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【角田裕毅F1第21戦密着】周回遅れでも規則により同一周回に戻れず。再開後は全車の青旗を受ける状況にチームも不満

2022年11月14日

 F1第21戦ブラジルGPの日曜日、アルファタウリは角田裕毅のパーツを交換した。交換したのは、フロアとフロントウイング、リヤウイングだった。現在のF1マシンはフロアと前後のウイングでダウンフォースを発生させている。金曜日からグリップ不足に悩まされていた角田は15番手に終わったスプリントの後、チームと相談して交換を決断した。


 チームによれば、「ユウキは週末を通してマシンに満足していなかった。後方からのスタートとなるので、レースでチャンスを与えるためにピットレーンからのスタートを覚悟したうえで、最良の選択を行った」という。


 レースはスタート直後からアクシデントが多発。1周目にケビン・マグヌッセン(ハース)にダニエル・リカルド(マクラーレン)が追突し、その直後に再び接触して2台ともリタイアしたため、ピットレーンからスタートした角田は、1周目のコントロールラインを18番手で通過した。


 4周目に前を走るアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)がピットインして17番手に上がり、7周目に接触事故を起こしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)がピットインして15番手に浮上。12周目にはニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)を抜いて14番手となるが、ここからペースが上がらない。13周目にはピットインして追い上げてきたアルボンに抜かれ、15番手に後退する。

角田裕毅(アルファタウリ)
2022年F1第21戦ブラジルGP ウイリアムズ勢の前を走る角田裕毅(アルファタウリ)


「思い切って空力パーツを変えたおかげで、クルマのフィーリングは少しよくなりましたが、依然としてグリップ不足に悩まされ、思ったほどペースが上がりませんでした」と言う角田は、41周目からは周回遅れになってしまう。


 それでも、レース終盤にセーフティカーが導入されたタイミングでタイヤを交換して、再開後のチャンスに賭けた。しかし、ここで予期せぬトラブルに見舞われてしまう。


 通常であれば、セーフティカーランが解除されるまでに、周回遅れのマシンは同一周回に戻されるが、角田を含め3台いた周回遅れのマシンで角田だけ同一周回に戻されないまま、レースが再開された。


 アルファタウリのチーフレースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズも「理由がわからないまま、同一周回に戻ることができないままレースが再開され、再スタート後、再び全員からブルーフラッグを受けた」とレース運営に不満を漏らした。


 その後、国際自動車連盟(FIA)は次のように状況を説明した。


 角田がピットインしたのはトップを走るジョージ・ラッセル(メルセデス)が54周目のときで、角田は周回遅れだった。すでにセーフティカーラン中で、前にはセーフティカーとトップのラッセルの2台しかいない状況だった。


 第1セーフティカーラインを過ぎた直後にピットロードに向かった角田は、速度規制があるピットレーンの入口まで全開で飛ばした。そして、54周目のコントロールライン通過時にはラッセルの前を走行するという珍しい現象が生まれた。


 その結果、コントロールシステムは角田を同一周回のマシンとみなすことになった。


 しかし、ピットストップの間に角田は再び周回遅れになる。ところが国際自動車連盟(FIA)の規則では、セーフティーカラン中に一度、同一周回に戻ったドライバーは、セーフティカー解除までに同一周回に戻ることができるクルマには含まれないことになっていたため、レースコントロールがF1タイミングに確認したところ、6号車(ラティフィ)と23号車(アルボン)のみが同一周回に戻ることができるクルマだと認識したのだった。


「これは非常に珍しいシナリオだが、システムや手続き上のミスはなかった。予測不可能なシナリオのひとつであり、すぐに実施しなければならない変更はない。もちろん、今後のスポーツ諮問委員会では、通常の審査手続きの一環として議論されることになる」(FIAより)

角田裕毅(アルファタウリ)
2022年F1第21戦ブラジルGP 角田裕毅(アルファタウリ)


 確かにFIAが言うように、これは非常に珍しいシナリオだが、周回遅れだった角田がピットインすれば、周回遅れのままでコースに復帰することはタイミングモニターを見なくともわかるはず。しかも、再スタートまでに十分時間があったことを考えれば、予測不可能なシナリオだったとしても対応はできたはずだ。


 角田が同一周回に戻って再スタートを切っていたとしても、ポイント争いには絡まなかったかもしれない。しかし、レースは順位に関係なく、コースにいる者が全員で競うスポーツ。そこにさまざまなバトルが発生し、ドラマが生まれる。今後開かれるであろうスポーツ諮問委員会でしっかりと議論してもらいたい。



(Masahiro Owari)




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