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スパでの事故を受けて、F1ドライバーからも安全性の見直しを求める声「変更が必要」「もう起きるべきじゃない」
2023年7月5日
アストンマーティンのランス・ストロールは、スパ・フランコルシャンのラディオンコーナーの変更を求めている。フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパで、悲劇が起きたのだ。
スパで開催されたフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパの第4戦において、18歳のオランダ人若手ドライバーのディラーノ・ファン・ト・ホフは、雨で濡れたコースでマシンのコントロールを失い、他のドライバーに側面から衝突されて死亡した。2019年に同じ場所で起きた、F2ドライバーのアントワーヌ・ユベールの事故死と似た状況だった。
ユベールの悲劇を受けて、昨年スパ・フランコルシャンではオー・ルージュ/ラディオンの複合コーナーに大幅な変更が施された。レイアウトは変更されていないが、安全性の向上と、マシンがバリアに衝突してコースの真ん中に跳ね返るリスクを減らすため、広いランオフエリアが上り坂の左側に追加された。
また、土曜日の事故はケメルストレートの始まりで起きたことも注目すべきだ。大量の水煙が上がったためドライバーの視界は非常に悪くなり、極めて劣悪な状況となっていた。ファン・ト・ホフは、ラディオンの頂上でスピンしたドライバーが原因となった混乱のなかで、マシンのコントロールを失ったようだ。
ストロールは、過去4年間でふたりの若手ドライバーが亡くなったことは、スパ・フランコルシャンの有名なコーナーを変更する切実な理由になると主張した。
「今日の話題はレースではない」とストロールはオーストリアで土曜日に行われたF1スプリントイベントの後に語った。
「今日、スパで若いドライバーが亡くなった。彼と彼の家族にお悔やみの言葉を伝えたい」
「起きたことはフェアじゃない。あのコーナーは調査して変更する必要がある。5年くらいの間に若手ドライバーがふたり亡くなっているんだからね。あのコーナーは変えなければならない。僕たちは数週間後にあそこへ行く」
「今日起きたことは恐ろしいことだ。僕たちはレーシングファミリーの一員を失った。あのコーナーについて真剣に考える必要がある。あそこを通るのは決して楽しいことではないからだ」
「毎回あそこを通るたびに、僕たちは命を危険にさらしている。そして今日、とてもひどいことが起きてしまった。起きるべきではなかったことだ」
ストロールは、スパの危険性については過去にGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)で議論されたが、対応されることはなかったと語った。
「僕たちは話し合ったが、その後は忘れ去られた。変更する必要がある」
「彼らは何らかの対応をしなければならない。僕たちは数週間後には危険なゲームをすることになる。またしてもね。僕たちだけのためではない。F2やF3の若手など、毎週あのコーナーを通過する全員のためだ」
「ドライであっても、あそこは見通しのきかないコーナーだから、コントロールを失えばウォールにぶつかって、コースの真ん中に跳ね返ることになる。時速300km以上のスピードでマシンが迫ってくる。そうしたらおしまいだ」
アルピーヌのピエール・ガスリーはユベールの親しい友人だったが、ファン・ト・ホフの死について徹底的な調査が行われることを望んでいる。
「起きたことについては、誰もがひどくショックを受けていると思う」とガスリーは述べた。
「そしてこのことはとても悲しい時を思い出させる。数年前にアントワーヌに起きたことをね。何かがおかしいようだ。僕たちは若い才能の持ち主たちを死なせるような立場にいるべきではない」
「だから正確に何が起きたのか、明確に見直し、今後はこうしたことが二度と起きないようにしなければならない。こんな形で若手を失うなんて、もうたくさんだと思う。言うまでもなくとても悲しいことだ」
「安全性に関わっている人々と、ドライバー全員の安全を見守っているすべての人々が、何かしらの行動を起こすことを願っている。これは初めてのことではないからだ。もう決して起きるべきではない」
ストロールのチームメイトであるフェルナンド・アロンソは、濡れた路面と視界の悪さが、ファン・ト・ホフの不運なクラッシュの要因だと考えていた。
「コースのせいか、スピードのせいか、視界のせいかはわからない」とアロンソは語った。
「一番の原因は視界だと思う。ウエットコンディションでドライブできないわけではない。赤旗で遅れが出ると、観客や家で見ているファンは苛立つだろう」
「これが現在のシングルシーターのあり方で、視界が悪い時は、特定のコースではあるレベルのスピードで走行できない」
「問題がスパ自体にあるのかどうかはわからない。モンツァでは、ストレートの真ん中にマシンがいても見えないと思う」
「だから視界の悪さが問題だ。そして僕たちは今日起きたことをふたたび受け入れるわけにはいかない。これを最後にしなければいけない」
アロンソは、最終的にスパ・フランコルシャンの伝説的なラディオンがなくなっても何の問題もないと語った。
「もちろんそうだ。誰も問題のある事故や危険な事故など見たくない」
「前にも言ったように、ストリートサーキットがある。バクーでクラッシュすると、常にコース上にいることになる。コースに戻るが、速さは時速120kmで、視界は良好だ。300だと、何も見えなくなるんだよ」
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(autosport web)
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