F1速報

  • 会員登録
  • ログイン

F1第15戦技術解説(2)予選を重視したフェラーリが勝てるシナリオはあったのか

2023年9月14日

 各グランプリのF1マシンを観察するF1i.comの技術分野担当ニコラス・カルペンティエルが、細部の画像を紹介するとともに、注目点について解説する。今回は2023年F1第15戦イタリアGPのフェラーリとレッドブルに焦点を当てた。


──────────────


 F1イタリアGPで、レッドブルとは異なり、フェラーリは、非常に軽いダウンフォースのウイングで走ることを選択した。そしてこれが引き起こした不利は、日曜日の気温の高さによっていっそう際立った。

2023年F1第15戦イタリアGP フェラーリSF-23とレッドブルRB19のウイング比較


 軽いダウンフォースとアスファルトが発する42℃を超える熱は、F1マシンの左リヤタイヤに厳しい試練を与えた。マックス・フェルスタッペンのエンジニアで、いまや有名なジャンピエロ・ランビアーゼは、スタート前にタイヤを温存するよう求めた。


 しかしタイヤでより苦しんだのは、フェラーリだった。首位を死守するカルロス・サインツはフェルスタッペンのアタックに絶え間なくさらされ、タイヤは限界まで摩耗し、ブレーキングやコーナリング中にスリップしまくった。


「左リヤタイヤの劣化を、予想以上に早く感じた」と、サインツはレース後に嘆いていた。


「マックスの猛攻を防ごうとして、タイヤを使いすぎたことはもちろんわかっていた。このままだと苦しくなるのはわかっていたから、早めのタイミングでハードタイヤに替えようとも思っていた。結局は、マシンとタイヤが対応できる以上に、激しくプッシュしてしまったということだ」


「でも僕らは結果的に、1ストップ作戦に固執した。レース前の数字が、それが最適な戦略だと示唆していたからだ。でも正直なところ、各スティントで少なくとも5周多すぎたと思う。ミディアムタイヤで走った最後の4周で、タイヤは完全に摩耗していたからね。ハードタイヤで走った最後の10周も同じで、ラバーが残っていなかった」

2023年F1第15戦イタリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とカルロス・サインツ(フェラーリ)
2023年F1第15戦イタリアGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とカルロス・サインツ(フェラーリ)


 しかしもしラバーを温存する走りをしていれば、もっと早くフェルスタッペンに抜き去られていただろう。一方、アンダーカットを試みようと、もっと早くピットインしていたら、バルテリ・ボッタスとエステバン・オコンの後ろに下がってしまったはずだ。では無線で一時話し合っていたように、2回ストップしていたらどうだったか。15秒ほどロスして、表彰台も難しかった可能性がある。


 この週末はハンガリー同様、ATA(代替的なタイヤ配分)が実施された。そのためチームが自由に使えるタイヤの数が少なく、事前に想定したテストがフリー走行で思うようにできなかった。さらにピレリが昨シーズンよりも一段階ずつソフトなコンパウンドを選択したことも、フェラーリにとっては不利な要因だった(去年はC2、C3、C4で、今年はC3、C4、C5)。


 モンツァで最速タイムを出そうとしたら、リヤウイングはできるだけ薄くするのが理想的な選択であることは間違いない。しかしこの選択は、よりダウンフォースを発生するウイングよりもタイヤの消耗が激しくなるというデメリットがある。


 フェラーリが予選重視のセッティングだったのに対し、レッドブルはあくまでレース当日に向けてシャシーを最適化していた。それでも逃げ切れると、フェラーリは思ったのか。あるいは表彰台に1台でも入れれば、十分だと思ったのか。いずれにしてもレッドブルの優位は、ここでも脅かされることはなかった。



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)


レース

12/6(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
12/7(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
12/8(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※アブダビGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン437
2位ランド・ノリス374
3位シャルル・ルクレール356
4位オスカー・ピアストリ292
5位カルロス・サインツ290
6位ジョージ・ラッセル245
7位ルイス・ハミルトン223
8位セルジオ・ペレス152
9位フェルナンド・アロンソ70
10位ピエール・ガスリー42

チームランキング

※アブダビGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム666
2位スクーデリア・フェラーリ652
3位オラクル・レッドブル・レーシング589
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム468
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム94
6位BWTアルピーヌF1チーム65
7位マネーグラム・ハースF1チーム58
8位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム46
9位ウイリアムズ・レーシング17
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー4

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第19戦アメリカGP 10/20
第20戦メキシコシティGP 10/27
第21戦サンパウロGP 11/3
第22戦ラスベガスGP 11/23
第23戦カタールGP 12/1
  • 最新刊
  • F1速報

    Rd22 ラスベガス&Rd23 カタール&Rd24 アブダビGP号