノリス58
6位オスカー・ピアストリ38
7位ジョージ・ラッセル33
8位フェルナンド・アロンソ31
9位ルイス・ハミルトン19
10位ランス・ストロール9

チームランキング

※中国GP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング195
2位スクーデリア・フェラーリ151
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム96
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム52
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム40
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム7
7位マネーグラム・ハースF1チーム5
8位ウイリアムズ・レーシング0
9位BWTアルピーヌF1チーム0
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

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