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前戦の遺恨が再燃。クビアトの言いぶん、ベッテルの反応と“被害者”の声

2016年5月2日

 前戦のF1中国GPでは、スタート直後の1コーナーでの争いが火種となり、レース後に口論となったセバスチャン・ベッテルとダニール・クビアト。そのふたりがロシアGPで接触、ベッテルのリタイアを引き起こした。


 クビアトは、スタート直後のターン2のブレーキングでタイヤをロックさせてベッテルに追突。そのはずみでベッテルはダニエル・リカルドのマシンに左リヤタイヤをヒットさせてしまう。3台はそのまま走り続けたが、ターン3でクビアトが再びベッテルに追突して、ベッテルはウォールの餌食となってしまった。


 接触直後、ベッテルはチームラジオで怒りの言葉を発したが、ピットに戻ってから対応したインタビューでは冷静さを取り戻していた。


「レースは長いんだ。もちろん1周目で順位を上げるチャンスはあるけど、その場で終わってしまうこともある」


「明らかに自分のミスではなかったよね」


「彼(クビアト)を嫌うことはないけど、2週間前にもミスを犯した。そして今日もミスをした。何も変わっていないね」


 ベッテルは自らスクーターを運転してピットまで戻り、リプレイ映像を確認。その後レッドブルのピットウォールまで出向き、代表のクリスチャン・ホーナーと言葉をかわしている。


 ベッテルは「僕より多く映像を見ているだろうけど」とインタビュアーに述べたうえで「後ろから、ぶつけられたのは明らかだ。ターン2でスピンしなかったのはラッキーだったけど、ターン3でまたヒットされてウォールにぶつかってしまった」


「もし僕が誰かと会話する必要があるのなら、それは彼(クビアト)だ」


 なお、クビアトには10秒ストップ&ゴーのペナルティを受けたが、さらに累積で出場停止につながるペナルティポイント「3」が科された。


 クビアトは今回の一件によりF1関係者から非難を受けることを覚悟しているようだ。しかし、クラッシュは避けられなかったと主張している。


「リヤタイヤをロックさせてしまった。決してブレーキのタイミングが遅れてしまったわけではないんだ」とクビアトは話す。


「セバスチャン(ベッテル)のクルマに接触してしまったけど、ターン2では、ひどい状況にはならなかった。ペナルティはターン3での接触に対してだと思う。残念に思うよ」


「ターン3はハイスピードコーナーだから、スピードも乗っていた。前でブレーキを踏まれると、すぐ反応できなくなってしまうときがあるものだ。まさに今回その状態で、セバスチャンのブレーキに反応する時間がなかった」


「彼には何が起きたのか話すつもりだよ。すでにターン2の接触でトラブルが起きていたのかもしれない。だからターン3でブレーキを踏む必要があったのか、それとも他に何かあったのか……」


「150km/hで走行中、前方のマシンから、わずか1メートル後方に迫っていれば、突然ブレーキを踏まれたあと反応することはできない。10秒ストップペナルティを受けたけど、僕のレースと彼のレースには何の助けにもならなかったね」


「すべては僕が引き起こしたクラッシュだ。1周目では時々起こり得ることだけど、いいことではないね。ここから学んで、次は起こさないようにしたい。とにかく事情を話すことが、いま自分にできることだ。みんな僕のことを非難するだろうけど、きちんと話をまとめるつもりだよ」


 そして、ベッテルとクビアトのクラッシュに巻き込まれるかたちとなった、レッドブルのチームメイトであるリカルドは、マシンにダメージを受けてしまい、結局11位に終わった。


「マシンを見たけど、サイドポンツーン全体とフロアに損傷があった。残念な結果だよ」とリカルド。


 チームはリカルドのマシンをピットで修復したあと、レース終了までミディアムタイヤで走り切ることを期待していたが、結果的にはソフトタイヤに変えるしかなかった。


 リカルドは「マシンが大きなダメージを受けて滑りやすくなっていたから、タイヤ性能も活かしきれなかった。ソフトタイヤに変えて多少は改善したけど、すべてが1周目で決まったよ」と残念そうに語った。



(Translation:Yuki Takayama)

この記事は国内独占契約により英 AUTOSPORT.com 提供の情報をもとに作成しています


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