2016年シーズンから無線内容の禁止事項が厳しくなり、だいぶ口数が少なくなったオーストラリアGP。しかし、スタートから逆転があったり、なかなか前を抜けないチャンピオンがボヤいたり、その王者を抑えたマックス・フェルスタッペンが終盤とても荒ぶったりと、無線交信の面でも聞きどころたっぷりの展開となりました。
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<LAP0>
ジョリオン・パーマー←(チームからドライバーへ)「(スタート中断で)エクストラ・フォーメーションラップだ」
→(ドライバーからチームへ)「了解」
<LAP1>
ケビン・マグヌッセン→「パンクした!」
←「わかった、この周ピットインしろ」
<LAP2>
エステバン・グティエレス→「エンジンに何か問題がある」
←「ストレートでプッシュし続けてくれ」
→「OK、きちんと動くようになったよ」
セバスチャン・ベッテル←「すばらしいスタートだ。しかし地に足を付けていけ」
<LAP10>
ルイス・ハミルトン→「前のクルマ(マックス・フェルスタッペン)を抜くことができないよ!」
<LAP12>
ルイス・ハミルトン→「別の戦略が必要だ、こんなところでスタックしてるわけにはいかない。抜けないよ!」
←「わかったよ、ルイス。このタイヤで長く引っ張って別の戦略にスイッチする。計算中だ」
<LAP14>
キミ・ライコネン→「カモン! ピットインさせてくれ!! もうフロントがタレてしまっている」
<LAP18>
ニコ・ロズベルグ←「赤旗だ。ピットレーンに入って整列してくれ」
エステバン・グティエレス←「大丈夫か?」
→「ああ、僕は大丈夫。フェルナンドは大丈夫?」
←「彼は大丈夫だ」
<LAP20>
ルイス・ハミルトン→「どうやってアラームをオフにすればいい?」
←「(規則で)伝えることはできないよ」
<LAP22>
キミ・ライコネン→「何かがおかしい、何かが壊れたようだ」
←「わかった、ゆっくりと安全にピットインしてくれ」
<LAP30>
カルロス・サインツJr.→「みんな、ピットインが必要だ!」
<LAP33>
マックス・フェルスタッペン→「何回タイヤに苦しんでいるって言った? 僕のほうが先にピットインしたかったんだ! クソッ!」
<LAP38>
マックス・フェルスタッペン→「抜いても良いか?」
←「イエス」
→「トライさせてくれ。(サインツJr.は抜くのに)時間がかかりすぎている」
←「イエス、やってみろ」
<LAP39>
マックス・フェルスタッペン→「頼む、僕らは何かする必要がある!」
<LAP40>
カルロス・サインツJr.←「カルロス、プッシュしろ」
→「僕はプッシュしてるんだ、そんなこと言わないでくれ」
←「わかった、じゃなきゃ次の周に順位をスワップするぞ」
<LAP47>
マックス・フェルスタッペン→「前はどんどん逃げていくのに、どうして行かせてくれないんだ? なんてクソッタレなジョークだ?」
<LAP48>
セルジオ・ペレス←「チェコ、いまはプッシュするな。右フロントブレーキの摩耗が危機的な状況だ。このままでは最後まで走り切れない」
<LAP55>
セバスチャン・ベッテル→「(コースオフして)クソッ! みんな、ごめん」
←「問題ない、残り2周だよ」
<チェッカー>
ニコ・ロズベルグ←「イエス! よくやった、すばらしいレースだった!」
→「すばらしかったよ、最高のシーズン開幕になった。みんな、ありがとう」
ロマン・グロージャン←「チェッカーだ、ロマン。6位だ!」
→「聞いてくれ、みんな! 僕らにとって、これは優勝みたいなものだ! 信じられないよ!」
セバスチャン・ベッテル→「あ〜〜〜ッ!」
←「セバスチャン、3位だ」
→「みんな、ごめん。(ハミルトンに)追いつけたのに、くっついて走ったら、かなりスライドするからタイヤをセーブしなければならなくて追い抜けなかった」
(米家峰起/Text:Mineoki Yoneya)