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松田次生のF1目線:隙を作り出し、メルセデスの牙城を崩したレッドブル・ホンダ

2021年5月31日

 フォーミュラ・ニッポンの元チャンピオンで、現在はスーパーGTでニスモのワークス車両でGT500を戦い、スーパーフォーミュラではチーム監督としてKCMGを率いる松田次生がF1について語る連載企画。今回は2021年第5戦モナコGPを振り返ります。

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 メルセデスが珍しく苦戦しましたね。特にハミルトン。クルマが曲がっていなくて、予選アタック中にもアンダー出してぶつかりそうになっていました。

 それに対して調子が良かったのがフェラーリとマクラーレンです。フェラーリのふたりの速さも拮抗していました。ロガーを見ると、最終コーナー手前まではサインツの方が速いのですが、最後にルクレールが逆転していました。

 マクラーレンも良かったですが、ノリスとリカルドの差がちょっと大きすぎますね。リカルドはハンドルの修正が多く、対してノリスは全体的に舵角が少なく、かつコーナーのエイペックスのスピードが高い。リカルドは普通に速いドライバーだと思いますから、今のクルマは相当合わないのでしょうね。

 角田君は、クラッシュしてはいけないことを自分で言いつつ、チームにも言われていたのにやってしまったところが残念でした。

 市街地コースは、いきなりタイムを出すのではなく、タイヤのピークが上がると同時に、ドライバーの順応やアジャストの上がり幅でタイムアップしていく部分が大きいです。だから絶対にガードレールにヒットしてはならず、距離を稼いでタイムを上げていくことが大事なんですよね。ガスリーとの差を感じたあせりもあったかもしれません。

 これはポールポジションを獲ったルクレールにも言えて、リタイアの直接の原因ではないという話ですが、クラッシュが間接的にドライブシャフトの破損につながった可能性はありますから。

 決勝では、なぜメルセデスは、アンダーカット狙いで最初に入ったのかが気になりました。ハードは温まりが悪く、オーバーカットで逆に前に行かれてしまった。ペレスがこれで前に出ることに成功しました。

 これはまさにメルセデスの牙城を崩すお手本のようなパターンです。メルセデスにプレッシャーを与えることで、隙を作り出し、そこを突くわけですね。それをやるためには、フェルスタッペンは常にトップにいることが絶対条件です。

 ただこの影には、フリー走行の時間が短縮になって、ロングランが見られなくなったことが影響しているかもしれません。アンダーカットできるだろうというメルセデスの見込みを、甘くさせたのですから。

 それにしても今回はフェラーリがここまで速くなるとは思いませんでしたね。ルクレールとサインツは、速さは互角だったのですが、ルクレールはオーバーラップをハミルトン並みにしていて、サインツはまったくしていないところが興味深かった。

 ルクレールとハミルトンは予選だけオーバーラップしている可能性が高く、決勝と使い分けているようです。僕はぎりぎりオーバーラップさせないスタイルなんですけど、今度テストでやってみようかなと思っています。

(Tsugio Matsuda)

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