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【GPメソッド】メルセデスを脅かすカナダの罠

2014年6月5日

XPB Images
 セントローレンス河に浮かぶ緑豊かな公園。時おり顔をのぞかせるマーモットやリスなどの小動物──のどかな背景のなかで開催されるカナダGPは、F1関係者の間でも人気の高いグランプリだった。フレンドリーで熱心なファンが多いこと、かつては数少ないフライアウェイのひとつとして“海外旅行気分”を味わえたことや、モントリオールという都会ではナイトクラブやバーが豊富なことも人気の理由。F1チームのファクトリーはヨーロッパでも都会から離れた静かな場所にあるため、ビルが建ち並ぶ街に夜中まで人が溢れている様子はメカニックたちにも新鮮なのだ。

 しかし最近では、そんな人気も薄らいできている。最大の理由はフライアウェイの数が大幅に増えたことで、今ではヨーロッパのグランプリ数を上回る──長距離移動は珍しくなく、誰にとっても身体的な負担が大きい。現場チームの人員が削減されたことによって作業も苛酷になり、都会の夜を楽しむ機会もずっと少なくなった。

 加えて、グランプリによってモントリオールの街が賑わい大きな収益をもたらしても、サーキットには還元されない──何年か前まではパドックの衛生施設が清潔とは言えず、ドライバーがトイレに行くにも困るような状態だった。メルボルンやモナコと異なって、ここではパーマネントサーキットでないことによる不便がなかなか解消されず、ストレスを生む。

 カナダGPの好イメージを支えているのは、ドライバー全員に声援を送るファンの存在と、オーバーテイクが可能だという事実だ。


 公園の“市街地コース”は、エスケープがなくウォールが迫った区間が大半。モナコよりはるかに高速であるため、クラッシュするとダメージも大きい。また、冬にはセントローレンス河が凍るほど寒くなる土地で舗装の傷みが激しく、軟らかいタイヤが投入されることによって走行ライン以外にはマーブルや小石が散乱する。同時に、フルコースコーションにならないとコースオフィシャルの作業が行われないという北米の特徴もある。これらの要素が合わさってセーフティカー出動の可能性が高い──2013年のようにクリーンなレースもあるが、クラッシュが繰り返されるケースも多く、1レース中のセーフティカー出動が6回という記録を持っているコースでもある。

 セーフティカーの可能性を予知することはできないが、事故が起こった際にはセーフティカー先導の周回数を予想するのもレース作戦の大切な要素。オーバーテイクが可能なコースでは摩耗したタイヤで後続を抑え続けることもできないため、臨機応変にピットインのタイミングを選ぶチームの決断がレースを左右する。

 ストップ&ゴーのコースではストレート速度を伸ばしたい反面、ブレーキング時の安定性とコーナー立ち上がりのトラクションを得るためにダウンフォースも必要で、そのバランスを見出すことがセットアップ作業の中心になる。ただし低速からの加速が多いレイアウトは燃料消費が大きいため、これまでのカナダGPよりもドラッグを低減し、ストレート速度を伸ばす傾向が強まるはず──ニコ・ロズベルグは「カナダには今シーズン初めて“スペシャル・ローダウンフォース・パッケージ”が投入される。新世代のハイブリッドカーで走ると、僕らは絶対的な最高速に到達するだろう」とコメントしている。




レース

7/5(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
7/6(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
7/7(日) 決勝 23:00〜


ドライバーズランキング

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1位マックス・フェルスタッペン237
2位ランド・ノリス156
3位シャルル・ルクレール150
4位カルロス・サインツ135
5位セルジオ・ペレス118
6位オスカー・ピアストリ112
7位ジョージ・ラッセル111
8位ルイス・ハミルトン85
9位フェルナンド・アロンソ41
10位角田裕毅19

チームランキング

※オーストリアGP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング355
2位スクーデリア・フェラーリ291
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム268
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム196
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム58
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム30
7位マネーグラム・ハースF1チーム19
8位BWTアルピーヌF1チーム9
9位ウイリアムズ・レーシング2
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

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