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『パンテーラ・チーム・アジア』がF1参戦の意向を示す。アジアを拠点としたプロジェクトを2019年に開始

2023年1月9日

 FIAが新規F1参入を希望する者に対して門戸を開く意向を示したことを受けて、『パンテーラ・チーム・アジア』が、2019年にスタートしたプロジェクトを推進し、2026年からのF1参戦を目指すと表明した。


 1月2日、FIA会長モハメド・ビン・スライエムは、新たにF1参入を希望する者の存在を確認するため、F1への参入(関心表明)プロセス(『Expressions of Interest process』)の開始を検討すると発表した。


 5日には、マイケル・アンドレッティ率いるアンドレッティ・グローバルが、アメリカの自動車メーカー、ゼネラルモーターズと提携し、『アンドレッティ・キャデラック』としてF1エントリーを目指すと表明した。これに続き、『パンテーラ・チーム・アジア』のチーム代表兼共同創設者ベンジャミン・デュランが、F1プロジェクトを加速させる意向を示した。


 デュランは、かつてWEC世界耐久選手権のSMPレーシングでマネージングディレクターを務めた人物で、2019年にパンテーラ・チーム・アジアを立ち上げ、当初は2021年にF1に参戦することを目指すと述べていた。しかし、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響などにより、プロジェクトの進行が妨げられていた。


 チーム立ち上げを明らかにしてから3年以上が経過しているものの、プロジェクトは今も生きており、2026年からのF1参戦を目指しているとデュランは語った。

2019年F1シンガポールGP パンテーラ・チーム・アジア創設者のベンジャミン・デュラン(右)とマイケル・オーツ
2019年F1シンガポールGP パンテーラ・チーム・アジア創設者のベンジャミン・デュラン(右)とマイケル・オーツ

「ジェットコースターのような日々だった。このプロジェクトをずっと前に諦めてしまうこともできたが、我々は今もこのプロジェクトを信じている」とデュランは『PlanetF1.com』の独占インタビューのなかで述べた。


 パンテーラ・チーム・アジアは、その名称が示すとおり、アジアの投資家からサポートを受けて、アジアに拠点を置き、チームを運営する予定だ。


 現在F1はアメリカの市場を重視し、2023年にはマイアミ、オースティンに加えてラスベガスでもグランプリを開催する。デュランは、F1はアジアにもっと目を向けるべきだと主張する。


「次に開発されるべきは、アジアのマーケットであり中国のマーケットであると、我々は今も考えている。彼らは西ばかり見ていて、東を向いてはいない。いまのF1は米国に焦点を当てている。米国で人気が高まっている今、それは当然のことだが、F1にとってアメリカの市場の次に大きな市場は、アジアやアフリカになる。今は(中国出身のドライバー)周冠宇が参戦しているだけになおさらだ」


「既存F1チームとの違いは、我々はヨーロッパに拠点を置かないということだ。プロジェクトの重要な部分は、F1が存在しないアジアの地域にF1をもたらすという考えだ」


「これはアジアのプロジェクトであり、我々はアジアのドライバーに関心を持っている。現時点で周冠宇はアルファロメオと契約しているが、チームがアウディになった時にどうなるかを見ていく。まだ時期尚早だが、何人かのドライバーとは連絡を取り合っており、2026年から新しいドライバーが登場することになるだろう」

周冠宇(アルファロメオ)
2022年F1第10戦イギリスGP 周冠宇(アルファロメオ)

「才能ある地元のドライバーをF1に連れて行きたいとも思っている。アカデミーの活動には時間がかかるので、最初にそれを構築するつもりはないが、中長期的な目標ではある」


「地元で人材を採用し、地元の才能ある人々とともに働き、マシンの開発を行う。イギリスでチームを作ってスタッフを採用する方が楽だが、その楽な方法を我々は選ばない」


 パワーユニットにおいては、「既存マニュファクチャラーのひとつと事前合意に至っているが、同意書にすぎない」ということで、2026年のマニュファクチャラー参戦状況を見て方向性を確定すると、デュランは述べている。


 デュランは、F1プロジェクトを諦めたことはなかったが、これまでなかなか状況が整わなかったと言う。


「F1チームを作ろうとするときには、すべての条件が揃わなければならない。そういう特有の問題がある。我々の場合、資金がある時には、FIAとF1がコンコルド協定の交渉中で、新チームを受け入れる準備ができていなかった。まずは既存チームとの契約を結ぶ必要があったのだ」


「技術面での提携についてルノーと交渉したが、彼らはこの5年間に多くの経営陣の変更があり、それが我々のプロジェクトに直接影響した」


「その後、F1参戦の可能性が再び戻ってきた時に、パンデミックが訪れ、我々は資金を失った。そのため、財政面の問題に改めて取り組む必要が出てきた。このようにジェットコースターのような状況が続いている」



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(autosport web)


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