マリオ・タイセンは、BMWザウバーのデビュー戦となる今週末のバーレーンGPの結果を予測することを避け、「奇跡が起こるとは思っていない」と慎重な発言をしている。しかし、訪れたチャンスは最大限に生かして、進歩していこうとの考えだ。
この冬の間に、BMWを含め多くのチームに大きな変化があった。そのため開幕戦となるバーレーンGPは近年になく予想が困難となっている。だがタイセンは、BMWザウバーとしてエンジンサプライヤーからフルワークスになったチームは強くなっているだろうと理解している。また、ザウバーF1.06の果たした進歩に満足はしているものの、ニック・ハイドフェルドやジャック・ビルヌーブが奇跡を起こすだろうとは考えていない。
「集中的に行った冬季テストのプログラムを経て、我々のドライバーは新車に満足してくれているようだ」とタイセン。
「エンジニアたちもまた、昨年と比べて大幅な向上に納得している。開発というこのステージにおいてはとりあえずは良好な結果というところだ」
「ここまでの状況を見れば、まだどうなるかは分からないが、レーストラックでも同様にいい結果を得られそうな感じではある。だが、そう簡単に奇跡が起こるとは思っていない。我々は可能性を最大限に発揮することを望むだけであり、段階を踏んで前進したいと思っているだけだ」
「まず、新生BMWザウバーF1チームを立ち上げた。そこから8カ月が過ぎた。この短い期間に我々は非常に効率よく作業をこなしてきた。ミュンヘンとヒンウィルの工場を一体化し、現在も進行中の拡張プロジェクトを進め、ドライバーと契約し、強力なパートナーやスポンサーを見つけて、暫定車両を作成し、走行テストを行った。そうしてついにBMWザウバーF1.06の完成に至ったのだ」
冬季テストを通じて1万kmにも及ぶテストを達成、F1.06と新型V8エンジンのパッケージは、もっとも信頼性の高い車両のひとつであることが証明された。もっとも最速の1台というわけではないが。
だが今年の序盤のレース、特にバーレーンのようにエンジンが酷使されるサーキットにおいては、スピードよりも耐久性がしばしば重要となってくる。そのためタイセンは、チームのドライバーが優位に立てるかもしれないと思っている。
「テクニカル面でのレギュレーション変更においては、V10エンジンからV8へと変わったことがもっとも大きな変化といえる」とタイセン。
「他のエンジンマニュファクチャラー同様、我々も開幕からシーズンを通してエンジンには注意していくことになるだろう。特に序盤のレースでは信頼性はきわめて重要な役割を果たすこととなるだろう」