最新記事
- フェルスタッペン、スプリント予選6番手で悲...
- 角田裕毅、FP1で5番手もスプリント予選はQ1敗...
- 【タイム結果】2024年F1第23戦カタールGPスプ...
- 【タイム結果】2024年F1第23戦カタールGPフリ...
- F1カタールGP FP1:ルクレールが首位発進、選...
- F1コラム:辞任と解雇が相次ぐFIAの危機的状...
- 戦況が変わり「タイトルが手からこぼれていく...
- F1第23戦木曜会見:戦略をめぐる僚友との問題...
- シューマッハー後任候補のボッタス、メルセデ...
- FIA幹部の離脱が続き、F1レースディレクター...
- メルセデスのリザーブを務めたミック・シュー...
- グランプリのうわさ話:ボッタスのレッドブル...
GP topic:トップグループと戦ったバトンが、あらためて口にした「ありがとう」
2016年7月6日
F1オーストリアGPで今シーズン自己ベストの6位でフィニッシュしたジェンソン・バトン。レース後にエンジニアとのブリーフィングを終えると「ちょっと、ひとこと、みんなに言いたいことがある」と、あらたまったという。
「この週末を通して、クルマのセッティングもパワーユニットも、とても良かった。あらためて、スタッフのみんなに感謝したい。本当にありがとう」
それを聞いていた長谷川祐介ホンダF1総責任者は、次のように語る。
「もちろん私は第3期もジェンソンと仕事をしていたので、彼から感謝の言葉を聞くのは初めてではありません。でも今年、私がF1に復帰してから、彼からそのような言葉を聞いたのは初めてでした」
それほどオーストリアGPでのレース内容に、バトンは満足していたのだろう。
バトンは昨年9月にF1を引退するかどうか悩むほど、マクラーレン・ホンダの惨状を嘆いていた。
「勝利を争っていないレースを楽しめるドライバーなんて、いないと思うよ。僕は14位でフィニッシュしたくはないし、10位だって不満だ。達成感が得られなければ、ここにいる意味はない」と当時のバトンは発言した。
すでにチャンピオンを手にしているバトンにとって、F1は、ただ運転するだけでは満足できない世界となっている。結果だけが欲しいのではない。たとえ下位でフィニッシュしても、可能性が感じられたり、喜びを取り戻せる何かを見出すことができればモチベーションを保つことはできる。しかし昨年のマクラーレン・ホンダには、それがなかった。
「自分で決めるしかない」
バトンが下した決断は、マクラーレン・ホンダでの現役続行である。バトンはチームを、ホンダを信じて、もう一年、茨の道になるかもしれない道を選んだのである。そのような思いをして、たどりついた予選5位。セバスチャン・ベッテルとニコ・ロズベルグの5番手降格ペナルティによって3番手に繰り上がったグリッドでスタートの瞬間を待つバトンの心に、特別な思いがこみあげていたとしても不思議ではない。
オーストリアGPのバトンが、いつもと違ったのはレース序盤の走りにも現れていた。予選後、長谷川総責任者は、メルセデス、フェラーリ、レッドブルというトップ3チームとの直接対決については現実的なコメントを発していた。
「レースでは早々に前へ行かれてしまうと思います。あまり頑張りすぎて、5周でタイヤが終わってしまわないように注意したい。そして、本来のライバルであるフォース・インディアやトロロッソとの戦いに備えたい」
しかし、バトンはスタートでフォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグをかわして2番手に浮上すると、7周目に逆転を許すまでフェラーリのキミ・ライコネンを抑えたのである。この粘りによって、4番手に下がったヒュルケンベルグはアンダーカットを狙うため、8周目にピットインすることとなった。バトンの序盤の走りが、フォース・インディアだけでなく、ウイリアムズやトロロッソを上回るレースができた最大の要因だった。
さらに終盤、レッドブルのダニエル・リカルドとの5位争いにも、バトンのモチベーションの高さを感じた。そもそもバトンがリカルドの前を走行していたのは、ライコネンにオーバーテイクされたリカルドのタイヤを交換するため、レッドブルが安全策を採って60周目にピットインさせたからである。ウルトラソフトの新品タイヤに履き替えたリカルドと、26周目に交換したソフトタイヤでチェッカーを目指すバトン。残り11周で両者の差が2秒しかないことを考えれば、バトンがリカルドに逆転されるのは時間の問題だった。
しかし、バトンはリカルドに背後に迫られても、ポジションを簡単には明け渡さなかった。それは昨年9月に語っていたように、リカルドとのバトルに可能性を感じ、喜びを取り戻す何かを見出していたからではないだろうか。
リカルドとのバトルは、チームから「もう、無理するな」という無線が入るまで続いた。それほどまでにバトンはトップグループでのバトルに飢え、久しぶりに思いっきり楽しんだ。
もちろん、そのことをチームメイトのフェルナンド・アロンソが感じていないはずがない。戦いの手ごたえを思い出したマクラーレン・ホンダのイギリスGPが楽しみだ。
(Text : Masahiro Owari)
関連ニュース
1位 | マックス・フェルスタッペン | 403 |
2位 | ランド・ノリス | 340 |
3位 | シャルル・ルクレール | 319 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 268 |
5位 | カルロス・サインツ | 259 |
6位 | ジョージ・ラッセル | 217 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 208 |
8位 | セルジオ・ペレス | 152 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 63 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 35 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 608 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 584 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 555 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 425 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 50 |
7位 | BWTアルピーヌF1チーム | 49 |
8位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 46 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 17 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |
第23戦 | カタールGP | 12/1 |