F速分析:メルセデスの弱点発見?
2014年5月26日
メルセデスAMGが開幕6連勝、5戦連続1-2フィニッシュを決めたモナコGP。ここでも、ニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンが強さと速さを見せつけました。
確かにメルセデス独走のレースでしたが、ふたりは常に接近戦を繰り広げてくれたため、途中目が離せない、素晴らしいレースとなりました。25周目にセーフティカーが入り、各車がタイヤ交換(多くのマシンがスーパーソフトからソフトへと交換)をしてもその状況は変わらず、メルセデスのリードがどんどん開いていきます。
がしかし、状況が変わったのは55周目あたりです。この頃からコース上で最速のマシンはメルセデスではなく、レッドブルのダニエル・リカルドに取って変わりました。メルセデスは突如としてペースダウン。42周目頃にロズベルグは燃費に問題を抱え、ハミルトンも左目にゴミが入ったということで、65周目頃から大きくペースダウン。10秒あったリカルドとの差がどんどん減少し、73周目にはその差が0.5秒となっています。ただ、レッドブルはオーバーテイクに欠かせない“トップスピード”という武器がメルセデスに比べて劣っているため、順位が逆転することはありませんでした。
メルセデスのペースはスティント序盤は圧倒的に速いものの、徐々にペースダウン……これは燃費や身体的トラブルももちろん影響したでしょうが、メルセデスのマシンがタイヤに厳しいということも言えそうです。ほとんどデグラデーションが無いと言われた今回のタイヤで、これほどまでペースに影響するとは……無敵と思われたメルセデスの、弱点がひとつ浮き彫りになったとも言えそうです。
一方のレッドブルは走れば走るほどにペースがアップ。ファステストラップこそ最終盤に新しいタイヤに履き替えたキミ・ライコネン(フェラーリ)に奪われたものの、ほとんどデグラデーションがなかったようです。一発のラップタイムではまだまだメルセデスの2台に大きく遅れを取っているため、逆転には至りませんでしたが……それでも今後に向けた一筋の光明とも言えそうです。
後方に目を転じてみると、他とは異なるタイヤの使い方で、入賞を果たしたドライバーがいたので、ちょっと検証してみましょう。ひとりはウイリアムズのフェリペ・マッサ、もうひとりはフォースインディアのニコ・ヒュルケンベルグです。
マッサはスタート時に履いたスーパーソフトタイヤで、なんとレース距離の半分以上となる44周目まで走破してしました。しかも、デグラデーションの影響をあまり感じさせず、早々にタイヤを交換したフォースインディアやマクラーレンなどと互角に張り合うペースで走行しました。この作戦は、一見奇をてらったもののように見えますが、実際のラップタイムを検証すると、最終スティントではパフォーマンス的も上位の力を持つフェラーリ等と同様のペースを実現しており、理に適った作戦だったと言うこともできそうです。
ヒュルケンベルグの戦略も、他とは異なるものでした。多くのマシンがスーパーソフトタイヤでスタートする中、彼はソフトタイヤでのスタートを選択。最初のスティントを、タイムが出ないはずのソフトタイヤで、スーパーソフト勢と同様のペースで走行しました。この選択は悪くなかったと思います。ただ、他のドライバーたちと同じタイミングでタイヤを交換し、残り48周をスーパーソフトで走り切ろうとしましたが、デグラデーションの影響か、ペースがみるみる下落してしまったのです。
多くのライバルたちのリタイアと、抜けないモナコの特性がヒュルケンベルグに味方して5位の結果を獲ましたが、レース最終版にはコース上でもっとも遅い部類のクルマになってしまうこともあり、“作戦が成功した”とは言えそうもありません。
関連ニュース
9/20(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
9/21(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
9/22(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 331 |
2位 | ランド・ノリス | 279 |
3位 | シャルル・ルクレール | 245 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 237 |
5位 | カルロス・サインツ | 190 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 174 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 155 |
8位 | セルジオ・ペレス | 144 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 62 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 24 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 516 |
2位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 475 |
3位 | スクーデリア・フェラーリ | 441 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 329 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 86 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 34 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 31 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 16 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 13 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第18戦 | シンガポールGP | 9/22 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |