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【レースの焦点】“レース脳”と“スキル”が冴え渡ったフェルスタッペン/F1第9戦オーストリアGP

2018年7月3日

 シーズン初のポールポジションを獲得しながら序盤でレースを失ったボッタスは、それでも冷静に、ターン4のクレーンに近い最適な位置までマシンを運んだ。バーチャルセーフティカー(VSC)が表示されたのはトップグループが15周目を走行中のこと。首位ルイス・ハミルトンを除いて大半のマシンがピットに向かったが、メルセデスにとって皮肉だったのは、ボッタスの対応とオフィシャルの迅速な作業のおかげでVSCがとても短時間だったことだ。

 1台を失った直後、ハミルトン1台でレッドブル2台、フェラーリ2台に対抗しなければならないメルセデスでは、他チームの動きを見て判断しようと考えた。ライバルが2台の作戦を分けてくると、ステイアウトしたマシンに前を塞がれてしまうリスクがあったからだ。しかし、VSCはハミルトンが16周目のターン4を抜けたところで終了。メルセデスはタイヤ交換のチャンスを逃し、3番手を走行していたフェルスタッペンが事実上のトップに立った。

 レースを振り返る時、注目すべきは、ほぼ全員がウルトラソフトやスーパーソフトで走行していたこの15周目まで、ブリスターが発生していない点だ。

 ブリスターの問題は、コンパウンドが過熱し、そこに含まれる沸点の低い成分から気化が始まることによって起こる。そしてコンパウンドの過熱は、トレッド面のゴムの“運動量”によって引き起こされる。軟らかいウルトラソフトやスーパーソフトは、摩耗によってトレッドが薄くなり、その運動量が抑えられた結果ブリスターを回避していた。対して、ゴールまでの56周を問題なく走行できるはずのソフトは、摩耗が少ないぶんトレッドゴムの動きが大きく、多くのマシンでブリスターが発生した。

 ダニエル・リカルドは20周目のターン4でキミ・ライコネンをオーバーテイクしたが、見た目の展開とは裏腹に「ソフトに交換した直後から、期待したグリップは感じられなかった」と言う。タイヤはすぐにオーバーヒートしていたのだ。

 同じレッドブルのフェルスタッペンにとって幸運だったのは、15周目のタイヤ交換の後、誰ともバトルをせずきれいな空気のなかで自由にペースコントロールできたこと。その条件のなか、スタート時のスーパーソフトでステイアウトしていたハミルトンを追いかけようとせず、ぴったりペースを合せたのはフェルスタッペンのレース脳。

 タイヤ管理の巧いリカルドがブリスターを抱えたという情報も貴重──。レース終盤の25周、リカルド同様に左リヤのブリスターが始まってからも、フェルスタッペンに焦りはなかった。あえて楽観的な無線のコメントも、対フェラーリの効果は抜群。フェラーリが慎重になれば、彼らの追い上げに屈せずタイヤを巧く労わるだけのスキルには自信があった。

 ブリスターに悩んだリカルドは38周目に、ハミルトンは52周目にソフトを捨ててスーパーソフトに履き替えた。攻めに転じたふたりの1分07秒台のタイムはFP2のペースから考えても無理のあるものではなかったはずだけれど……。54周目にはリカルドがエキゾーストのトラブル、64周目にはハミルトンが燃圧の低下によってレースを離脱した。





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