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ザウバー、東京パラリンピックに出場するスイス選手のためにレーシングホイールチェアを開発

2021年6月23日

 6月22日、ザウバー・グループはスイス・パラプレジクス・ファウンデーションの子会社であるオルソテックやスイスのテクノロジーパートナーととともに、最高レベルのパラサイクルレース用レーシングホイールチェア『OTフォックス』を発表した。


 OTフォックスは、最初のアイデアから最終的な製品化まですべてスイス国内で行われた最初のレーシングホイールチェアになる。F1ではアルファロメオ・レーシング・オーレンを運営するザウバー・グループは、レーシングカーの空力などを手がけるザウバー・エアロダイナミクス、ザウバー・エンジニアリング、さらにオルソテック、ETHチューリッヒ、スイス・パラプレジクス・リサーチなどのパートナーとともに、ザウバー独自の専門知識と最先端テクノロジーを組み合わせ、OTフォックスを製作した。


 このOTフォックスは、今夏開催される東京パラリンピックの陸上競技で、4大会連続のパラリンピック出場を果たすスイスのマルセル・フグが『OTフォックスM1』を駆る予定で、さらにサイズ面で広い用途で設計された『OTフォックスP1』を女性アスリートのパトリシア・エチャスが走らせる。


 OTフォックスはフルカーボンシャシーをもち、多くのレーシングカーを生み出してきたザウバーの風洞でテストされた。またサイクリングのスペシャリスト集団であるスイス・サイドがデザインしたホイールも空気抵抗低減と安定性をもたらす。それぞれのレーシングホイールチェアは、アスリートに合わせて調整され、理想的な座位がシミュレーターで事前に決定される。


 この最適な座位の調査は、日常のチェアウォーカーにも役に立つという。チェアウォーカーは日常の操作で肩関節に負担をかけており、ETHチューリッヒとスイス・パラプレジクス・ファウンデーションは、車いすの最適な座位を決定するエルゴメーターを開発した。


「オルソテックとザウバー・グループの総合的なノウハウ、世界レベルのアスリートとの緊密な協力により、パフォーマンスの面で新たなベンチマークを設定する、理想的なレーシングホイールチェアのベースを作ることができた」とザウバー・エアロダイナミクスのグループリーダーであるベンジャミン・コシェは語った。


「F1マシンのようなハイエンドのレーシングホイールチェアの開発には、ザウバー・グループに集まるさまざまな分野が相互にコミュニケーションをとる必要があった。設計、エンジニアリングのリソースが活用されてきた」


 OTフォックスにはザウバーのロゴがつけられ、東京パラリンピックを戦う。



(Ryuji Hirano / autosport web)


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