F1速報

  • 会員登録
  • ログイン

F1アメリカGP技術解説(2)頂点に立ちかけたメルセデスが導入した新フロア

2023年10月27日

 F1アメリカGPで、ルイス・ハミルトンとメルセデスは、マックス・フェルスタッペンとレッドブルに、今までになく僅差まで迫った。F1i.comの技術分野担当ニコラス・カルペンティエルが、メルセデスが持ち込んだアップグレード版フロアについて分析、細部の画像も紹介する。


─────────────

2023年F1第19戦アメリカGP メルセデスW14のアップデート
2023年F1第19戦アメリカGP メルセデスW14のアップデート


 今シーズンのメルセデスが、レッドブルより高い車高で走っているのは明らかな事実だ。特に今季序盤は、その傾向が甚だしかった。しかしその後アップデートを重ね、特にモナコで導入された新たな仕様は、レッドブルの空力コンセプトにかなり寄せたもので、その結果、メルセデスW14の車高もかなり下げられるようになっていった。


 そしてアメリカGPで導入された新たなフロアのおかげでさらに車高は下がり、特に高速コーナーでのパフォーマンスを向上させた。とはいえラップタイム自体は、顕著に向上したわけではない(せいぜいコンマ1秒程度のゲインか)。


 重要なのはむしろ、来季マシンW15に向けて、ブラックリーのエンジニアたちが正しい方向で作業していることを確認することだった。そして彼らはこの点に関して、かなり大きな手応えを感じたようだ。そしてもうひとつのポイントは、ドライバーが自信を持って攻めていけることだ。こちらはジョージ・ラッセルよりも、ルイス・ハミルトンに好影響を与えているように見える。


 上の新旧比較画像でわかるように、フロアエッジは大きな形状変更を受けており、丸みを帯びたエッジは垂直ではなく水平になっており(黄色の矢印と赤の線参照)、さらに下の黄色い線と矢印を見比べて分かるように、ふたつのベンチュリ・トンネルの入り口の上部も高くなっている。この領域でのダウンフォースをより分散させるのが目的で、ハミルトンはマシンの反応がより予測しやすくなったと感じたとコメントしている。

2023年F1第19戦アメリカGP メルセデスW14のアップデート
2023年F1第19戦アメリカGP メルセデスW14のアップデート


 メルセデスがアメリカで設定したかなり低い車高で、ハミルトンはフェルスタッペンを激しく追走した。その結果、フロアに取り付けられたスキッドが、技術規則第3条5.9で認められている限界を超えて摩耗してしまった。


 レース後にFIAが検査した4台のうち、ハミルトンのW14とシャルル・ルクレールのSF-23は不適合とされた。一方で、フェルスタッペンのレッドブルRB19とランド・ノリスのマクラーレンMCL60は問題なくテストを通過した。


 メルセデスとフェラーリのアメリカGPでの高いパフォーマンスが、低すぎた車高のおかげだったかどうかは不明だ。一方でレース後の車検は、項目によっては全20台に対して行われないとはいえ、万一不正が発覚した場合のダメージが大きすぎるため、彼らが故意に違反を犯したとは考えにくい。スプリントフォーマットではフリー走行は1回のみで、走行不足がエンジニアたちを混乱させたのは間違いない。

2023年F1第19戦アメリカGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)


「パルクフェルメの前に1時間しか走行時間がないのが、スプリント方式の落とし穴だ」とメルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショブリンは弁明する。


「FP1でレース用の重い燃量を積んで走らなかったこと、バンピーな路面などが、我々の予想以上に摩耗を大きくする要因となった」


 確かにそうかもしれない。しかし車検を受けた他のチーム、例えばマクラーレンやレッドブルは、より慎重なアプローチでこの週末に臨んでいた。では完走した車両のうち、車検を受けなかった他の11台は違反していなかったのか。それは永遠にわからない謎である。



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)


レース

12/6(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
12/7(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
12/8(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※アブダビGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン437
2位ランド・ノリス374
3位シャルル・ルクレール356
4位オスカー・ピアストリ292
5位カルロス・サインツ290
6位ジョージ・ラッセル245
7位ルイス・ハミルトン223
8位セルジオ・ペレス152
9位フェルナンド・アロンソ70
10位ピエール・ガスリー42

チームランキング

※アブダビGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム666
2位スクーデリア・フェラーリ652
3位オラクル・レッドブル・レーシング589
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム468
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム94
6位BWTアルピーヌF1チーム65
7位マネーグラム・ハースF1チーム58
8位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム46
9位ウイリアムズ・レーシング17
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー4

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第19戦アメリカGP 10/20
第20戦メキシコシティGP 10/27
第21戦サンパウロGP 11/3
第22戦ラスベガスGP 11/23
第23戦カタールGP 12/1
  • 最新刊
  • F1速報

    Rd22 ラスベガス&Rd23 カタール&Rd24 アブダビGP号