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【F1第2戦無線レビュー(1)】アルピーヌのチームメイト争いが激化。アロンソ「このまま行くのはちょっとクレイジーだ」

2022年4月5日

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPでは、週末を通してトラブルに悩まされた角田裕毅がスタート前にマシンを降りることになった。一方レースでは、キャリア初のポールポジションを獲得したセルジオ・ペレスが2番手シャルル・ルクレールの逆転を阻止しようとピットストップを行った直後にセーフティカーが導入され、ポジションを落とす展開に。サウジアラビアGP前半を無線とともに振り返る


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 予選でトラブルに見舞われ、最後尾スタートとなった角田裕毅(アルファタウリ)。しかしグリッドに向かう周回で、再び止まってしまう。


角田:エンジンがなくなった
マッティア・スピニ:終わりだ。すべて止めていい


 開幕戦8位入賞と幸先の良い2年目のスタートを切ったが、2戦目は予選、レースで1周も走れない悔しい結果に終わった。


 レース序盤はポールシッターのセルジオ・ペレス(レッドブル)が首位をキープし、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が追う展開となった。


(6周目)フェルスタッペン:ルクレールのリヤライトが点いてない!
ジャンピエロ・ランビアーゼ:機能してないということか?
フェルスタッペン:そうだよ!


 普通ならデプロイが切れた際に点滅するはずが、していないようだ。後続車はこれで先行車の減速の可能性を察知するわけで、点灯しないと最悪の場合追突の恐れもある。


ルクレールの担当エンジニア、マルコス・パドロスが細かく指示を送る。


(4周目)マルコス・パドロス:ここからDRSが使える。ターン6、7、10、それから22でもタイヤをいたわるんだ。フェルスタッペンは1秒5後ろ、ペレスは1秒8前だ


(10周目)ルクレール:高速コーナーの時は、ちょっと黙っててくれ

シャルル・ルクレール(フェラーリ)
2022年F1第2戦サウジアラビアGP シャルル・ルクレール(フェラーリ)


 パドロスはそれ以外にも、「タイヤはいい感じだ」と、数周おきにルクレールに伝えていた。ジェッダの高速区間は一瞬のミスも許されないだけに、さすがにウザく感じたのかもしれない。パドロスは、かまわず指示を送り続ける。


(10周目)パドロス:プランAで行く。レッドブルよりデグラデーションがいい


 プランAは1回ストップでミディアムタイヤからハードタイヤに交換ということだろう。


 それに対してペレスの担当エンジニア、ヒュー・バードは、「プランB」を提案した。


バード(→ペレス):いいペースだ。我々はプランBだ


 この場合のプランBとは、結果的になんだったのか。フェラーリに聞かれることを前提に、ブラフを仕掛けた可能性もあった。


 その頃、中団グループでは、6、7番手のアルピーヌのフェルナンド・アロンソとエステバン・オコンが激烈なチームメイトバトルを繰り広げていた。


カレル・ルース:エステバンはコンマ7秒後ろだ。タイヤはどうだ?
アロンソ:本当なら、もっと行けるんだけどね

フェルナンド・アロンソ&エステバン・オコン(アルピーヌ)
2022年F1第2戦サウジアラビアGP フェルナンド・アロンソ&エステバン・オコン(アルピーヌ)


 オコンがプッシュして来なければ、もっとタイヤをセーブできると言いたいのだろう。ただしアロンソの口調には、オコンを非難する感じはない。


(12周目)アロンソ:ちょっとオーバーステアになってきたが、大丈夫だ。


 しかしオコンのプッシュはさらに過激になり、アロンソもさすがに音を上げ始めた。


アロンソ:このまま行くのは、ちょっとクレイジーだよ
ルース:了解した


直後にオコンに対し、「ポジションキープ」の指示が飛び、オコンはまもなくバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)に抜かれていった。


 14周目、ルクレールからこんな提案が出た。


ルクレール:ピットインして抜くのはどうだ
パドロス:了解した


 ペレスより先にピットインして、アンダーカットしようというのだ。そして15周目、パドロスから指示が出た。


(15周目)パドロス:ピットインして、オーバーテイクだ


 しかしすぐに、「ステイアウト」が指示された。ペレスがフェラーリの無線を聞いて、先にピットに飛び込んだのだ。

セルジオ・ペレス(レッドブル)
2022年F1第2戦サウジアラビアGP セルジオ・ペレス(レッドブル)


 ところが直後にニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)がクラッシュ。バーチャルセーフティカー(VSC)、そしてセーフティカー(SC)が導入され、ルクレール、フェルスタッペン、カルロス・サインツ(フェラーリ)らが次々にピットイン。ペレスにとっては最悪のタイミングとなってしまった。それでもコースインしてきたサインツを辛くも抑えて、何とか3番手にとどまった。しかし抜かれたサインツから文句が出た。


サインツ:押し出してきた。FIAがジャッジすべきだ。僕がSCラインの前だったんだから


 映像を見直すと、確かに1mほどサインツが先行している。それにしてもバトルしながら、よく見ていたものだ。ペレスはレース再開直後に順位を譲り、4番手に後退。初ポールからの勝利の目論見は、泡と消えてしまった。

2022年F1第2戦サウジアラビアGP カルロス・サインツ(フェラーリ)とセルジオ・ペレス(レッドブル)
2022年F1第2戦サウジアラビアGP カルロス・サインツ(フェラーリ)とセルジオ・ペレス(レッドブル)


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(2)に続く



(取材・まとめ 柴田久仁夫)


レース

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2位ランド・ノリス176
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6位ルイス・ハミルトン71
7位アンドレア・キミ・アントネッリ48
8位アレクサンダー・アルボン42
9位アイザック・ハジャー21
10位エステバン・オコン20

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1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム362
2位スクーデリア・フェラーリHP165
3位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム159
4位オラクル・レッドブル・レーシング144
5位ウイリアムズ・レーシング54
6位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム28
7位マネーグラム・ハースF1チーム26
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9位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム16
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