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【角田裕毅F1第9戦密着】「ペナルティがなくてもポイントは獲れなかった」前日のセッティング変更もペース不足の一因か

2021年7月5日

 2021年F1第9戦オーストリアGPで、予選自己最高位である7番手を獲得した角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)。今回は予選後のペナルティもなく、スターティンググリッドも自己最高位の7番手。しかも、舞台は1週間前に11番手スタートから10位入賞した本人も「好きなコース」と明言しているレッドブルリンク。2週連続入賞はかなり高い可能性で達成されると思われた。


 スタート前、ホンダF1の山本雅史マネージングディレクター、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表、そしてアルファタウリのジョナサン・エドルズ(チーフレースエンジニア)とグータッチして、コクピットに乗り込んだ角田。しかし、「ポイントが最大の目標」という角田のレースは、ふたつの誤算によって、もろくも崩れ去ってしまった。


 まず、最初の誤算はピットインだった。12周目に1回目のピットインをする際、角田がピットエントリーへ通じる白線をまたいで、外側から進入してしまった。通常走行するドライバーはコース内であれば、白線に関係なく走行できるが、ピットインするドライバーは白線から先は常に白線の内側を走行してピットエントリーへ向かわなければならない。角田はこのルールを犯してしまった。これにより、レース審議委員会から5秒タイムペナルティを科された。


 ミスは続いた。この日のアルファタウリはふたりとも2回ストップ作戦を敷いており、角田は51周目に2回目のピットストップを行うが、このときも白線をまたいでピットインしてしまった。これで角田は再び5秒タイムペナルティをくらい、ポイント圏外へ脱落した。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第9戦オーストリアGP 51周目、2回目のタイヤ交換を行う角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
角田は2セット目のハードタイヤを装着した


 だが、このペナルティがなくとも、この日角田がポイントを獲得するのは難しかったかもしれない。それがふたつ目の誤算だった。


「白線を切った件についてですけど、先週も今週のフリー走行でも僕は同じようにピットインしていたのに、急になんでという感じです。そもそも5秒ペナルティがなくてもポイントは獲れていませんでしたし、ペースが悪すぎたので、それがなぜなのか分析します」


 考えられる原因は、自信を持って臨んだ2ストップ作戦が機能しなかったことだ。じつはフリー走行3回目から予選にかけて角田とチームはマシンのセッティングを変えていた。


「じつは正直、(フリー走行3回目を終えた時点では)予選でQ3に進出できるかどうかという状況だったんです。それでセッティングを変えました」(角田)


 このセッティング変更によって、予選はフリー走行よりもよくなったが、日曜日のロングランでペースが上がりにくいマシンに変わってしまったのかもしれない。


 またはQ3に進出しても、ソフトタイヤでスタートするということ自体が、誤った戦略だったのかもしれない。その証拠に、アルファタウリと同様、アストンマーティンの2台もQ3に進出したものの、ソフトタイヤでスタートして、ポイント圏外でフィニッシュしていたからだ。


 この日、ソフトでスタートしたのはアルファタウリとアストンマーティンの4台のみ。また、この日のレースで入賞した10人のうち、アルファタウリと同じ2ストップは3台のみで、7台が1ストップだった。アルファタウリの戦略は王道ではなかった。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第9戦オーストリアGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)


 なぜ、アルファタウリはギャンブルとも思えるソフトでスタートして2ストップするという戦略を採ったのか。それはアストンマーティンの存在だろう。


 レースが期待外れに終わったものの、アルファタウリの車両パフォーマンス担当チーフエンジニアを務めるクラウディオ・バレストリは、次のように語っている。


「コンストラクターズ選手権上でライバルあるアストンマーティンよりも多くのポイントを得たことはとてもポジティブだ」


 もしかしたら、アストンマーティンを意識したことが誤算の始まりだったのかもしれない。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第9戦オーストリアGP 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

2021年F1第9戦オーストリアGP スタートシーン
2021年F1第9戦オーストリアGP スタートシーン

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
2021年F1第9戦オーストリアGP レース後にインタビューに応じる角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)



(Masahiro Owari)


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