英国オートスポーツの報道によると、失敗に終わった「時限ノックアウト方式」の新予選システムをバーレーンGP前に変更できるか否かを議論するため、日曜日の午前中にチーム代表らがミーティングを開くことになったという。
オーストラリアGPの土曜日、変更された新たな予選方式が初施行されたものの、時間とタイヤの不足によって「90秒ごとのノックアウト」時間中にアタックするドライバーがいなくなり、コース上にマシンが走らない状態が長く続いていた。
チーム上層部陣のなかで、メルセデス・モータースポーツのトト・ウォルフは、フォーマットを直ちに見なおすべきとの声をあげた。2週間後に開催されるバーレーンGPまでに変更できるかと聞かれ、「可能性はあるし、それが目標であるべきだ」と答えている。幾人かによる簡易的な議論ではQ3を以前の形で行い、Q1とQ2のみを「時限ノックアウト」で戦うスタイルが妥協案として提案されたが採用には至っていない。ウォルフは、最も現実的な解決策はすべてを2006〜2015年までの方式に戻すことだと主張し、以下のように発言している。
「無難な選択は以前の方式に戻すことだ。レギュレーションにも書かれている。異なるフォーマットを採用する際には、それがどういったものになるかを注意深く考えなければならない」
新たな変更のためにはチームの満場一致が得られ、さらにF1コミッション及びFIA世界モータースポーツ評議会での承認が必要となる。これは迅速に行えるとウォルフは考えている。
「全チームが会合を行なって同じ意見であると言うならば、案が通過する可能性はかなり高い。新予選方式に手を挙げるものがいるとは思えない」
F1の商業権を握るバーニー・エクレストンは新たなフォーマットが「かなりひどい光景だ」と英国オートスポーツにコメントし、バーレーンGPまでに変更しない理由はないと言う。しかしエクレストンはより抜本的な改革を望んでおり、前戦の結果によって予選にペナルティタイムを課し、次戦では前レースの優勝者が下位からの追い上げを見せる形を提案している。エクレストンの案にメリットを認めつつも、これがF1にとって正しい動きであるかという点で、ウォルフは疑問を抱いている。
「彼が何をやりたがっているかは完璧に理解している。最速ドライバーが9位や10位からスタートし、レースをより心躍るものにしたいということだ。商業権を持つプロモーターとして、エクレストンの考えは理にかなっていると思う。純粋にスポーツとして見た場合、その哲学を認めてしまうのは正しくないかもしれない」
チャンピオンチームのトップであるウォルフは、現状の新予選にまつわる一連の騒動はF1にとってすでに「恥ずかしいエピソード」になっていると述べている。
「我々は何百万人もが見守る世界的なスポーツをしている。気まぐれにルール変更を行うようなことがあってはならない。今重要なのは、安定性とシンプルさを保つことだ」
(Translation:Akane Kofuji)