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【レースの焦点】“レース脳”と“スキル”が冴え渡ったフェルスタッペン/F1第9戦オーストリアGP

2018年7月3日

 フランスGPのパワーユニットに続き、オーストリアでは車体のアップデートによってライバルを引き離したかに見えたメルセデスは、現行ルールが導入されて以来初めて、2台ともがマシントラブルによってレースを終えた──。熾烈なシーズンの戦いは、物理の境界線を霞ませてしまう。

 そんな厳しい条件の下、あらためて証明されたのが“暑さに強いフェラーリ”という事実。タイヤにブリスターを起こさないというだけではなく、暑い天候コンディションのなかでも多くの熱対策を必要とせず、性能を保てるマシンは15年以来フェラーリが守っている大きな長所だ。

XPB Images

 スタート直後、出足の鈍いメルセデス2台の真ん中に分け入ったライコネンは、ターン3に向かうストレートでハミルトンのスリップストリームを活かし、アウトからオーバーテイクを試みた──。結果はオーバーシュート。ランオフエリアで埃を拾ってボッタス、フェルスタッペンにかわされてしまったものの、無駄を嫌うキミがここまで攻撃に出たのは、そこに十分な可能性が見えていたからに違いない。

 6番手スタートからポジションを落としたセバスチャン・ベッテルも、39周目のターン3ではハミルトンをかわしてライコネンに続いた。ソフトを履いた第2スティント後半、ブリスターとは無縁のきれいなタイヤで徐々にフェルスタッペンとの間隔を詰めていったふたりは終盤の20周を1分07秒台のペースで走行し、ライコネンは最終ラップで1分06秒957のファステストラップを記録した。

 トップ3チームの6台のうち、3台がリタイアしたことによって熾烈になった中団チームのポイント奪取戦もオーストリアGPの大切な要素。週末を通して驚くほど好調だったハースは、ブリスターを抱えながらも踏ん張り、4-5位という最高の結果を手に入れ、9戦目にして開幕戦の雪辱を果たした。

XPB Images

 そんなハースに負けてはいられないフォース・インディアは、彼らを攻略すべくエステバン・オコンとセルジオ・ペレスのポジションを交替。第2スティントの短いペレスを前に出してケビン・マグヌッセンへの攻撃を仕掛けた。

 同様の作戦を採ったのは15年中国GP以来のダブル入賞を飾ったザウバー。リバースストラテジーで後半にスーパーソフトを履いていたマーカス・エリクソンがシャルル・ルクレールと交替し、8番手フェルナンド・アロンソ攻略に向かった。

 いずれのケースとも、ハース攻略、アロンソ攻略は成らず、最終ラップでポジションを元に戻したものの、一途に攻撃するスピリットがレースの物語として清々しく美しい。

Sutton Images

 そして──ピットスタートから8位入賞を果たしたアロンソのレースはマジックそのもの。大半のライバルと同じ作戦を採りながら、派手なアクションを披露することもなく、タイヤを完璧に管理してひとつずつポジションを上げてきた。“完走すれば必ずポイントを獲る”ドライバーはチームの柱。不調のマクラーレンにとって、その存在はあまりにも大きい。

 ワールドカップ一色の世界の“片隅”で、ロシアには行けなかったオランダのオレンジ色がサーキットを染めた。勝利を比較することは難しいけれど、間違いなく、フェルスタッペンにとってこれまでで最も喜びの大きな勝利。成熟したレース運びとは対照的に、チェッカーを受けた直後の無線では、子供に戻った無邪気な声に抑え切れない歓喜が溢れ出た。

RedBull

(Masako Imamiya)





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ドライバーズランキング

※マイアミGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン136
2位セルジオ・ペレス103
3位シャルル・ルクレール98
4位ランド・ノリス83
5位カルロス・サインツ83
6位オスカー・ピアストリ41
7位ジョージ・ラッセル37
8位フェルナンド・アロンソ33
9位ルイス・ハミルトン27
10位角田裕毅14

チームランキング

※マイアミGP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング239
2位スクーデリア・フェラーリ187
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム124
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム64
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム42
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム19
7位マネーグラム・ハースF1チーム7
8位BWTアルピーヌF1チーム1
9位ウイリアムズ・レーシング0
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

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