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F1第15戦木曜会見:「まだやり残したことがある」迷わず現役続行を望んだハミルトン。チームとの交渉で互いに自信
2023年9月1日
F1第15戦イタリアGP木曜日のドライバー会見では、メルセデスと2025年末までの契約延長が発表されたばかりのルイス・ハミルトンに質問が集中。「他のドライバーにも、話させなよ」と、ハミルトンからたしなめられるほどだった。
Q:ルイス、契約延長おめでとう。
ルイス・ハミルトン:このチームとこれからも一緒にいられるなんて、これ以上うれしいことはない。僕たちはずっと、信じられないような旅をしてきた。そしてまだやり残したことがある。トップに戻るために、やるべきことはたくさんある
Q:続けるかどうか迷ったことは?
ハミルトン:いや、絶対に続けたかった。去年は確かに、難しい年だった。今年もスタートで出遅れたものの、今はコンストラクターズ選手権で2位につけている。困難を乗り越えてここまで成し遂げた僕とチームのことを、本当に誇りに思っているよ
Q:契約の交渉で、あなたを納得させるためにチーム側はどんなことを言ったのですか?
ハミルトン:特別なことじゃない。すべての部門の責任者が一堂に会して、自分たちの現状や犯した過ち、なぜそのような決断を下したのか、なぜ二度と同じことを繰り返さないのか、そして自分たちがどこへ向かっているのかについて、これまで以上に語り合った。その結果、僕たちは団結し、時間が与えられたらあるべき姿に到達することができるのだと、お互いに自信を持つことができた
Q:40歳を過ぎてもレースをすることは想像もつかなかったし、魅力も感じなかったとあなたが言っていたのは、それほど昔のことではありません。自分の長寿に驚いていますか? これほど長く続けてこられたことに、驚いている?
ハミルトン:今の年齢になっても続けていられること、何よりこれほど(レースを)好きでいられるとは思ってもみなかった。それは信じられないほど、ありがたいことだよ。多くの人は同じ仕事や役割に長期間とどまり、その仕事が好きではなくなっても、それしかできないから続けているだろうからね。クルマに乗るのが好きで、仲間たちとレースをするのも好きだ。ガレージのみんな、チームのみんなと一緒にどん底を味わい、一緒に最高を味わう、あの感覚がたまらなく好きなんだ
担当エンジニアのピーター・ボニントンとは、ハミルトンがメルセデスに2013年に移籍して以来の相棒だ。これだけ長い組み合わせは、F1史上最長と思われる。そしてその関係は、今後も続くという。
Q:ボノとは、あと2年やりますか?
ハミルトン:不動だよ。エンジニアとドライバーのコンビがこれほど長く続いたことはなかったと思う。僕たちは今後も、記録を更新するんだ
Q:現在38歳のルイスは、新しい契約が終わるとき40歳になっています。他の4人のドライバーは、40歳になってもレースを続けるというシナリオを想像できますか?
角田裕毅:僕にはまだ17年もあるから、全然想像できないですね。もちろんその時も現役でいられたら、素晴らしいことだと思います。40歳になって、自分の目標である世界チャンピオンになれたら、もっとうれしいだろうけど。でもそれと同時に、レース以外で自分のやりたいこともやりたいしね。レストランを持つのも、いいかもしれない
オスカー・ピアストリ:僕はあと18年だ。もし40歳になってもレーシングカーに乗り続けていて、自分のやっていることが好きなら、それは人生のなかでかなり有意義な18年間だと思う。だからルイスのような成功を手にしたとき、彼がレースを依然として愛していられる理由は想像できる。もちろん、上に行けば行くほどプレッシャーは大きくなるし、他の仕事との兼ね合いも出てくるだろうけど
エステバン・オコン:時が経つのは早いけど、幸い僕はまだ若い。このふたりと比べたら、そんなに若くはないけど
ハミルトン:何歳だっけ?
オコン:26歳。2週間後には27歳だけど。もしかして、年の割りに老けて見えるって言いたい? ルイスはすごく若く見えるし、スキンケアの方法を教えてほしい(笑)。40歳になったとき、自分がどうなっているかはわからないけど、今も1週間レーシングカーの運転から離れていると、何かを失ったような気がする。アドレナリンを取り戻して、あの興奮を取り戻したいと思うんだ。情熱的というか、とにかく運転が大好きなんだ。僕のこれからの人生も、きっとそうなんだと思う
アレクサンダー・アルボン:僕もみんなと同じような感じだ。ただ40歳までF1にいられるというのは、現実的には並外れた、世代を超えた才能がないと無理だと思う。もちろん40歳まで続けたいけど、普通はそうはならない。長い間F1を走り続けていると、身体への負担もハンパじゃないしね。今もトップ争いを続けるルイスの心のなかには、激しい炎が燃え続けているんだ
通算103勝、104回のポールポジションをはじめ、F1のほとんどの記録を塗り替え、勝ちまくってきたハミルトン。なのに今もレースへの情熱はいささかも衰えず、アルボンのいうように「心のなかには、激しい炎が燃え続けている」。それこそがハミルトンという不世出のF1ドライバーの、本当の凄さかもしれない。
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 131 |
2位 | ランド・ノリス | 115 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 99 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 93 |
5位 | シャルル・ルクレール | 53 |
6位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 48 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 41 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 30 |
9位 | エステバン・オコン | 14 |
10位 | ランス・ストロール | 14 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 246 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 141 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 105 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 94 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 37 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 14 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 8 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 7 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |

