最新記事
- ブレンボ、F1やMotoGP、WRCなど2024年は69の...
- フェラーリ、サインツのために前例のない送別...
- メルセデスを離れるハミルトンがフェアウェル...
- 【F1第24戦無線レビュー(2)】チームに26年...
- FIA会長が新たな口撃。常任スチュワードを望...
- 【角田裕毅を海外F1ライターが斬る】ふたりの...
- フェルスタッペン、ルワンダで草の根レベルの...
- 【F1第24戦無線レビュー(1)】ピアストリが...
- 11番目のF1チーム、社名から正式にアンドレッ...
- キャデラックF1は経験あるドライバーとアメリ...
- 角田裕毅が明かすヨーロッパ生活。顔パスで「...
- 【動画】2024年FIA授賞式:26年ぶり王座のマ...
F1 Topic:因縁のモンツァで1988年“連勝ストップ”の雪辱を果たしたホンダ。土曜日にはペレス車のPU交換を決断
2023年9月7日
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2023年F1第15戦イタリアGPを制した。この優勝でF1における個人の連勝記録を『10』に伸ばし、これまで最長だった2013年のセバスチャン・ベッテル(当時レッドブル)の記録を抜いて、新記録を樹立した。
その勝利にホンダ・レーシング(HRC)の吉野誠チーフメカニックは「感謝しかない」と喜んだ。
ホンダのスタッフにとって、モンツァは特別な一戦だった。それは、マクラーレンと組んでいた35年前の1988年に連勝記録が途絶えたのが、このモンツァだったからだ。
当時のイタリアGPでは、トップを快走していたアイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)が、病気で欠場したナイジェル・マンセルの代わりに出場し周回遅れとなったジャン・ルイ・シュレッサー(ウイリアムズ)を残り2周で追い抜く際に接触事故に遭いリタイア。私たちの記憶には、不運な事故に巻き込まれて記録が途絶えたと刻まれている。
しかし、ホンダのスタッフたちは別の思いがある。それは、このレースでセナのチームメイトだったアラン・プロスト(マクラーレン・ホンダ)が、スタート直後からエンジンのミスファイヤに悩まされた末にリタイアしていたからだ。
もし、プロストのエンジントラブルが発生せずにレースを続けていれば、たとえセナがリタイアしても連勝記録が途絶えることがなかったからだ。
あれから35年が経ったモンツァ。2023年F1第15戦イタリアGPの土曜日、ホンダのスタッフに緊張が走った。セルジオ・ペレス(レッドブル)のICE(内燃機関)からオイル漏れが確認されたのだ。
「フリー走行3回目のセッション終盤にエンジンからオイル漏れがありました。もし、プレッシャー(油圧)が下がっていたら、その場ですぐにエンジンを止めていたと思います。ですが、今回のオイル漏れは、オイルの残量が減っただけで、油圧が落ちたりはしていなかったので、修復さえできれば再び走らせることはできたと思います」
しかし、ホンダとレッドブルはパワーユニットの交換作業を決断する。
「予選まで2時間半のインターバルの間にオイル漏れを完全に修復することに加え、かつ(予選で)再発しないかどうかが分かりませんでした。また、パワーユニットを部分的に交換するよりも、スペアのパワーユニットにまるごと変えたほうが作業が早く、予選までにしっかりと準備できるという判断で、ユニットごとすべて変える決断をしました」
交換後、FIA国際自動車連盟からペレスのパワーユニット交換に関するリリースが出なかったのは、新しいパワーユニットではなく、現在使用している3基目までのものと交換したからだった。
そして、日曜日にもホンダのスタッフに緊張が走った。決勝スタート直前のフォーメーションラップで角田裕毅(アルファタウリ)がコース脇にマシンを止め、スタートすることなくレースを終えた。
「映像を見て、すぐにエンジン(ICE)だと分かりました。ああいった映像を見ると、何が起きるか分からないという緊張感に包まれます。かといって、レースにクルマを送り出してしまった以上、あの状況ではもう我々はエンジンに何もできません。とにかく見守るしかなかったです。いつものレース以上に、最後の最後まで冷や冷やして見ていました」(吉野)
その後フォーメーションラップをやり直すことになり、しばらく各マシンがグリッド上に停止したままになった。このとき冷却系に問題は起きなかったのか。
「あのくらいの時間であれば冷却は問題ありません。ある程度、余裕を持っています。ただ、グリッド上で仕事を行うレッドブル側のメカニックたちはフォーメーションラップのスタートを切った後、スタート直後の緊急ピットインに備えるために急いでガレージに戻らなければならないのですが、フォーメーションラップがやり直しとなり、再びグリッドへ向かわなければならず、大変だったと思います」(吉野)
こうしてスタートが切られたイタリアGPは、2番手からスタートしたフェルスタッペンがフェラーリのストレートスピードに手こずりながらも15周目にトップに立つと、5番手からスタートしたペレスも46周目に2番手に浮上し、万全の体制でレース終盤に突入。1988年に2台ともリタイアして連勝記録が途絶えたモンツァで、ホンダは35年後に1-2フィニッシュでその雪辱を見事に果たした。
「今回はマックス(フェルスタッペン)もチェコ(ペレス)も素晴らしかったです。セットアップも含めてみんながいい仕事をした結果だと思います。みんなに感謝です」
フェルスタッペンによる新記録達成は、ホンダにとっても35年前の雪辱を果たす特別な一勝だった。
(Masahiro Owari)
関連ニュース
12/6(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
12/7(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
12/8(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 437 |
2位 | ランド・ノリス | 374 |
3位 | シャルル・ルクレール | 356 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 292 |
5位 | カルロス・サインツ | 290 |
6位 | ジョージ・ラッセル | 245 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 223 |
8位 | セルジオ・ペレス | 152 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 70 |
10位 | ピエール・ガスリー | 42 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 666 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 652 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 589 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 468 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 94 |
6位 | BWTアルピーヌF1チーム | 65 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 58 |
8位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 46 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 17 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 4 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |
第23戦 | カタールGP | 12/1 |